• 戦闘

アイリス・レポート:真相編

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在10人 / 4~10人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/06/16 19:00
リプレイ完成予定
2016/06/25 19:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

「あのエルフ、何者なんですか? 自分の目には司法課の役人には見えませんでしたが……」
 帝国領北部にある小さな帝国軍基地は、各地方を治める師団都市を中継するものだ。
 最終的には監獄都市アネリブーベに送られる犯罪者は、その歴にも寄るが、まずは現場最寄りの師団都市に移動させられる。
 帝都バルトアンデルスにある裁判所で罪について審議されるのはごく一部の重罪者であり、そうでない場合は帝国軍基地に存在する簡易裁判室に派遣された政府司法課の役人が罪を言い渡す。
 この基地にも簡易裁判室はあり、そこで審議を終えた罪人はアネリブーベに送られる。
 ネストル・アサエフは反政府組織との繋がりが明らかになっているが、脅威性から算出される重要度は低い。故に、この小さな基地が取り調べの舞台となった。
「お前は若いから知らんのだろうが、仮面をつけた奴には関わらん方がいい」
「どういう事でありますか?」
 基地の門を守る二人の兵士。若者の問いかけに、中年の男は銃の肩掛けをずらしながら語る。
「革命戦争の頃、後に王位を簒奪したヒルデブラント様の革命軍に、良くない噂のある部隊があった」
 ――絶火隊。ならず者でも自らの部下としたヒルデブラントが作った近衛隊。彼ら罪人は仮面で素性を隠し、圧倒的な強さを示した。
「それは革命前の話では……」
「だな。だからまあ、深入りしないほうがいい。ありゃあ、国の影をうろつく亡霊だ」

「やあ、エルフが二人とは……既に兵士に全て話したがね」
 ネストルがそう言うや否や、部屋に飛び込んだキアラは男の胸ぐらを掴みあげ、顔面を机に叩きつけた。
「最近の罪じゃない。革命戦争前にお前がしでかした事だ。教えろ……お前はエルフハイムに何をした?」
 鼻血を流すネストルに顔を寄せ、仮面の少年は鋭く言葉をつきつける。その肩を掴み、ハジャは首を横に振った。
「おい、取り調べ下手くそちゃんか? そんなんで喋るかボケ」
「喋らせるのは得意だ。相手が“話させてくれ”と懇願する」
「いい加減にしろ。てめえの個人的感情で情報源を殺してみろ。絶火隊だろうがなんだろうがぶっ潰すぞ」
「く……くく、く」
 二人の言い争いに笑みを浮かべるネストル。キアラは手を放し、机の端に腰を下ろした。
「私がした事、か……。大した事ではない。潜入し、そして情報を持ち帰る、それが任務だった」
 旧政府の帝国軍に所属していたネストルは、第一師団の兵長として任についた。
 エルフハイムへ潜入し、情報を入手する。だがそれは容易な事ではない。
「結果林と警備隊の目を掻い潜れず、随分と部下を失った。そして私も、この足を……だが、偶然が私を救った」
 森の中で罠にかかり、足は毒で麻痺していた。覚醒者であり武人であるネストルも、警備隊との闘いで疲弊していたのだ。
 追っ手を振り切って倒れた彼を助けたのは、美しいエルフの娘だった。彼女はネストルを保護し、手当を施した。
「まさか……」
「その頃、森の中には新たな派閥が動いていた。人間との和平を求める維新派。彼女はその活動家だった。彼女の名は、ジエルデ。美しい女だったよ」
 ジエルデは森の外に出て人間との交流を持ちたがっていたが、森はそれを許していなかった。
 二人は互いにこの森の結界を破る共犯となるだけの目的を持っていた。もちろんネストルは、「帝国とエルフハイムの和平」を偽りの目標として掲げていたが。
「彼女に招かれ、私は何度も森都に入った。彼女は外の知識を何でも喜んで聞き、思いを馳せた。若く純粋だったのだ。私はそんな彼女に惹かれていた……そう、私達は恋に落ちた」
「ばかな! 有り得ない!」
「誰もがそう思うからこそ、上手く行ったのだ。ジエルデが夜な夜な人間と会っている事など誰も気づかなかった。ただ一人、彼女の妹を除いては」
 アイリスは姉と人間の男を別れさせようとした。だがジエルデは「自分がヒトとエルフを結ぶ架け橋になる」と言って聞かなかった。
 その結果、アイリスはネストルを警戒しつつもその恋仲を認めた。認めてしまったのだ。ヒトとエルフが分かり合えるかもしれない。そう思ってしまった。
「森都の情報を得た私は、その秘密に触れる事になった。ジエルデは図書館の一員、調べ物は得意で、それも幸運だった」
 森の中には幾つかの秘密がある。その秘密の鍵となる巫女が浄化の器と呼ばれる術具であった。
 強力な術具だ。戦争の道具として、そして浄化術を“奪う”きっかけとして申し分なかった。
「私の協力者は他にもいた。アイリスの部下である、フェノンノという女だ」
 彼女は混沌を求めていた。現状維持を続ける帝国と森都、その全面戦争が望みだった。
「彼女は戦争を起こす為に人間に協力した。矛盾はしていたが、お陰で浄化の器の奪取に成功したわけだ。だが、最後の最後で邪魔が入った」
 アイリスは森の異変に気づき、真っ先にネストルを疑った。
 ネストルは最後に工作を隠蔽する為、ジエルデを呼び出していた。だがジエルデが状況に混乱する中、先回りしたアイリスと交戦する事となった。
 遅れて駆けつけたジエルデは、妹と恋人が争う様子を目撃するも、どちらに加勢する事もできず、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
「後は君たちも知る通りだよ」
「よくわかった。お前はここで死ね」
「まーーーて!! 浄化の器を奪った理由だ! まだ何かあるはずだ。でなきゃ長老会が情報を隠蔽するはずがねぇ!」
 キアラの銃口を逸らしながら叫ぶハジャに、ネストルは首を傾げる。
「……? 執行者の君が知らないのか? 器を用いたあの術を……」
 その時だ。爆発音と共に衝撃が基地に響き渡ったのは。
「ほれきた! ぜってー邪魔が入ると思ってハンター呼んでるもんねー! てめえの仲間か!?」
「だろうね。だが……」
 戦闘音は外から聞こえるのに、取調室に入ってきた影があった。キアラはそれを目撃し、目を丸くする。
「君は……」
 言い終わる前に繰り出された剣戟をハジャが受け止める。男の狙いはネストルだ。
 花の仮面をつけた男。帝国の亡霊は何も答えず、ただしなる剣を振り下ろした。

 基地を襲撃するのは剣機系の歪虚だ。それを率いる伊達男、カブラカンは高見の見物だ。
「ふはぁん。こんな小さな基地にわざわざ我輩が来る意味ありますか博士……んっ?」
 この騒動に乗じて基地内に突入する小さな影がもう一つ。兵士も歪虚も交戦を避け、まっすぐに基地内を目指している。
「あれは……んん? なんだかオルクス殿と同じ感じがするですが……歪虚ではない……契約者……でもない?」
 オルクスは北方の闘いで撃破されたと聞く。それと同じ気配を感じる人間など、聞いた事がない。
「……よくわかんが、確認するか」
 リンドヴルムから飛び降りたカブラカンは眼下の人間を踏み潰し、全身を硬い表皮で覆いつつ、基地内を目指すのであった。

解説

●目的
ネストル・アサエフの死守!

●概要
さて、お前らも読んでいた通り、歪虚はネストルの口封じないし奪還を試みるだろう。
お前らには基地の警備、そしてネストルの死守を依頼したい。
ネストルには全ての秘密を吐いてもらうまで死なれても奪われても困るからな。
こいつがそんな大物には見えんから、大した奴は奪還に来ないと思うが、念の為気は抜かないでくれ。
基地は四角い敷地内に幾つかの建屋があるが、まあ基本は拘留所のある建物だけ守ってりゃいいだろ。
ま、話が終わるまでひとつよろしく頼まぁ。


●敵情報
『花仮面』
花の仮面をつけた聖導士。絶火隊。
可変伸縮する片手剣と、機械化された腕から衝撃波を放つギミックを持つ。
既に何らかの方法で拘留所内に侵入しており、妨害できない。
スタート時点で既にネストルの目の前におり、ネストル殺害を目的とする。

『カブラカン』
暴食らの使いっぱ。本人は傲慢。
全身を硬い表皮の装甲で覆い、悪魔のような外見になっている。
非常に防御力が高く、身体の各所からマテリアルを噴出し加速させた格闘技を使う。
開始時点で拘留所の南西に降り立っている。謎の少女の確認と、ネストルの救出が目的。

『???』
小柄な少女。気配から察するに覚醒者。
エルフハイム執行者の外灯を纏っており、関係者と思われる。
カブラカンは何故かオルクスと同じ気配がすると感じている。
交戦を避け、北側から拘留所を目指しているが、目的は不明。

『リンドヴルム』
量産型。サイズ2。3体出現。
ガトリングと尻尾の剣が代表的な装備。
基地の敷地内で帝国兵と交戦している。

●友軍情報
『ハジャ』
森都の殺し屋執行者。疾影士。
パンチとキックで闘う。
ネストルから森都を襲った事件の裏を知りたい。

『キアラ』
森都の咎人&絶火隊。猟撃士。
可変式絶火ライフルで闘う。

『ネストル』
友軍ではないが、護衛対象。闘狩人。
右足がやや不自由。武装はしていない。
当然だか逃げられそうなら逃げたい。

マスターより

お世話になっております、神宮寺です。

というわけで、もう大体の真相は既に語られておりますが……。
なんだかもう色々盛りすぎで大変な事になっています。
つまりネストルを奪われず殺されなければOKです。
そこからどうするかは、皆さん次第。
尚、とりあえずタングラムを用意しましたので、質問も可能です。

それではよろしくお願い致します。

関連NPC

  • 帝国ユニオンリーダー
    タングラム(kz0016
    エルフ|15才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/06/24 00:11

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • ライフ・ゴーズ・オン
    ジルボ(ka1732
    人間(紅)|16才|男性|猟撃士
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 愛にすべてを
    エイル・メヌエット(ka2807
    人間(紅)|23才|女性|聖導士
  • 運命の回答者
    リサ=メテオール(ka3520
    人間(紅)|16才|女性|聖導士
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
  • 新米聖導士を諫めし者
    月影 葵(ka6275
    人間(蒼)|19才|女性|舞刀士

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン チラシの裏
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/06/13 17:06:07
アイコン 情報源死守【相談卓】
エアルドフリス(ka1856
人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2016/06/16 14:40:52
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/06/11 20:07:14
アイコン タングラムさんに質問
エイル・メヌエット(ka2807
人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/06/14 15:52:16