ゲスト
(ka0000)
ライブラリ
ここはライブラリ。キノコが集めてきた皆の姿や声、
音楽なんかを見たり聞いたりできるよ。
新しい姿を頼んだりもできるから、試してみてね!
竹村 早苗(kz0014)
※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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そしてくるりと
爽やかな風が、鞍馬真の頬を撫でていった。今日は本当に天気がいい、と真は目を細める。こんな日に、木陰でくつろぎながら笛を吹き鳴らして過ごしたら、どんなにか気持ちがいいだろう。
「休暇、かあ。いいなあ」
先ほど偶然再会したハンターの青年の話を思い出して、真は呟いた。自分もそうしてしまおうか、なんて気持ちになる。
「それにしても……」
真は小首を傾げた。先ほどの青年は、真のことをすぐ思い出せなかったようだった。自分は印象が強い方ではないから仕方がないだろう、と最初は思ったが、どうもそういう理由ではないようで。
「戦ってるときとずいぶん印象が違う、か……。そうなのかなあ。私は自分のことをあまりそういうふうに思ったことはないのだけど……。まあ確かに、少し気は抜いているけどね」
ふわふわと頭を動かしながら、真はひとりごちる。長い髪が、その動きに合わせて揺れた。自分でそうは思っていなくとも、ばったり道で出会ってすぐそれとわからなかったというほどであるならば、それなりの差があるのだろう。
「ギャップがあるとモテる、って誰かが言っていたような……。いや、別にモテたいわけではないけれどね。……あ。そうだ。彼の名前、何だったんだろう。忘れてしまっていたから尋ねておこうと思ってたのに……、また忘れてしまった」
まったく、と真は自分で自分に苦笑する。彼が真のことを覚えていなかったようだ、だなと気にする前に、それを尋ねるべきだったのに。人のことを言えない、とはこのことだ。真はくすくすひとりで笑った。青空に、笑い声が響く。今日は本当に、のどかな日だ。
と。その穏やかさを切り裂くような悲鳴が、聞こえた。
「誰か!! そいつを捕まえて!! 泥棒よ!!」
途端に、真の顔つきが変わる。それはまるで、くるりとコインが裏返ったように。にこにこしていた双眸がキッと鋭くなり、素早く周囲に視線を走らせた。こそこそと走り去っていく人影をみとめるやいなや、風のように後を追う。
その背中はまさしく「戦う者」のものだった。さきほどまでのマイペースな好青年は、もはやどこにも、いない。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka5819/鞍馬 真/男性/22/闇狩人(エンフォーサー)】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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おまけノベルのご用命、ありがとうございました。
本編がモブ視点でございましたので、おまけの方は青年と別れたあとの鞍馬真さん視点で書かせていただきました。
楽しんでいただけたら幸いです。このたびはありがとうございました。