• 不動
  • 戦闘

【不動】変わらざる者2

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
APV

難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加人数
現在10人 / 4~10人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2015/04/16 07:30
リプレイ完成予定
2015/04/25 07:30

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 聖地奪還を巡る辺境での戦いは続く。
 国外での作戦とは言え、皇帝ヴィルヘルミナが参戦を決定した以上、帝国軍もまた兵力を辺境へと向かわせる。
 今回の作戦ではガエル・ソトと戦う皇帝の実弟、カッテ・ウランゲルが。そして試練の山では帝国軍要塞であるノアーラ・クンタウ兵力と、その指揮官であるヴェルナー・ブロスフェルトが出向く事になっている。
 帝国軍として主に支援すべきはこの二つの戦場であり、共に実戦配備されたばかりの魔導アーマーを多数必要としている。
 勿論、必要なのは機導兵器だけではなく、歩兵の増援、補給物資も不可欠である。
 来る作戦開始に備え、帝国軍はノアーラ・クンタウを経由しそれぞれの戦場に追加の物資と兵力を送り込む事になった。
「更に魔導アーマーを増産するなんて、流石はナサニエル・カロッサね」
「先の戦いで損傷した機体の修理や補充も必要ですから。戦いはまだまだこれからですからね」
 無数の魔導トラックが連なる輸送部隊。その一台の荷台にてハイデマリー・アルムホルムはタングラムと肩を並べていた。
「現地についたらハイデマリーには調整と修理をお願いするですよ」
 頷きながらもハイデマリーは心ここにあらず。自作の魔導ガントレッドを見つめながら考えに耽っている。
「それは新型ですか?」
「ええ。ペイン・ディフューザー。試作型の“浄化武装”よ」
 白い機械の腕を見つめるハイデマリー。その時、同乗する帝国兵が声を上げた。
「タングラム殿、先頭車両より報告。進行方向上に人影が立ち往生していると……」

「おい貴様! そんな所で何をしている!」
 先頭車両から降りた複数人の兵士が魔導銃を手に歩み寄る。荒野にはポツンと一人、黒いローブに身を包んだ女が立っていた。
 近づく兵士の一人が違和感に足を止める。女は僅かにだが地面から浮遊していた。次の瞬間、突き出した銃身を掴むと、女は素手でそれをぐにゃりと曲げて見せた。
「ひっ」
「こいつ……離れろ! 総員一斉射撃!」
 並んだ兵達が次々と引き金を引き、銃声が轟く。鉛球は間違いなく女の身体を貫いた。血を撒き散らしながら倒れた亡骸に兵達は肩を上下させる。
「な、なんだったんだ?」
「こいつの血……青くないか?」
 返り血にぽつりと呟いた直後、目の前に起き上がった女の姿があった。
 悲鳴を上げるより早く女は笑みを浮かべ、手にした杖で兵士の胸を貫くのであった。

「……先頭車両より報告! 歪虚の襲撃を受けています! 過去の戦闘データと照合した結果……し、四霊剣オルクスと……!」
 驚き立ち上がるハイデマリー。タングラムは舌打ちを一つ、通信兵に指示を下す。
「現時点を以って輸送プランを変更! 輸送部隊を四つに分割、それぞれルートプランBにて補給地へ向かう! 後続部隊にルート変更の指示を!」
「タングラム殿は!?」
「腕の立つ者だけを連れ、遭遇部隊の撤退支援に向かいます。増援は決して向かわせないでください」
「しかしハンターだけでは……!」
「一般兵を奴の前に出した所で“残弾”を与えるだけです。必ず指示に従い、迂回するよう通達しなさい!」
「一部の輸送隊には、まだ通信が……」
「だったら走れ!」
 叫びながら荷台から飛び降りたタングラム。続いて数名のハンターを下ろすと同時、輸送隊は進路を変更する。
「これから先頭の撤退支援に向かいます。危険な相手です、覚悟のある者だけついてきなさい!」



「はぁん。ぶっちゃけてしまうと退屈だわぁ」
 正直な所、ヤクシーやらガエルやらを支援してやる義理はない。ので、今回の作戦に堂々と出張るつもりはそもそもなかった。
 アイゼンハンダーはクソ真面目なので人類殲滅、もとい革命軍鎮圧に必死だが、オルクスはそうではない。
 ではなぜやってきたのか。単なる暇潰し、というのもある。一応他の目的もある。が、ともあれ今は前線への補給路を絶ち、自分達にとっての直接的な敵である帝国軍の兵力を削る。
 帝国領には師団とそれらが管理する師団都市があり、少しつついただけで大反撃を受ける。が、ここならそうはいかない。
「ちょ~っとちょっかい出して、食い散らかしてもいいわよねぇ?」
 息絶えた兵士の亡骸から血を吸い尽くし、ついでに血を吸った兵士を操ってみる。
 吸血鬼ならば大なり小なり魅了を使える物だが、オルクスのそれは桁外れ。精霊の加護を持たない一般人ではまるで対抗出来ない。
「障害の排除に送り込んだ兵士が、こちらに攻撃を!」
 兵士は青い血の鎧に覆われ、ゆっくりと引き返してくる。彼らは操られてはいるが、まだ自我はハッキリ残されていた。
「ま、待ってくれ……撃たないで……」
「……まだ生きてます! 助けられる筈です!」
「よせっ!!」
 剣を手に駆け寄る帝国兵。血の鎧を剥がそうと攻撃するが文字通り歯が立たない。
 そして操られた兵士の手から伸びた血の剣が同胞の胸を刺す。そうなっては互いに攻撃しあうしかない。
「魔導アーマーを出せ! 撤退の時間を稼ぐ!」
 荷台に眠っていた魔導アーマーが布を取り払い立ち上がる。そこへ遅れ、ハンター達が駆けつけた。
「剣妃オルクス……こんな時に!」
 オルクスは自らの周囲に展開した無数の血の槍を一斉に放つ。そんなハンター達を庇い、盾を構えた魔導アーマーが壁となる。
「ほー。魔導アーマー、中々使えるじゃねぇか」
 ふと、聞き覚えのある声に振り返るタングラム。そこには何故かハンターに紛れ、エルフハイムの執行者が立っていた。
「ハジャ……なぜここに……」
「輸送隊の任務を受けたハンターに紛れてずっとお前らの二つ後ろの車両にいたんです」
「だから、なぜ……」
「まあいいじゃないの。俺達にとっても奴は興味深い。ここは一つ共闘と行こうじゃない」
 冷や汗を流すタングラム。しかし今はふざけている場合ではない。
「輸送部隊は撤退の準備を! 奴は我々で食い止めます! 本来こんな所でどうにかする相手ではありません。各員、連携を密に生存を優先して下さい!」
「魔導アーマーなら力になれる筈だ! 俺達も手を貸す!」
 二機の魔導アーマー兵がハンター達と並ぶ。それぞれが武器を構え、進路に立ちはだかる敵を睨んだ。
「剣妃オルクス……あれが……“器”の……」
 迷いを振り切るように首を振るハイデマリー。吸血鬼は余裕たっぷりの笑みで自らの首を引き裂くと、青い血飛沫を空に舞い上げた。
 それらは形を無し、巨大な結晶の蛇となりオルクスに寄り添った。
「――さぁて。あれからどれくらい美味しくなったのか……試してあげようかしらぁ?」
 無邪気に笑みを零し、挑発するように手招きする。空に浮かび上がった無数の血は槍を成し、戦士達を迎え撃とうとしていた。

解説

●目的
輸送部隊の撤退。


●概要
辺境で行われている聖地奪還作戦。その前線へ向かう輸送部隊を護衛中、剣妃オルクスの襲撃を受けた。
剣妃は四霊剣と呼ばれ、帝国で危険視される暴食の個体の一つだ。
吸血鬼型の歪虚であり、複数の非常に危険な能力を持ち、接触するだけでも危険を伴う。
生半可な兵、非覚醒者では足手まといにしかならない為、戦闘を避け、輸送隊は別ルートにてこの敵を迂回。
ハンターら諸君には剣妃オルクスを足止めし、輸送部隊がルート変更する時間を稼いで貰いたい。
見た所オルクスは単独のようで、その行動には不審点も残る。しかし今はそれを検証する余裕はない。
非常に危険な戦闘が予想される為、腕に覚えのある者、危険を厭わない者だけ残留せよ。


●敵情報
『剣妃オルクス』
吸血鬼型。血を操る能力を持ち、攻防共に活用する。
人間の血も自らの血も扱う事が出来るが、自らの青い血は能力の性能が向上する。
また結界術に似た能力を扱える事が示唆されているが、詳細不明。
攻撃を受けても倒れない、自傷行為を厭わない事から、再生能力が伺える。

『血族(蛇)』
オルクスの青い血で作った大蛇。サイズ3。
厳密には独立した歪虚ではなくオルクスの一部。液体と固体と気体、全ての性質を持つ。

『帝国兵』
魅了された帝国兵。四人登場。
全員青い血の鎧により身体能力と武装を強化されている。
まだ生きているが、血の鎧による無理な挙動は彼らの生存を重視しない。


●友軍情報
『魔導アーマー兵』
魔導アーマー二機とそれに搭乗した兵士一人ずつ。
盾とパイルバンカーをそれぞれ装備。

『魔導トラック』
五台。戦闘開始後直ぐに撤退を開始。護衛対象。

『帝国兵』
十五名。全員非覚醒者。護衛対象。
戦闘開始後撤退するが、中には仲間を助けたがっている者もいる。

『タングラム』
疾影士。APVユニオンリーダー。

『ハイデマリー』
機導師。銃使い。錬金術士組合所属。

『ハジャ』
疾影士。エルフハイム執行者。

マスターより

お世話になっております、神宮寺でございます。

お待たせしてしまった方はお待たせしました。
オルクスはバンバン新技や応用技を出してくるので、もう難しいです。
ちょっと裏があったり他シナリオに絡んだりもしていますが、基本はただオルクスと戦うだけのシンプルな内容です。
もしかしたら、中にはそれだけではないハンターもいるかもしれませんが……。
尚、質問にはタングラムがお答えします。剣妃は……答えてくれそうで怖いので呼ばないでください。

それでは宜しくお願い致します。

関連NPC

  • 不変の剣妃
    オルクス(kz0097
    歪虚|25才|女性|歪虚(ヴォイド)
  • 帝国ユニオンリーダー
    タングラム(kz0016
    エルフ|15才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/04/17 14:43

参加者一覧

  • 暁風の出資者
    Celestine(ka0107
    エルフ|21才|女性|魔術師
  • 輝きを求める者
    弥勒 明影(ka0189
    人間(蒼)|17才|男性|霊闘士

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • フェイスアウト・ブラック
    ロイド・ブラック(ka0408
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 愛しい女性と共に
    レイス(ka1541
    人間(紅)|21才|男性|疾影士

  • 雲類鷲 伊路葉 (ka2718
    人間(蒼)|26才|女性|猟撃士
  • 大いなる導き
    ジェールトヴァ(ka3098
    エルフ|70才|男性|聖導士
  • 運命の回答者
    リサ=メテオール(ka3520
    人間(紅)|16才|女性|聖導士
  • 差し出されし手を掴む風翼
    クィーロ・ヴェリル(ka4122
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • それでも尚、世界を愛す
    加茂 忠国(ka4451
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 質問卓
ヴァイス・エリダヌス(ka0364
人間(クリムゾンウェスト)|31才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2015/04/15 05:26:34
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/04/11 21:44:56
アイコン 相談卓
リサ=メテオール(ka3520
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2015/05/11 19:34:10