王国暦1019年【郷祭】

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邪神が討伐され、世界は大きな脅威から解き放たれました。
ジェオルジですか? 特に変わってませんよ。
あ、いえ。 相変わらずこの時期になると領内も領主の仕事も慌ただしい日々なので…。

平穏が訪れたことで物資の流通も盛んになってきました。
量も例年の五割増しといったところで……ああ、そうですね。
村長会議をやりましょう。

ジェオルジ領主:セスト・ジェオルジ(kz0034

更新情報(10月8日)

毎年恒例となった郷祭のシーズンが到来しました。
邪神が討伐された後も、自由都市同盟の農業推進地域ジェオルジでは収穫に物流にと多忙を極めており、その様子は以前と変わらない光景と言っていいでしょう。
領主セストは今回も村長会議を開催する意向で、ハンター達にお手伝いをお願いする機会も増えそうです。

定期的に開催されておりました【郷祭】も今回が最後!
連動シナリオは本日8日22時から公開予定です!
あわせて本頁でオープニングノベルを公開しました。
最後の郷祭もお楽しみください!
 
 

【郷祭】オープニングノベル(10月8日公開)

 王国暦1019年、クリムゾンウェスト世界は邪神の脅威から解放された。
 自由都市同盟も各地で歪虚による被害は出たが、壊滅した人里は出たとは聞こえてこない。
 ここ農業推進地域ジェオルジ領でも、急ぎ調べた範囲では領内で大きな被害は出ていなかった。
 幾つかの村で、現れた雑魔を退治するのに怪我人が複数発生した、避難の移動中で家畜の一部が行方不明になったなどの報告は上がってきたが、領主家で急ぎ支援せねばならないほどではない。
 けれど、現在の領主ジェオルジ家は多忙を極めていた。

セスト・ジェオルジ

 領主セスト・ジェオルジ(kz0034)への面会者の見送りを終えて、セストの姉ルイーザは伸びをした。普段は領主の姉の立場をわきまえて、立ち居振る舞いには気を配る彼女には珍しいことだ。
 しかし、それもある程度仕方がない。
 なにしろ、朝から立て続いた来客は今見送った人達で三組目。さらに午後からも同数の来客予定が詰まっている。
 それに加えて、セスト宛に届く書簡は日々増えている状態だ。今日も軽く十通は届いていた。
 例年、郷祭が近づくと各村はじめ領内の様々な団体、出入りの商人からの陳情や企画書に、各地に出した招待状の返事などが山を為すのだけれど、今の状況はそれとは違う。
「邪神のせいで作物の取引が増えたなんて、まったく喜べないわね」
 邪神との決戦を前にしても、ジェオルジ領では村をあげて遠方の都市に避難したという事例はあまりなかった。農耕地中心の領地で、領内にしっかりした城壁を供えた都市などなく、領外に避難するにも適した場所が限られる。
 実際に避難をした村でも、遠方まで避難したのは年少者と妊婦、病人、高齢者に付き添いの大人だけだったり、放牧地の家畜をまとめて目立たない窪地に隠したり、住人が集まってしばらく集団生活をしたりと、村がまるごと空になったところはない。
 なにはともあれ、避難しなかった住民がかなりいたおかげで、ジェオルジの作物の出来は今年もよい。収穫量は去年より多いかもしれないくらいだ。邪神が退治されたので、人々の気分も高揚している。
 これなら今年の郷祭も、にぎやかに開催出来そうだとルイーザは喜んでいたのだが。
 世界のどこもかしこもが被害は少なかったという事は出来ず、冬に向かって色々な物資が値上がりするだろうと聞くようになってしばらく。ジェオルジには、作物の買い付け希望が押し寄せるようになった。
 近隣の領地では今回の騒ぎで放出した非常用食料の備蓄を多めに欲しいと言い、利に敏い大商人は復興工事や邪神討伐の祝いの席等での大量需要を見込んでの大口の契約を持ちかけて来る。もともと出入りしていた商人達も、いつもより早めの買い付けで訪れていた。
 そうした人々をジェオルジ家で一括に対応しているので、ルイーザも慌ただしいのである。セストに至っては、朝から晩まで、領主の執務室からほとんど出られないありさまだ。
 これでもルイーザが面会前後の来客のもてなしを一手に引き受け、届く書面は母のバルバラが中身を確かめて、優先順位をつけ、返事の代筆まで担当している。父のルーベンは各村に赴き、被害の詳細と収穫の予測の報告を集めて回っている。
 商人達が自由に各村と商談してもいいのだが、大商人との取引をどこかの村が独占したとなれば村長会議でもめかねない。それで領主家が窓口になったら、希望者が殺到しているわけである。
「大口取引が増えたからって、それだけ品物を揃えるのも案外大変なのよね?」
 ルイーザは今度は溜息をついて……ともかくも昼食を取ろうと台所に向かった。

 その頃の執務室では、セストとバルバラが多種多様な名前と数字の書かれた書類の束を前に、ルイーザより深い溜息を吐いていた。
 書類に書かれているのは、商談相手の希望する品物の名前と量。品物の種類も多様だし、総量も例年の五割増し。
「これは、どこから何を調達するか決めるだけでも、時間が掛かりそうね」
 バルバラがどこから手を付けたものかと、いささか疲れが見える表情で口にした。
 だがセストは、予想外にさっぱりした顔で一言。
「村長会議を開催しましょう」
 そう告げたのである。バルバラの困惑の表情に気付くと、苦笑して説明を追加した。
「我々が知恵を絞ってどう配分したところで、他所がひいきされたと思う者が一人や二人は出ます。それなら村長会議で決めれば、後々まで引きずることもないでしょう。特産品の取引は、直接希望者と相談してもらうことも出来ますしね」
 セストが監督出来る場所であれば、小口の商いは各村と直接やってもらった方が手間はない。大口の取引の扱いも、村長会議で決定したことなら、だいたいの領民が納得出来るだろう。
「会議を前倒しはいいとしても、郷祭はどうするの?」
「それなんですが……会議と一緒に商談の場として市場を開けるようにして、祭の期間もいつもより長くとってはどうかと考えているんです」
 村長会議も郷祭も、来月早々に初めて十一月半ばくらいまで、祭の体裁は整わなくても市場として開いておけば、村々も訪れたい人々も諸々の売り買いが出来るのではないか。セストはそう考えているようだ。
「それって結局、私たちはずーっと忙しいんじゃない!」
 家族の分の昼食も運んできて、話を聞かされたルイーザはそうぼやいたという。


(執筆:龍河流
(文責:フロンティアワークス)

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郷祭とは?

農耕推進地域ジェオルジの村長祭

セスト・ジェオルジ

自由都市同盟の農業推進地域「ジェオルジ」で半年に一度、各村の村長が集って行われる村長会議の後に開かれる村長祭の別名です。
もともとは各村産品の売買を目的とした小規模なものでしたが、徐々に規模が拡大し、王国暦1014年から領主セストの一声でジェオルジ外の人々も多数訪れる大きな祭りとなりました。
祭りでは、農畜産品やその加工品、家畜などの売買の他、各村の名物料理を食べさせる出店の他、様々な催しが行われます。
最近では、酒豪を競う大会や蚤の市なども行われました。
今年はこれらの他にも、新たな企画があるのではないかと噂されています。

統治者、ジェオルジ一族

今の領地は、若き領主セスト・ジェオルジが治めていますが、彼の母、バルバラ・ジェオルジはセストの後見人をしており、実質的な権限を握っています。それは夫であり前領主、農業研究家のルーベン・ジェオルジの時代も同様です。
セストの姉であるルイーザ・ジェオルジは一族の人間としては珍しくハンターの素質を持っており、領地内の厄介事を猟撃士として解決しています。
なお、セスト、ルイーザの父・ルーベンは、自分が農業研究に傾倒すべく、息子に無理やり領主の座を与えたダメ親父として有名です。ただ、農業に賭ける意気込みは本物で、最近は辺境に豊穣を生まんと活動してます。最近は、その為に領内を駆けまわっており、セストやバルバラに各村の様子を伝える役目も負っているようです。

過去の郷祭の様子

郷祭の開催は、王国暦1014年から。
これまでに開催された郷祭については、こちらになります。

王国暦1014年秋の村長祭と収穫祭。品種改良によって生まれた食糧、おにぎり草「まめし」が誕生した。(2014年10月?12月4日)
王国暦1015年春の開催は、聖地奪還での鎮魂の儀式を執り行う『夜煌』と併せての共同開催となった。(2015年5月29日?7月14日)
王国暦1015年秋の開催。情勢が危ぶまれる中での開催となったが、結果として盛況に終わった。(2015年10月20日?12月7日)
王国暦1016年春。サルヴァトーレ・ロッソからの移住者も加わり、「蚤の市」というフリーマーケットが初開催。(2016年5月2日?5月27日)
王国暦1016年秋、諸事情を孕んでの開催だったが、沢山の料理や歌や踊りが披露され、大好評で幕を閉じた。(2016年10月20日?11月17日)
王国暦1017年春は、フマーレ特産品の見本市など新商品の販売や催し物で、これまで以上に賑やかな祭りだった。(2017年5月22日?7月4日)
王国暦1017年秋は【陶曲】が絡み、春に続いて新たな問題や危機が生じたが、笑顔が溢れかえる祭りとなった。(2017年10月25日?11月17日)
王国暦1018年春には祭に参加したがる歪虚の出現等あったが、一般向け対歪虚講習も行われ、盛況に終わった。(2018年5月30日?7月7日)
王国暦1018年秋の開催。ジェオルジ各地の精霊やアメンスィを祀る祭壇の設置も行われた。(2018年10月19日?12月6日)
王国暦1019年春の開催では、嫉妬王討伐を記念して大地の精霊へ多くの花が捧げられた。 (2019年5月15日?7月8日)

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