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【交酒】

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東西交流祭は無事に終了したようですね。
模擬結婚式に料理コンテスト……ふふ、ハンターの皆さんも休暇を楽しみながら良い思い出を作れたのではないでしょうか。これも皆さんが歪虚との戦いで勝ち取った休暇です。
次の戦いが始まるまでは、満喫されると良いでしょうね。

辺境要塞管理者:ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032

更新情報(7月6日更新)

7月6日、【交酒】グランドシナリオ「旭日昇天?瑞雨の模擬挙式?」のリプレイMVPを発表!
また、これに伴いエピローグノベルも更新しました!
東西交流の祭、その結果をご確認ください!

【交酒】グランドシナリオ「旭日昇天?瑞雨の模擬挙式?」リプレイはこちら!
▼グランドシナリオ「旭日昇天?瑞雨の模擬挙式?」(6/15?7/15)▼
MVP
 
 

【交酒】エピローグノベル(7月6日更新)

立花院 紫草

朱夏

 その一報は、エトファリカ連邦国天ノ都にも伝わった。
 一計を案じたはずの立花院 紫草(kz0126)であったが、朱夏(kz0116)の報告に黙って耳を傾ける。
「九代目詩天に婿候補が他に?」
「……はい。そのような報告、今まで一切ありませんでした。ですが、つい先程リゼリオからの書状で伝えられました」
 正直、朱夏自身も困惑している。
 つい先日まで詩天からもそのような話は一切なかった。
 だからこそ、帝であるスメラギ(kz0158)との見合い話を進めてきた。
 しかし、突如発生した九代目詩天の結婚話が持ち上がり、スメラギとの見合い話が霧散しかねない状況となった。
「スメラギ様はお喜びでしょうが、あまりにも急な話です」
「やはり、水野様の一計でしょうか?」
 朱夏の脳裏に浮かんだのは一人の男――三条家軍師にして反幕府的思想を持つ水野 武徳(kz0196)である。
 三条家へ九代目詩天の三条真美(kz0198)との正式に見合い話を持ち込んでいなかったのも武徳の妨害が入ると考えての事だ。そう考えると今回の話も武徳の工作と考えるのが自然だろう。
「そうかもしれません。
 ……朱夏。至急、詳細の情報を調べるよう伝えて下さい」
「御意」
「それから、武徳殿の動きに目を光らせて下さい」
「それは、まだ何か企んでいるという事でしょうか?」
 朱夏は、身を引き締める。
 おそらく謀反を引き起こすつもりはないのだろうが、詩天が幕府と大きく距離をおいて独自に西方と交易をする可能性もある。周辺諸国が同様に交易を開始すれば、エトファリカ連邦国の解体にも繋がりかねない。
 だが、紫草は頭を振る。
「分かりません。おそらく、この結婚話も時間稼ぎでしょう。調べればすぐに分かります。我々が調べている間に何かを画策していると考えるのが自然です」
「……御意。すぐにリゼリオへ使いの者を送ります」
 紫草の元を去り、早々に朱夏は動き出す。
 このまま何事も無ければ良いのだが――。
「やってくれましたね、水野様……」


 月日が流れるのは早い物で、真美と武徳が詩天へ帰る日がやってきた。
「本当に楽しい日々でした。未知なる文化を目にした事、忘れません」

スメラギ

三条真美

「何言ってんだよ。死ぬ訳じゃねぇんだ。それに落ち着けば西方の連中が東方へ来る事になる。そしたら、この祭りに負けないぐらいに出迎えてやらないとな」
 辺境の聖地にある転移門を前に、真美とスメラギが挨拶を交わす。
 二人とも東方出身ではあるが、スメラギは連合軍に協力している関係で頻繁に東方へ戻る訳にはいかない。
 こうしている間にも歪虚が次なる侵攻を企んでいるかもしれないからだ。
「そうですね。今度は、私達が西方の皆さんを歓迎しなければなりませんね」
 西方の者が、東方へ――詩天へやってくる。
 その光景を想い描くだけで、真美は胸躍らせる。
 自然と浮かぶ真美の笑顔。
 その笑顔を目にしたスメラギが、思い出したかのように話し始めた。
「そういや、初めてお前を陰陽寮で見た時――覇気の無い奴だと思ったよ」
「え?」
「自分の意志がない、人形みたいな奴だって。でも、今じゃ楽しそうに笑ってる」
 スメラギは、思い返す。
 詩天から来た符術士の一人だったが、名家の出であるにも関わらず他人を避けて生きているような印象があった。まるで、他人に遠慮して生きているのかとさえ思える程だ。
 しかし、今となっては昔の話。
 多くの人と触れ合う事で、本当の真美が顔を見せ始めたのであろう。
「そうでしょうか。私にはよく分かりません」
「分からなくたっていいさ。分からなくても周りが理解してくれるからな」
 難しそうな顔で考え込む真美を前にスメラギは満足げな表情だ。
 そこへ『ゴルドゲイル』の所長ノールド・セッテントリオーネが顔を見せる。
「あー、もうお帰りになられると聞きまして。ご挨拶に伺いました」
「ありがとうノールド。おかげで楽しい思い出になりました」
「そうですか。つきましては今後の交易についても検討を……」
「おい。交易するといっても今回は急ごしらえだったんだろ? 本格的な交易を構築するなら結構な時間がかかるんじゃねぇか?」
 ノールドが切り出した言葉に続けて、スメラギが問いかける。
 今回の東西交流祭は、本格的な交易を前にしたお披露目に過ぎない。確かにこれで東西交流の熱は上がったのだが、肝心の安定した交易路の開拓はこれからとなる。未だに歪虚支配地域を抜ける必要がある危険な航路だけでは、そう簡単に交易はできないだろう。
「ええ。スメラギ様のご指摘通りです。ですが、そこは各国が『協力』いただいて交易路が開拓できれば、我々商人も早々に交易を始めますよ」
「『協力』ねぇ。俺には交易路上の歪虚をさっさと連合軍で片付けろって言ってるように聞こえるよ」
「いえいえ。そのようなつもりはございません」
 揉み手しながら胡麻をするノールド。
 抜け目がない商人だが、彼がいなければこの祭りが開催できなかったのは事実だ。
 真美は、改めて目の前にいる二人に別れの挨拶を告げる。
「二人ともありがとう。また必ず会いましょう」


 真美が別れを告げる少し前。
 武徳の元にはノアーラ・クンタウ管理者のヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)が挨拶に訪れていた。
「西方の旅の終わりにヴェルナー殿か」

水野 武徳

ヴェルナー・ブロスフェルト

「ふふ、喜んでいただけて何よりです。ところで、真美様の見合い話に何かあったようですね」
 武徳は一瞬、怪訝そうな顔を浮かべる。
 真美の見合い話とは、紫草が画策していたスメラギとの見合い話だ。短命な帝の跡取りを考えなければならない時期。ここで九代目詩天の真美を迎える事ができれば、体制は安泰。おまけに九代目詩天を幕府に近い位置へ置く事で詩天側の動きを封じる事もできる。
 しかし、その画策は祭り中に真美が求愛されるという展開により暗雲が立ちこめた。
「大した事はござらん。拙者は幕府へ真美様の婿候補がいると伝えただけでござる」
「それも一部のハンターが起こした行動だそうですね。ですが……それも時間稼ぎでしょう? 幕府が婿の登場で騒ぐ間に、別の工作を準備しているのでしょう?」
 武徳の心を見透かしたかのようなヴェルナーの問い。
 相手は帝国の狐――敵に回せば面倒の相手と考えた武徳は、少しばかり思案した策を口にする。
「工作という程ではござらん。拙者が少々交渉するには時間がかかる故、事態を利用させてもらったに過ぎぬ。できれば、接触したくない相手でござったが……幕府も強引な手を使うのであれば致し方ござらん」
 大きなため息を漏らす武徳。
 その様子から東方でも厄介な相手なのだろう。それを利用しなければならない状況――ヴェルナーはエトファリカ連邦国の体制が揺らぐ予感を抱いた。
 だが、ヴェルナーは敢えてそれを口にしない。
 武徳が助けを求めてきた時に手を差し伸べる。
 その状況になって初めて帝国に利益が生じるからだ。なるべく自分の価値を釣り上げた方が良い。それは武徳が逆の立場でも同じ事をするだろう。
「何かあれば是非、ご連絡下さい」
「抜け目ありませぬな。商人の狸も……帝国の狐殿も」

(執筆:近藤豊
(文責:フロンティアワークス)

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関連NPC

三条真美(kz0198
四十八家第四十位。詩天九代頭首。齢9歳。
千石原の乱を経て正式に頭首に就任した。
詩天頭首の三条家家系は代々符術士として優秀な家系として知られ、詩天中の符術士から崇拝されてきた。
  • 九代目詩天
イラスト:徒月トリ

水野武徳
エトファリカ連邦国詩天を治める三条家臣下の古参武将。
老獪なやり口を得意とするが、小さな詩天を支えるための策と自認している。
  • 三条家軍師
イラスト:カラノハ

ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032
帝国軍第一師団所属の兵長。同師団長オズワルドの命により、辺境要塞防衛の任を賜り辺境管理者として着任。
帝国内でも比較的エリート街道を進むだけあり、今回の辺境管理者の着任も功績を挙げて本国へ帰還する事が目的でないかと囁かれている。
  • 辺境要塞管理者
イラスト:えぼるぶ