• 日常

センチメンタル・ジャーニー

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
APV

難易度
易しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
寸志
相談期間
5日
プレイング締切
2016/08/13 19:00
リプレイ完成予定
2016/08/22 19:00

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

「二人共、無事でよかった……!」
 バルトアンデルス城に呼びつけられたジエルデは、心底安堵した様子でそう言った。
 “掟の森”と名乗る連中との交戦から数日後。ハジャを通じてエルフハイム長老会に事件は報告された。
 その説明役として送り出されたジエルデ迎え、対策会議が行われる。
 出席者はオズワルド、タングラム、ハジャ、キアラ、ハイデマリー、そして浄化の器。
 しかしこれは内密な出来事であり、その全てはオズワルドの執務室で済まされる運びとなった。
「まずは此度の事件、長老会と致しましても胸を痛めております。しかし、長老会は“掟の森”なる集団を同胞とは認めておりません」
 それがジエルデの言い分。掟の森は、長老会にとっても未知の存在。
 つまり関り合いがないので、エルフハイムは今後も何も説明しないし、掟の森の追撃も行わない。それが結論だった。
「まあ、そう来るだろうな。だがそれについちゃ、咎めるつもりはねェよ。帝国も似たようなモンだ」
 例えば、帝国に属する人々の中に、ヴルツァライヒのような反政府組織も存在する。
 では彼らの起こす悲劇の責任を帝国が全て追うのかといえばそうではない。
「とはいえ、掟の森について一切対策しないというのは、国際世論としてはどうかしらね。実際に被害が出てる。人も死んでるわ」
 ハイデマリーの言う通り。帝国はヴルツァライヒを許さないという姿勢を取っている。だから、一応の体裁は整う。
 しかしエルフハイムは“不干渉”。このままどこかで掟の森がヒトを殺めても、何も対策しないという。
「正直に教えて、ジエルデ。何が起こっているの?」
「……わからないのよ。本当に掟の森なんて知らないの。まさか、私があなた達にそんな事する筈ないじゃない……」
 しかし、責任感に苛まれ、ジエルデの表情は青かった。本人としても、エルフハイムと掟の森の関連性に疑いを抱いている証拠だ。
「実際問題、森都にゃ色々人様に言えない事情がある。かく言う俺も隠密として生まれた時から仕込まれてんだ」
 ハジャが言うに、長老達は皆、通常であれば自身のための密偵を育てる。
 それは浄化の器制度と同じく非人道的な行いであり、心を殺した殺人人形を作るという事だ。
「維新派はこういうのもやりたがらねぇから、身奇麗な長老はユレイテルくらいだろうぜ。ま、それくらい長老はそれぞれ何考えてんのかわかんねーんだ。誰かの私設部隊の可能性もあるぜ」
「今回の襲撃は、浄化術の普及もそうだけど、恐らくは森都の“秘術”が明らかになったのも影響してる。それには僕も他所事じゃない」
 キアラが追っていたネストルという男がもたらした秘術の情報。
 その噂が広まったことで、両“国”の間に余計な緊張が広まってしまった可能性はある。
「秘術の話は、こっちで火消しをしている所だが……ま、秘術があるのは事実なんだ。そりゃ、実は帝国に元々伝わってる話でな。先代皇帝のヒルデブラントが、その資料を焼いちまったんだ」
 革命戦争が終わって皇帝となったヒルデブラントは、帝国という国を縛ってきた様々な逸話、伝承を焼き払った。
 その中の一つに存在した、森都の秘術の伝説。それが存在する限り、森都と帝国の和平は成らないと、男は全てを捨て去った。
「俺もちらと聞いただけで詳しくはねぇが、ヒルデブラントが森都に不可侵条約を結びに言った時、その話もつけたと聞いている。もう、帝国は秘術を狙わないと約束した。それが和平の切欠だ」
「それって、帝国は元々は秘術を狙っていたってこと?」
 ハイデマリーの問いにオズワルドは目を瞑る。
「帝国の歴史は簒奪の歴史だ。土地を、歴史を、信仰を奪い、ヒトの領土とした。その中でより強い力を知れば、光を求めずには居られない。それが人間って生き物だ」
「争いたくないのは、皆同じ筈です。戦争に疲れたから、もう誰にも関わりたくないと、全ての秘密を過去にしまい込もうとした。けれどそれは間違いでした。私たちは“未来”にそれを残してはならなかった」
 タングラムは仮面を外し、嘗て姉と呼んだヒトを見つめる。
 姉妹は互いの瞳に映る自分から、心の真実を知った。
 もう、過ちは繰り返さない。“未来”に、この血の宿業を残してはいけない、と。
「私はヨハネと共に、森都の動きと“掟の森”について探ってみるつもりです。しかし、両者の関係性が解らない以上、ハイデマリーや器を森に戻すことはできない。だから、協力してほしいのです。二人を隠す為に」
「そうしてやりたいのは山々だがな。帝国も、おおっぴらにこの件に関わるわけにはいかない。この話は非常に微妙なバランスの中にある。だから……」
「私が二人を預かりましょう」
 そう言ったのはタングラムだった。
「我々ハンターはあらゆる組織に属さない独立した力です。ソサエティに介入する事は誰にもできない。姉さんの代わりに、今度は私が二人を守ります」
 タングラムはハイデマリーに頷き、そして浄化の器の前に腰を落とす。
「君が、全ての悲劇を回避する鍵です。君を守る事が、世界秩序の維持に繋がる。私は一人のハンターとして、君を守りましょう」
 差し出された手に、器は自らの掌をそっと重ねた。


「というわけで、引っ越しですよ!」
 冒険都市リゼリオはハンターズソサエティの本部を擁する、中立都市だ。
 この街には溢れるほど守護者が跋扈している。恐らく世界で最も治安の良い街だろう。
 ハイデマリーと浄化の器は、この街でしばらく生活する事になったのだが……。
「え? タングラムの部屋に住むんじゃないの?」
「私の部屋に三人は無理ですよ。物理的な面積と散らかりの問題で」
「お部屋散らかしているの? 私が片付けてあげようか?」
「姉さん話がややこしくなるんでちょっと黙っててください。ともあれ、住む場所を決める所からスタートですね」
 しょぼくれるジエルデを他所にタングラムは器の頭を撫でる。
「さあ、“ホリィ”はどこに住みたいですか?」
 少女にとって、大人の都合はわからない。ただ、言われたからついてきただけだ。
 この世界の動きなど、知ったことではない。それでもこの街は、好きになれそうな気がした。
「海……。海の見える部屋がいいな」
「生活用品も自分で揃えるんですよ。このお買い物メモを参考に、自分の力で頑張るのです。あ、人に手伝ってもらうのは可」
 なにせ前に住んでいた部屋は吹き飛んだので、何も持ってきていないのだ!
「アイリス、そんなの無理よ! この子はまだ一人でお買い物なんて!!」
「姉さん、その過保護なところがあの子の社会性をですね……」
 二人が言い争っている間に器はもうどこかへ歩き出してしまった。
「なんだかねぇ~」
 頬を掻きながらハジャは器の少し後ろについていく。
 状況は良くない。一寸先は闇だ。
 でもその中で光を探す事は、決して悪い気分ではなかった。

解説

●目的のようなもの
浄化の器がリゼリオに引っ越すぞ!


●これがお買い物メモだ!
まず、住むところを探す。
保護者がいないとダメだから、ハイデマリーが保護者になる。
私は海の見える部屋がいい。リゼリオの周りはほぼ海だけど。

服、食器、生活に必要そうな道具を買う。
料理はできるだけ自分で作ってなんとかするこそ。
心細いときは帝国ユニオンでフクカンに作ってもらうこと。

ハイデマリーが仕事で居ない時は自由行動。でも、リゼリオから出てはいけない。
趣味を見つけること。一人でできるものがいい。
本がほしいので買い込みたい。部屋から出なくていいように。

何かあったらそのへんのハンターに助けを求めること。
自分の事を第一に考えること。
可能な限り、人とコミュニケーションをとること。


●いる人

「浄化の器」
買い物している。お金の使い方くらいは知っている。
それ以外のことはほぼ知らない。海が好き。
なんで引っ越すのかよくわかってない。

「ハイデマリー」
命を狙われているのでリゼリオに避難。
とりあえず器の保護者扱い。部屋は彼女が借りる。
結局仕事で帝都と転移で行き来する。

「ハジャ」
ついてきた。ハイデマリーの護衛。
とりあえず何事もなければ見てるだけ。
二人は別にどっかに勝手に部屋を借りる。

「タングラム」
ユニオンリーダー。
色々なレポートを経て、器の保護に名乗り出る。
器は色々経験したほうが良いと思っている。

「ジエルデ」
恭順派長老。
このシナリオが終わったら森都に戻る。過保護。

マスターより

お世話になっております。

というわけで、色々まとまってきた中間の話です。
ハンターは、「これまでの話に関与してきた」ならタングラム当たりから連絡をもらった形で、そうでない場合は町中でバッタリ会ったとかそんな感じになります。
舵切りの話なので、ここでのやりとりが次の展開に影響を与えるかもしれません。
少し特殊ですが、どちらかというと、皆さん側に何かやりたい事がありますか? というシナリオになります。
尚、質問にはタングラムか浄化の器がお答えします。

それではよろしくお願い致します。

関連NPC

  • 人型術具
    浄化の器(kz0120
    エルフ|14才|女性|霊闘士(ベルセルク)
  • 帝国ユニオンリーダー
    タングラム(kz0016
    エルフ|15才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/08/21 02:05

参加者一覧


  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • →Alchemist
    イェルバート(ka1772
    人間(紅)|15才|男性|機導師
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルム(ka2383
    ドワーフ|14才|女性|機導師
  • 大いなる導き
    ジェールトヴァ(ka3098
    エルフ|70才|男性|聖導士
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン リゼリオ案内所
ソフィア =リリィホルム(ka2383
ドワーフ|14才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/08/13 16:09:22
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/08/10 00:20:33