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【蒼乱】【詩天】到来せし黒い影

マスター:猫又ものと

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
イベント
難易度
難しい
オプション
参加費
500
参加人数
現在25人 / 1~25人
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/09/30 19:00
リプレイ完成予定
2016/10/14 19:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

●急転
 仄暗い部屋。蝋燭の灯りが話している人物の影を落とす。
「……お前、首尾はこれだけか? 九代目詩天はどうした」
「―――」
 渡された手紙をヒラヒラとしてみせる金髪の男。
 男の赤い瞳がの目が切れるように鋭くなって、赤い鬼がビクッと身を竦める。
 そこに、紺色の衣を着た優男がまあまあ……と割って入る。
「秋寿さん。そんなに怒らないで。橋姫が怯えてるじゃないですか」
「うるせえ。黙ってろ蓬生。巫女と符術師の数は上手い具合に揃わねえ、橋姫は九代目詩天を連れてくるどころかハンター達に馬鹿にされて帰って来やがったんだぞ。苛立たずにいられるかっつーの」
「ハンター達が思いの外強かった……それだけでしょう。部下に八つ当たりは良くないですよ?」
「弟達ですらどーでもいいと思ってる奴が良く言うわ」
 吐き捨てるように言い、手紙を握り潰す秋寿。
 蓬生と呼ばれた男は、唇に薄く笑みを乗せる。
「で? 準備はどーなってんだよ。進んでるのか?」
「ええ。恙なく。……とはいえ、もう少し人手があると安全と言えるでしょうね」
「……ああ、足りねえのは分かってる。別途集めるとして……しょーがねえ。九代目詩天は向こうから来てもらうようにすっか。……おい。青木とか言ったな。九代目詩天をこっちに来させる。お前迎えに行け」
 部屋の片隅……闇に溶け込むようにして立っている青木 燕太郎(kz0166)を一瞥する秋寿。
 青木は眉を上げて金髪の男を見る。
「断る。……俺は蓬生とは契約をしたが、お前と契約をした覚えはない」
「あぁ? 何だと?」
「青木さん。私からもお願いします。儀式の達成に九代目詩天は必要ですので」
 一触即発の様相を見せる青木と秋寿。蓬生の穏やかな声に、青木が目線を移す。
「……契約の内容は忘れていないだろうな」
「勿論です。達成できれば、弟達でも私でも、お好きにして戴いて構いませんよ」
「……分かった。そういうことなら行ってやってもいいが……。若峰は誰かさんが色々やったお陰で警備が厳しくなっている。中まで入り込むのは無謀だぞ」
「九代目詩天は外までおびき出すさ。あとの手筈はお前に任せる。逃げ足は速いんだろ?」
「……承知した」
 秋寿の挑発するような目を受け流し、去って行く青木。
 その様子に、蓬生が小さくため息をつく。
「青木さんは協力者なんですから、丁重に扱ってくださいね?」
「分かってるよ。あいつの腕は確かだって言いたいんだろ」
「そうです。……敵に回すと厄介なお方ですよ。勿論、秋寿さんも大切な協力者ですが」
 そういいつつも、その響きに咎める様子はなく、どこか楽しげな蓬生。
 こいつも食えない男だな……。いや、狐か……と、秋寿は肩を竦め、握り潰した手紙に目線を落とす。
「隠れても無駄、必ず見つけ出す……か。面白れぇ。お望み通り顔を見せてやるよ。準備が全て終わったらな。……その時のハンターを見るのが楽しみだぜ」
 橋姫から受け取った伝言を思い出し、クククと笑う秋寿。
 密やかな笑い声が、闇へ溶けていく。


●九代目詩天の苦悩
 手紙に目を落とし、ため息をつく三条 真美(kz0198)。
 橋姫に襲われてから暫くの後。
 秋寿の捜索は続けられているものの、依然として姿を現さず――そして九代目詩天の宛名で手紙が届いた。


 九代目詩天 三条 真美殿
 
 九代目詩天の秘密を暴かれたくなければ我々に協力せよ。
 秘密の内容は書かなくても分かっている筈だ。

 一人で、指定の場所まで来い。
 ――誰かに話せば、お前の秘密は暴かれるものと思え。

           三条 秋寿


 ――見慣れた筆跡。簡素な地図。
 間違いない。秋寿のもの……。
 それを見て、真美は言いようのない喜びと、同時にやるせなさを感じていた。

「どうしてですか、兄様……」

 様々な思いがこもった真美の問い。
 手紙を抱きしめて、目を閉じる。

 ――自分の抱えたもの。
 父と、秋寿、自分しか知らぬ秘密。

 ――いずれは、本当のことを皆に話さなければならない。
 自分に、『詩天』たる資格などないということを……。
 こうなってはもう、武徳に隠してはおけない。全て話さなければ――。
 次の瞬間、真美の頭を過ぎったのはハンターの顔。
 自分は既に、彼らに名と立場を偽った。
 そんな自分を受け入れて、『友』だと言ってくれたけれど。
 もう一つ、秘密を抱えているなんて知ったら。
 今度こそ失望されるのでは……。
 ――怖い。嫌われるのが、怖い。
 今まで友を持たなかった真美が初めて感じた『恐怖』。
 やはりこれは、私一人で決着をつけるべきだ……。

 筆を執り、素早く何かを書き記す真美。
 頷くと立ち上がって歩き出す。


●到来せし黒い影
 城下町である若峰を出て、街道を真っ直ぐ進む真美。
 宵闇が迫る二叉路。そこに、黒衣の長身の男が立っていた。
「九代目詩天、三条 真美だな?」
「そうです。あなたは……?」
「俺は青木 燕太郎。秋寿に頼まれた、お前の護衛役だ。……大人しくついて来い」
「……本当に、秋寿兄様の使いの者ですか?」
「証拠が欲しいか? ……お前の秘密を知っている、と言えば十分だろう」
「……っ!」
「本当に一人で来たのか。余程知られたくないと見える。なあ、真美……」
「やめてください……!」
 青木の言葉を遮る真美。
 目をぎゅっと閉じて、再び開けると……そこには信じられない光景――ハンター達の姿があった。
「何をしている!」
「……尾行してきたか。あまり趣味が良いとは言えんな。ハンター」
「皆さん……!? どうしてここに!?」
「出かけてきます、探さないでください……なんて書き置き残して消えたらそりゃ探しもします!」
「一人で行くなんて危ないです! 何考えてますか!」
「説教は後だ。……武徳さんにお前を護衛するよう頼まれた。狙われていると分かっている以上、必ず秋寿が接触してくるはずだからな」
「シン殿を追って、まさか青木が出てくるとは思わなったがのう。おぬし、何故こんなところにおるのじゃ」
「ああ、西方で名が売れてしまったんでな。ここで力を蓄えようと思っていたが……もう見つかってしまったか。運が悪い」
 ハンターの問いかけに、肩を竦める青木。
 どこか余裕のある様子に、ハンター達は黒い歪虚を睨みつける。
「あなた、シンさんをどうするつもりなの!?」
「さあ? 俺は三条 真美を連れて来いと言われたまでだ」
「秋寿さんはどこにいるです!?」
「教えてやる理由もないな」
「貴様……!」
「秋寿のやつ、こうなることを見越して俺を派遣したな……。まあ、いい。報酬は蓬生から貰うとしよう」
 フン、と鼻を鳴らして呟く青木。ゆっくりと振り返ってハンター達を見据える。
「……俺は目的を果たして帰りたいんだがな。どうせタダで帰してくれる気はないのだろう? 相手をしてやろう。来い、ハンター」
 底冷えするような黒い瞳。
 闇黒の魔人を前に、ハンター達は武器を構えた。

解説

置手紙を残し、一人出掛けて行った真美。
少年の後を追っていた先で闇黒の魔人、青木と遭遇しました。
青木を撃退し、真美を保護してください。

ハンターの皆さんは、真美に秋寿が接触してくると予測し、三条家軍師、水野 武徳(kz0196)に護衛を依頼されてこの状況に居合わせた形になります。
青木に真美を連れ去られると、秋寿の企みが成就する結果となります。頑張って撃退してください。

■成功条件:真美の生存、奪還
■失敗条件:真美の死亡、誘拐

また、真美は皆さんに秘密を知られることを恐れています。
このままですと、青木の要請を受け、同行の意思を示します。
真美の心情面に関しては依頼達成条件には含みません。

■状況
皆様が青木と遭遇する時間は夕暮れ時です。大分日が暮れかかっており、だんだん視界が悪くなっていきます。
また、皆さんからの要請があれば、武徳が後から援護に駆け付けます。

■地形
若峰の町から続く街道です。二叉路になっており、街道沿いに木々が生えている以外の障害物はありません。
日が暮れかかっていますので人は通りません。
町からも離れていますので、ハンターさん達が思いっきり戦って戴いても大丈夫です。
ただ、青木の技については、距離的に若峰の町に届く可能性があります。

■青木燕太郎について
黒い装束に実を包み、切れ長な冷たい目が死神を彷彿とさせる魔人型の歪虚です。
災厄の十三魔であるハイルタイを吸収し、強力な技を得ています。
技の詳細については、【龍奏】大規模のリプレイをご覧ください。
http://www.wtrpg10.com/event/bt010/replay/1/2

今回の目的は、倒すことは目標とせず、真美を諦めさせて追い払うことです。
目的や手段を見誤った状態で接触すれば、即座に相応の代償が生じ得ます。
ご注意下さい。

■NPCの同行
今回は真美が同行していますが戦力にはなりません。

マスターより

■その他
白紙は描写しません。
分からない事がありましたら、質問板にてご質問下さい。
質問は依頼出発24時間前までにお願いします。

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お世話になっております。猫又です。
皆様に、【蒼乱】と【詩天】のダブルタグ依頼をお届けします。

久しぶりの青木の登場ですよーーー!
皆さまが色々と手を尽くして妨害して下さったお陰で、出て来ざるを得ない状況になりました。
ここでいかに青木を抑えるか、また真美をどう扱うかで、今後の流れに影響してきます。
皆様の健闘を祈ります。

それでは、ご参加を心よりお待ちしております。

関連NPC

  • 九代目詩天
    三条 真美(kz0198
    人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|符術師(カードマスター)
  • 闇黒の魔人
    青木 燕太郎(kz0166
    歪虚|27才|男性|歪虚(ヴォイド)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/10/16 12:27

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士

  • ノノトト(ka0553
    ドワーフ|10才|男性|霊闘士
  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • 英雄譚を終えし者
    ミリア・ラスティソード(ka1287
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 黒猫とパイルバンカー
    葛音 水月(ka1895
    人間(蒼)|19才|男性|疾影士
  • 戦いを選ぶ閃緑
    アイビス・グラス(ka2477
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 洞察せし燃える瞳
    フラメディア・イリジア(ka2604
    ドワーフ|14才|女性|闘狩人
  • 紫煙の守護翼
    シガレット=ウナギパイ(ka2884
    人間(紅)|32才|男性|聖導士
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 正義なる楯
    アルバ・ソル(ka4189
    人間(紅)|18才|男性|魔術師
  • DESIRE
    尾形 剛道(ka4612
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 千寿の領主
    本多 七葵(ka4740
    人間(紅)|20才|男性|舞刀士
  • 九代目詩天の信拠
    三條 時澄(ka4759
    人間(紅)|28才|男性|舞刀士
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • 未来を思う陽だまり
    バジル・フィルビー(ka4977
    人間(蒼)|26才|男性|聖導士
  • 【魔装】猫香の侍女
    ライラ = リューンベリ(ka5507
    人間(紅)|15才|女性|疾影士
  • 九代目詩天の想い人
    龍堂 神火(ka5693
    人間(蒼)|16才|男性|符術師
  • 想いと記憶を護りし旅巫女
    夜桜 奏音(ka5754
    エルフ|19才|女性|符術師
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 符術剣士
    シェルミア・クリスティア(ka5955
    人間(蒼)|18才|女性|符術師
  • パティシエ
    紅媛=アルザード(ka6122
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
  • “我らに勝利を”
    ラジェンドラ(ka6353
    人間(蒼)|26才|男性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/09/29 08:37:00
アイコン 質問卓
シガレット=ウナギパイ(ka2884
人間(クリムゾンウェスト)|32才|男性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/09/29 18:00:08
アイコン 相談卓
シガレット=ウナギパイ(ka2884
人間(クリムゾンウェスト)|32才|男性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/09/30 16:35:50