※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
そうだ、花見に行こう!

 風が吹き抜けた。
 耳が千切れるような冷たい北風ではなく、日差しの温さを孕んだ柔らかい風だ。
 風に遊ばれた髪を抑える真白の周囲に白い欠片が舞う。
「……名残雪か?」
 差し出す掌で受け止める一片――
「桜だな」
 隣から覗き込んだ七葵が掴んだ一枚を目の高さに掲げた。
「そうか――もう桜の季節か」
 だから最近眠いのか、と。真白が小さく笑うとはいえ、基本笑わない彼女なので目を細める程度だが。
「少なくとも俺には年中寝たそうにみえるな」
「寝る子は育つという言葉を知らんのか?」
 春のせいにするな、と真面目に答える七葵に真白が少しだけ得意そうに返した。
「……育つ?」
 軽く首を傾げる七葵に真白は何か言いたげな視線を向ける。
 だが結局コホンと咳払いだけに留めた真白は花弁のやって来た場所を探す。
 少し先、三叉路の真ん中に立つ立派な桜の木。花は五分咲きといったところ。
「花より団子だろうか……」
 暫く桜を見上げていた真白がぽつりと零す。
「真白はそうだな……」
 言葉そのままに受け取った七葵に「そうではない、花見だ」と真白。
「花見?」
「小隊の皆でな」
「ああ、悪くないな」
「うむ、思えば長い縁となった。骨休みも兼ね、皆で騒ぐのも一興」
 思い浮かべるのは小隊の面々。
 一人、二人と集まり気付けば仲間になっていた。過去も出身も違う。だが仲間と呼んで差し支えない面々だ。
 何も大きな戦の時だけ集まらなくてはいけないという決まりはない。
「そうと決まれば善は急げ、だ。花の命は短いという」
 来た道を急ぎ足でも戻る真白に七葵も続く。

「というわけで花見をしようと思う」
 集まった面々を見渡し力強く宣言する真白。
 此処はとある定食屋。美味しくてボリュームがある上に安い、だがハンターオフィスからかなり離れているために知る人ぞ知るといった店。
「お花見いいわね! お気に入りのワインを持っていくわ」
 真っ先に賛同したのはドロテアだ。
「盛り上がっちゃいましょ!」
 うふふ、と蠱惑的に微笑で同意を求められたエステルとルナも勿論二つ返事。
「お弁当、沢山作って行かないと。皆さん、好き嫌いありますか?」
「楽しみです。いつにしましょう? 間もなく桜も満開ですよね」
 どころか既に行く気満々で計画を始めている。
「場所はもう決めたのかしら? この時期どこも混んでいて場所取り大変よ?」
 あれを持って行こう、これも必要だ、と花見に盛り上がる一向にドロテアが投げかける。
 冒険都市リゼリオはその名の通りハンターたちの拠点であり人口も多い。そしてハンターたちはお祭り好きが多い、何かと理由をつけては騒ぐ。騒ぐために理由を探しているのではないかと思うほどに。そんな彼らが年に一度の花見の季節を見逃すだろうか、いやそんなことはない。皆考えることは一緒なのだ。
「この先にある河原はどうでしょう? 街外れだしそこまで混まないかなって思うんですが」
 時々そこで楽器を弾いている、とルナが手を挙げる。
「ルナ君、ハンターたちの情報収集力を甘く見ちゃだめよ」
 チチチ、と人差し指を顔の前で揺らすドロテア。ちなみに言い出しておいて自分で場所取りする気はさらさらない。
「彼らは桜のあるところどこでも現れ、そして罠を張り巡らせて他人の侵入を拒むのよ」
 とても真面目な顔を一同――特に真白と七葵に向けた。あ、始まった――と思うエステル。浮かぶはヴァレンタインの一件。
「……戦いは既に始まっているということか」
 当然真顔で力の二号こと七葵。
「陣取り合戦だな」
 技の一号こと真白が続ける。一瞬真白の双眸が鋭く光ったのをエステルとルナは見逃さない。どこで止めるべきか、視線で会話する二人。
「そう、あれは去年の事。それはそれは壮絶な戦いだったわ……。怪我人も多数……」
 此処ではないどこかへと遠くを見つめる憂いを含んだドロテアの双眸。声音も仕草も芝居がかっているが、一号、二号は真摯にその言葉を受け止めた。
「怪我人って酔っぱらって転んだ、とかそういう話だよね?」
 こそりと耳打ちするルナにエステルは「うん、うん」と頷く。
「わかった。 この銀 真白、蟻の子一匹通さぬ鉄壁の陣を敷き、この陣取り合戦勝利してみせよう」
 胸を叩いて請け負う真白に「俺も助太刀しよう」と七葵もキっと鋭い視線で此処にはいない敵を見据えた。
「まずは地形を把握しなくては」
「偵察は行くとして、できるだけ詳細な地図も作り上げておきたいところだな」
「できれば敵も知りたいが……」
「ハンターオフィスなどでそれとなく情報を集めてみるか。情報収集はドロテア殿に任せて――」

 ブ、フォ……

 合戦を告げる法螺貝――いや実は七葵の隣で背を向け肩を震わせているドロテアの堪えきれない笑い声かもしれないが――を聞いた気がしてエステルが「はい、はい」と割って入る。此処を逃したら多分、大変なことになる予感。ちょっとだけどうなるか見てみたい気もするが。
「場所取りは私が行きます。お任せください」
「真白さん、お弁当のお買い物手伝ってください。私一人じゃ多分持ちきれないと思うので。 七葵さんはドロテアさんのお手伝いをお願いします」
 阿吽の呼吸でエステルのフォローに入るルナ。お酒の瓶は重たいですし、などと強引に役割を振っていく。
「あら、女の子だけに場所取りを――」
「「ドロテアさん!!」」
 少女二人の声が重なった。
「ドロテア殿の言う通りだ。エステル殿一人に任せるのは」
 あくまで生真面目な七葵にエステルは「いざとなったら兄に頼むので大丈夫です」と笑顔で押し切る。
 一通り役割が決まった後、何やらずっと考え込んでいる七葵にドロテアは声を掛ける。
「何か悩み事かしら?」
「実は少々困りごとがある」
「あたしで力になれることなら喜んで力になるわよ」
「ありがたい。花見と言えば宴、宴と言えば宴会芸。そして宴会芸といえば笑えるものだと思うのだが……」
 三白眼気味の目を伏せ。顎に添える人差し指。
「具体的に何をすれば良いのか、そこが分からん」
 冗談で言っているわけではないのはその横顔を見れば一目瞭然。
「そうねぇ。リアルブルーには『笑う門には福来る』という言葉があってね――」
 ニンマリと三日月型に笑みを作るドロテアの唇、当然七葵はそれに気づかない。

 花見前日。買い出しを終えたルナと真白は弁当作りに勤しむ。実はルナも真白も料理は得意とは言い難い。故に料理は比較的作りやすいものになる。
「真白さんにはこれをお願いいたします」
 どん、とルナが調理台の上に置いた小麦粉の袋とボウルと粉ふるい。
「これはお菓子やパンケーキ、そして揚げ鳥の衣にもなる重要な粉です。これを振るって肌理を細かくしてください」
 ダマができては出来上がりにムラができるし舌触りもよくないそうです、と神妙な顔でルナが差し出すふるいをまるで宝刀でも預かるかのように両手で厳かに真白は受け取った。
「料理の出来栄えを左右するか……」
 これは重大な任務だ、とふるいを握る手にも力が篭る。
「サンドイッチはパンと具材を別々に持って行って好みで食べれるようにして――」
 塩漬けの豚はまず軽く塩抜きをして、照り焼きのタレは甘めがいいかな、などと料理本とにらめっこしながらルナが準備をしていく傍ら真白は粉を振るい始める。
(とても真白さんらしい音です)
 生真面目に一定の間隔で刻まれるリズムに真白がふっと笑みを零した。
 一方真白はそれはもう黙々と真剣に只管に粉を振る。
 花見に弁当はとても大切だ。そしてその一翼を担う、いや寧ろ揚げ鳥は主戦力ではないか、そして菓子も楽しい会話にはきっと必須だろう、乙女は甘いものが好きだと聞いた――それらに必要な小麦粉。任せてくれたルナを裏切るわけにもいかない。
「肌理、ダマ、肌理、ダマ……」
 呪文のように言葉を繰り返し粉を振るっていく。

 サササササササ……

 一心不乱に、力強く。粉ふるいに没頭する真白。

 もくもくもくもくもく……。

「真白さん、酸っぱいものは大丈夫ですか? 根菜とドライトマトの――……!?」
 調理台の上を覆う白い煙にルナが手を止めた。鍋を火にかけ過ぎたか、と竈を振り返るが違う。というかこの煙――。
「粉っぽい?」
 ひょっとして、慌てて真白を見ると。
 名前通り真っ白になった彼女がそこにいた。ボウルには山となった素晴らしく肌理細やかな小麦。
 恐るべし集中力。気付いていないのか真白はまだ粉を振り続けている。
「真白さん!!」
「ぬ、ルナ殿、何事――」
 ルナの声に我に返る真白。真っ白な真白を拭こうと布巾を広げるルナ。翻った布巾がさらに小麦粉を巻きあげて、
「「ふぁあぁっくしょぉぃ!!」」
 二人同時にくしゃみ。もうもうと小麦粉が広がった。
「……あはは、私たちお揃いですね」
 真白と同じに白くなったルナが笑い出す。
「今の勢いで刀を振るえば岩も一太刀で割れそうだな」
「真白さん、このことは皆に内緒にしてくださいね」
 粉を片付けてからルナが真白に言う。「何故?」と問う真白に。
「どうしても、どうしてもです!」
 女の子としてあのくしゃみはアウトだった、とルナは思う。できればくしゃみは女の子二人だけの秘密にしたい――というかそう決めた。ルナが。

 某所。
 現れた人の気配にドロテアが顔を上げる。
「例の物は手に入ったかしら?」
 七葵は無言で袋に手を入れ『例の物』を取り出した。
「ではあたしからはこれを。 リアルブルーの硬貨よ」
 ドロテアの指先に摘まれたのは穴の開いた黄金色の硬貨――見る人が見れば『五円玉』だと分かるだろう。
「これには『素敵な縁がありますように』という意味があるらしいの。お守りみたいなものね」
「縁か……」
 七葵は五円玉を受け取ると強く握りしめた。
「今から教える芸はね、リアルブルーの伝統芸の一つよ。 この芸には皆が幸せになりますように、という願いが込められていて……」
 立て板に水。ちなみにドロテアもその宴会芸は一度か二度、酒場でリアルブルー出身のハンターがやっているのをみたといったところだというのに、由来などさも知っているかのようにつらつらと語ってみせる。
「良いこと、照れは駄目。中途半端が一番良くないわ」
「無論、そのようなみっともない真似はしない。やるからには徹底的にだ」
「頼もしいわ。じゃあ、練習を開始しましょ。 言っておくけど、あたしは厳しいわよ」
「望むところだ」
 宴会芸の練習が始まる。ドロテアはそれはもう厳しかった。

 日付は変わり当日の夜、エステルはベッドを抜け出し手早く着替えると久しぶりにコートを着込んだ。お花見に持っていくほうれん草とキノコのキッシュは母と一緒に作って寝かしてある。きっと朝には味も馴染んで食べ頃だろう。
 今からエステルは最重要任務に向かう。
「エステル・クレティエ、只今より花見の場所取りに向かいます」
 鏡の前、ぴっと敬礼の真似事をしてひざ掛けと本にランタン、温かいお茶を詰め込んだバスケットを左手に、巻いた敷物を右手に抱いて夜の街に出た。
 桜の季節とはいえ、夜は冷え込む。コートを着てきて良かった、などと夜空を見上げた。どうやら明日は晴れそうだと思うと自然足取りは軽い。
「エステル殿」
 途中エステルを呼ぶ声。
「わ……っとと。 真白さん?」
 暗がりから現れた真白にエステルが声を上げて慌てて口を抑えた。
「荷物を持とう」
 真白は自身の身長よりも長い敷物を抱きかかえる。
「一人では退屈だろう? ルナ殿から菓子も預かって来た」
 クッキーだ、と可愛くラッピングされた袋を見せる。ルナは朝早く起きてお弁当の仕上げをするとのこと。
 二人並んでひそりと静まり返った街中を歩く。不意にエステルが笑みを零した。
「何か面白いことでも?」
「こんな時間に外を歩いているとワクワクしません? ちょっと悪いことしてるみたいで」
「悪い事か……。では私とエステル殿は共犯者というわけだな」
 エステルの言葉に合わせてくれたのだろう、真白が声を落とす。
「誰にも見つからないようにしないと、ですね」
 ちょうど曲がり角、二人建物の影に身を寄せて通行人がいないか確かめた。
「よし、私が先行する。エステル殿は合図をしたら走れ」
 身を屈めて真白が十字路を渡り、「いまだ」と口だけ動かし手招き。
 真白は相変わらず真面目な顔だから冗談に乗ってくれているのか、本気で鬼のいない鬼ごっこを楽しんでいるのかわからない。
 でもこうして誰もいない夜の街を二人で遊びながら行くのは楽しかったことだけは確かだ。

 真っ青な空に白い雲がゆるりと流れていく。風はほとんどなく絶好の花見日和、というだけあって河原の人出はそれなりだった。
 それでも街の中心部の公園などに比べればまだ余裕がある。
 場所取りのかいもあり、見事大きな桜の木の下を陣取ることができた。
 七葵を荷物持ちとして伴ったドロテアがやってきて全員集合。
 こっちは野菜が、照り焼きはちょっと甘めで、塩豚にはマスタード入りバターが合うと思います、あれこれ説明しながらルナがバスケットの中を並べていく。
「真白さんに手伝ってもらって揚げ鳥も沢山作ってきました」
「中々に手強かったぞ、特にこむぎ――」
「シィッ」
 ぴっと真白の口元に立てた人差し指を翳すルナ。
「なにがあったんです?」
 ドロテアが持ってきた酒を皆のコップに注ぎながらエステルが尋ねる。
「えっ?! んー……真白さんと私のヒミツ、ね?」
 と振られた真白は早速揚げ鳥を頬張ったままこくんと首を縦に振った。
 七葵はキッシュを手にひらひらと舞う花弁に真剣な眼差しを送る。
「何を見ている?」
 七葵と同じ方向を見る真白。だが何か変わったものは見えぬ、とそのまま七葵に顔を向けた。
「舞い落ちる花弁を刹那に切ることができるか、と考えていた」
 頼りなくそして小さな花弁を切るのは大木を両断するよりも技量のいることだろう。今それを頭の中で思い描いていた、と。
「素早く振りぬけば……いやだが剣の風圧で花弁が逃げてしまうか。ならば刺突……。これは結構難題だな」
「だろう。俺も上手いことその光景が描けん」
「二人とも何真面目な話をしているのかしら? ぱーっと賑やかに楽しむそれが花見の決まりよ」
 体当たりするように二人の肩に腕をかけ間に割り込んだドロテアがそれぞれの盃に強めの蒸留酒を注ぐ。酒が飲めない相手には無理強いはしないが酒を飲める相手には遠慮はしない。
「エトファリカのお酒よ。水みたいな澄んだお酒でしょ?」
 すっきりと飲みやすいが、その見た目と口当たりに騙されると痛い目をみる逸品。
 真白の盃に一片桜の花弁が落ちた。
「桜酒ね。粋でいいじゃない。あたしも真似しようかしら」
 ドロテアも掌で花弁をすくい、盃に浮かべる。
 真白は視線をあげる、青空に白い煙るような花たち。
「綺麗だな……」
 花弁ごと盃を干す真白の隣で「ほぅ」とエステルが溜息をついた。
「お花を見ながらランチって素敵……」
「花より団子ではなく、花も団子も一緒だとなお楽しいというところだろうか?」
 目を細めて笑うエステルが「真白さん」と改めて名を呼んだ。
「今日はお誘いありがとうございます」
「私こそ、来てくれて感謝している。今日は皆で楽しめると良いな」
 真白はぎこちなく唇の端を上げて見せた。笑うのが不得手な真白にしては珍しいことだ。ただその笑みはやはり固くて、お世辞にも優し気とはいえないのだが。
 それでもエステルには十分に伝わったのだろう「はい、とても楽しいです」と満面の笑みを返してくれた。

 ルナは愛用のリュートを取り出すと、そっと膝に乗せた。
 目を閉じて耳をすませば、川の潺、楽しそうな皆の声、どこかの誰かの調子はずれだが気持ちよさそうな歌声――様々な音が耳に飛び込んでくる。
 いやそれだけではない、閉じた瞼の裏に感じる煌めく春の陽射し。花の重みで枝を撓らせる桜の作る影。
 膝に乗せたリュートを二、三爪弾く。
 それががルナの中で一つになって――。
(音楽が……生まれてくる。 さあ、皆で奏でましょう)
 思うままにルナはリュートをかき鳴らす。
 溢れ出す少し物悲しいだが豊かな音色はこの場に存在する様々な音を抱き、重なり、一つの楽曲を作り上げていく。
 体の中を通り抜けていく音にルナは口元を綻ばせた。一つ、一つはばらばらでどこにでもある音かもしれない。でもこうして合わさって「花見」という楽しい曲を作っていくのだ。
 それに一つ新しい音が重なった。
 目を開くとエステルがフルートを構えている。そういえば桜の下で二人で演奏できたら楽しいね、と話していたことを思い出す。
 ルナが跳ねる雪解け水を表現すると、とエステルも小鳥のさえずりで応える。そして二人目を合わせて笑う。
 エステルの音は森を歩く彼女の動きに似て、きびきびと律動感がありそれでいて周囲の調和を乱さない。もっと主張してもいいのに、と思う。きっと沢山の人が彼女の奏でる音楽に元気づけられるだろう。
 ふわ、とルナの上、影が舞う。
 立ち上がった真白が着物の袖を鳥の羽のように広げて舞い始めたのだ。
 高くなったフルートは空を旋回する鳥のイメージだろうか。ならばとリュートを優しく細やかに震わせ、花弁が散る様を表現する。
 音に合わせ真白が飛び、静かに着地。彼女の動きに合わせるように桜の花弁も舞う。
 いつの間にやら見物客も集まっていた。
「皆可愛いわ~」
 素敵、とドロテアが盃を空ける。そして隣で静かに盃を傾ける七葵に「ね」と同意を求めた。
「指先まで神経の行き届いた動きは流石真白だと思う、ルナ殿のリュートは包み込むような柔らかさがあり、エステル殿の笛の音は軽やかで楽しい……とは感じる」
 門外漢故わからんが、と前置きしながらも予想以上に言葉多く語る七葵にドロテアは軽く瞠った双眸を細めた。
「こういう時感じた気持ちを一言で表す言葉を知ってるかしら?」
「素晴らしい、とかだろうか?」
「そうね。でもそれよりももっとふさわしい言葉があるのよ。可愛い、楽しい、愛しい、素敵、そういった想いを全てひっくるめた」
 間を作ってから、
「『萌え』というの。春、新しい生命が芽吹くがごとく、心を温かくしてくれる気持ちを指すわ」
「萌え、か……。 なるほど生命の息吹とは尊くもあるしな」
 ちょうど音楽が終わり真白が美しく一礼をし、周囲から拍手が起こった。
「三人とも素敵だったわ!」
 負けず拍手を送るドロテアは視線で七葵を促す。
「真白、ルナ殿、エステル殿……、大変『萌え』だった、と思う」
「も、え? 『もえ』とはなんだ?」
 あまり聞かぬ言葉だな、と首を傾げる真白にドロテアから教わった内容を七葵は律儀に繰り返す。
 えっとそれは違うのでは……とエステルが疑問を挟むより先にルナが「春の柔らかい日差しのような想いが心に溢れるってことですね」と嬉しそうに手を叩いた。
 そこが限界だった。ドロテアの。耐え切れず口元を抑えて肩を震わせる。
「そうか『萌え』だったか」
 言われてみればいい言葉だ、と真白も頷く。
「ああ『萌え』だ」
「『萌え』ですね」
 代わる代わる『萌え』と口にする三人。
 「ドロテアさん……?」と何かを察し自分を呼ぶエステルの声が聞こえた。
「何……っ、エ、ステル君……ふ、ふふ……」
 堪えきれない笑い交じり。顔だけはなんとか楽しそうな笑顔を保てたことは奇跡に近い。
「本当に三人とも可愛かったわ。 春の妖精さん、みたいで」
 それは事実。いや実際は三人の少女だけではなく七葵も含めて可愛いと思う。純真な子達よね、と。
 真剣にまっすぐで、揶揄いがいも――っと、ドロテアに向けられたエステルの視線に考えを中断する。
「そういえば真白君はドレスは着ないのかしら? さっきの舞、ふわりとした白いドレスで踊っても可愛いと思うんだけど」
「私もそう思います。シフォンを沢山重ねたスカートに、お花の髪飾り。絶対可愛いのです」
 何気なく振った話にルナがのった。
 突然話を振られた真白は「???」状態だ。何せお洒落に疎い。いや少女が好むもの全般に対して疎かった。教育という名の兄の鉄壁ガードのなせるわざだ。
「あ、レースが裾からのぞくスカートも……」
「淡い桜色とか薄緑とか……春の色も似合うと思います」
 桜色の爪紅とかも可愛いですよ、とエステルも参戦した。
「いつもはきっちり着物を着こんでいるから、デコルデや背中が見える大胆なデザインとかもいいかもしれないわ。姿勢も綺麗だし」
「しふ……ぉ? つめ、べに? でこ……?」
 盛り上がる女性三人の会話に、それはなんだ、と真白は表情を変えぬまま七葵に助けを求めるが「俺に聞かれても」と首を振られる。
「ううん、真白君だけじゃなく、ルナ君もエステル君も、おめかし姿をみてみたいわ」
 三人ともそのままでも十分可愛いけど、女の子のおめかしは特別なのよ、とドロテア。
「そうだ、今度皆でお買い物に行かない? とびっきり可愛くおめかししましょ?」
 ドロテアの提案にルナとエステルは声を上げて喜ぶ。真白はやはり会話についていけてないが、異論はなさそうだ。皆で出かけるのも悪くない、と思っているのだろう。
 一人我関せずと、揚げ鳥を頬張っていた七葵だが、勿論そのままで済むはずがない。
「女の子達は勿論だ け ど……」
 ちらり、とドロテアの思わせぶりな視線。くいっと酒を煽って気づかないふりをしようとしたが……。
「コップが空よ!駄目じゃない」
 ぐいっと体を寄せられ空になった杯に酒を注がれる。回避失敗――七葵は瞬時に悟る。
「俺がめかしこむ必要性はあるのか?」
 それでも一応の抵抗。
「七葵君も着せ甲斐ありそう」
 だがそんな控えめな主張を聞いてくれるドロテアではなかった。
「物語に出てくる砂漠の民の格好とかどうかな?」
 弾むルナの声。そうして七葵も巻き込まれる。

 ドロテアが新しい瓶を開けた。赤ワインに果実をつけこんだものだ。さわやかな甘い香りにエステルが鼻を鳴らす。
「お酒ですか?」
「えぇ、ワインにオレンジやレモンとか果物を漬けたお酒。甘くて飲みやすいのよ」
 飲んでみる?、と注いだコップを差し出した。
「……兄は弱くてすぐ寝ちゃうんですけど……」
 私、飲んだことなくて……と、こっくりと赤い酒をじっと見つめるエステル。
「ダメだったらあたしが飲んであげるわ。だから一口だけでも試してみたらどう?」
「じゃあ、ちょっとだけ……」
 恐る恐る舐めるように一口。初々しいさまが可愛らしいとはドロテアの心の中に。
「甘くて美味しい……」
 口元をそっと手を押え瞳を輝かせ、今度はコクコクと喉を鳴らして飲むエステル。
「そんなに一気に飲んで大丈夫?」
「はい、果汁とも違う渋みも少しあって」
 エステルの発言にこの子イケるクチだわ、とドロテアは二杯目を注ぐ。
「これが気に入ったのならば帝国の白ワインもきっと口に合うわよ」
 酒は楽しくが基本だ。自分が持ってきた酒を美味しそうに飲んでくれるのならば何より。
「でもいきなり白ワインはちょっと重たいかしら。 同じ帝国だけど林檎の発泡酒も美味しいのよ。食前酒にちょうど良い感じで」
 エステルの飲みっぷりに嬉しくなってドロテアはお勧めの美味しくて安い酒について話し出す。
「林檎のお酒ですか? 甘酸っぱいのかな」
「今度一緒に飲みにいきましょ。その時もっといろいろと教えてあげるわ。 一部の教会で作っているエールとか、辺境部族の濁り酒とか。 飲み比べも楽しいわよ」
「エステル殿、此方もどうだろう?」
 真白が先程の蒸留酒の瓶を掲げる。
「それは少し強くないだろうか……」
 七葵は少しだけ心配そうだ。だが心配は杞憂に終わった。全て飲み干してなおエステルはケロリとしてる。頬が少し赤いが、それだけだ。
「兄様、何でこれで眠くなるのかしら?」
 とても不思議、そんな顔で首を傾げるエステルに此処にいる全員が「これは酒豪だ」と思った。

 ほどよく酒が回り始め花見は一層盛り上がる。
「お花見には出し物が必要よね!」
 ドロテアの声に七葵が頷く。
「俺も宴会芸を披露したい。 先程の曲と舞の礼だ」
 袋を小脇に抱え七葵が桜の大木の背後に隠れた。そしてほどなくして――

「あらえっさっさーー」

 桜の下に響く裏返った威勢のよい掛け声。
 何事か、とドロテア以外が顔を見合わせた。
 笊が大木から覗く。続いて豆絞りで頬被りをしひょっとこ面を頭に乗せた七葵の顔が。その顔の中央、鼻を潰すように燦然と輝く五円玉。
「あらえっさっさーー」
 もう一度声を上げて、前屈み気味に蟹股で笊を振って七葵が踊り出す。
 そうリアルブルー日本出身者ならばすぐにわかっただろうこれは『どじょうすくい』だと。
 突然のことに訪れる沈黙。その中、肩を震わせるドロテア。
 中腰で懸命に笊で川底を浚う七葵の胸中を、俺は失敗したのだろうか――嫌な予感が過る。
 だが中途半端で終わらせるわけにはいかない。ドロテアの助言通り躊躇いや恥ずかしさを一切感じさせない動きで七葵はぐいっと腰を沈める。
 掬い上げたドジョウを掴もうとしては逃げられ、体を上下に捩る七葵。
 するどどうだろう――
「見える、見えます! 七葵さんの手にどじょうが!!」
 目を擦るルナ。どうじょうすくい、だと言っていないのに。
「逃げちゃいますよ。折角捕まえたのに!」
 エステルもわぁわぁと声を上げた。
 全力で挑む『どじょうすくい』。
 失敗したわけではない。皆呆気にとられたのだ。想像だにしなかった事態に。
 ぷっと誰かが吹きだして続いて笑いが起こる。
 あの真白でさえ微妙に表情が崩れていた。
 リアルブルーの伝統芸能、馬鹿にできない。
(師匠、見てくれ……)
 いつの間にか師匠に格上げされているドロテア。
 ドロテアも楽しそうだ。少し痙攣気味なのが気にはなったが……。
 『どじょうすくい』とは「掴みにくい幸せをすくあげる」意味が込められているというドロテアの言葉を胸に七葵は踊り切った。
 勿論踊り終えた七葵を迎えたのは皆の笑顔と拍手だ。

「ルナさん、ルナさん」
 フルート片手にエステルが、ルナの隣にすとんと座った。
「何か一曲作りませんか? あの何とか仮面のテーマ曲とか……」
「皆の登場シーンに使えるような?」
「はい、華麗で格好良い曲に!」
 二人の脳裏に蘇るバレンタイン。あれは楽しかった。
 あの時の賑やかでごちゃごちゃっとした感じを思い出し、ルナは軽くリュートを鳴らす。
「では技の一号と力の二号をイメージした疾走感溢れるメロディで開始して」
「金色三号の少し艶っぽいテーマに続き……」
 ルナがリュートを奏でればエステルがフルートで返す。
「そして水色四号のテーマは……」
 ルナの言葉に、ちょっと格好つけて帽子の鍔をきゅっと上げる水色四号の仕草
「王子様です」
 二人声を上げて笑った。
「ちょっと喉か湧いちゃいました」
「あ、ルナさん、それは……」
 私の果実酒です、という前にひょい、と手にしたコップの中身を一気に空けるルナ。
 ルナはお酒に弱い。弱いのを自覚していたからずっとお茶や果汁を飲んでいたのだが……。
「ふぁあ~……」
 慣れないアルコールに一気に頬が赤く染まる。なにかとてもふわふわしてきた。
 ふわふわきらきら世界が綺麗でとても楽しい。
「あれぇ~……世界が回ってます……」
 左右に軽く揺れながらにこにこと、少し舌足らずになった友人を「大丈夫?」とエステルが覗き込む。
「ん~、エステルちゃあん……」
 ぎゅっとエステルを抱きしめるルナ。
「合奏楽しかったです~……。 皆の音が……一つになって、いくのがとても楽しくてうれしくて……」
「うん、とても楽しいですよね。私も大好きです」
 ぽんぽん、と背中を叩かれたルナは満足したのか今度は真白の元へと向かう。
「真白さぁん~……。 お花見、皆で来れて嬉しいのです」
「ああ、私も皆を花見に誘って良かったと思っている。 思えば長い付き合いだというのにこうしたことはあまりしてこなかったからな……」
 真白の言葉に何度もルナが頷く。
「音楽も人も同じなんです。 一見ばらばらなんですけど、一つ一つが重なって曲を作り上げていくように、人も……」
 そこで「知ってますか」と皆を見渡した。
「同じ楽器でも全部音は違うんです。この子は少し甘くて、あの子は少し硬くて、でもどれもどれも素敵な音なんです。そんな個性が織りなす旋律が音楽になっていくのです。音楽は一人じゃ作れない、だからこそ素敵なんです。 音楽自体に力はないかもしれません。でも音楽を聴いて誰かが何かを思ってくれるかもしれない、何かに気付いてくれるかもしれない、元気になってくれるかもしれない――音楽は可能性であって……」
 滔々とルナが語る。それは滑らかに。時折拳を握って熱弁して。最初は皆聞いていたが、次第にまた話し始めたりお弁当を突き始めたりしだす。
「ん、聞いてますかっ?」
 みなさん、と果実酒の入ったコップをどんと置くルナ。
「勿論、聞いているとも。 武芸も同じだ。一人一人の鍛錬も必要だが、先人たちが積み上げてきたものがあってこそ。そして私たちが先人たちの技に積み重ねたものが次の世代へと繋がり、高みを目指していくのだ……。いやそれだけではない共に競い合う仲間がいるから……」
 実は真白も顔にこそ出ていないが酔っていた。自分の酒量は弁えているつもりだったのだがつい楽しい雰囲気に杯を重ねてしまったのだ。
 酔っ払い二人の少しずれた談義は続く。
「単調なメロディーの繰り返しだと思っていても、同じものは一つとしてないのです。様々な楽器が入れ替わり、クライマックスは飲み込まれてしまうほどの壮大さ……。そしてそれを支える技術も忘れてはなりません」
 いつの間にかルナは自分の好きな曲についての語りに入っており。
「そうだ技術はとても大切だ。心だけでは体が追いつかず、体があっても技がなければ動くことはできんからな。心技体、どれが欠けてもいけない」
 そして更に七葵もそこに加わった。ちなみに七葵は結構素面に近い。
 ずれていても三人は通じ合っている。満足そうに頷き合ったあと、「かんぱ~~い」と言いながら唐突にルナが寝落ちた――。
「起きたら覚えているかしらね?」
 ドロテアがルナに自分のショールを掛けてやる。

「七葵さんもお似合いです」
 この声はエステルちゃん……?
 ……甘い香りがする……とても美味しそうな、甘い……
 目覚めたルナの視界一杯に広がったのはホカホカと湯気を上げるプディング。
「おお、本当だ。ドロテア殿の言う通り、目を覚ました……」
 頭上から降って来る真白の声。
「あ……れ、いつの間に……」
 寝ていたんだろう、と体を起こすとふわりと肩からショールが落ちる。ドロテアのショールだ。
「おはよう、ルナ君」
 ドロテアがウィンク。
「おはよ……ございまふ……」
 ショールありがとうございました、とルナはまだ半分寝ぼけ眼だ。
「中々に白熱した議論だったな」
 盃を傾けたまま七葵がさらりと言う。真白も「また意見を交わしたいものだ」と頷いている。
「へ……ぎろん? はくねつ?」
 何のこと、と頭の上に「?」マークを浮かべつつも真白が近くの屋台で買ってきた差し出してくれたプディングはしっかり受け取る。
「美味しい……」
 口いっぱいに広がる生姜と蜂蜜の香り。数口食べ進めるうちに目が覚めてきた。
 なんだか散々騒いで、語って――……。
「……忘れてください」
「何故だ? 互いの意見を交わすことはとても重要だろう?」
「え……その――」
 プディングを両手で持ったまま肩を縮める――と、花輪が手元に落ちてきた。明るいオレンジの花を編んだものだ。
「エステル殿が皆に作ってくれたのだ」
 真白が花輪を取り上げて再びルナの頭に乗せてくれる。真白の髪にも桜を飾った花輪。光の加減によっては銀がかって見える青い髪に桜はとても映える。
「可愛いでしょ?」
 似合うかしら、と白を基調とした自分の花輪をドロテアが指さす。
「みんな、に?」
 七葵をみれば、彼の頭にもクローバーを編みこんだ花輪がちょんと乗っていた。少し小さ目で、クローバーの緑のお陰で甘すぎない。
「ほんとだ、七葵さんも似合ってます」
 夢現で聞いたエステルの言葉と同じことを繰り返した。
「エステルちゃん、ありがとう」
 シロツメクサとタンポポの花輪を頭に乗せたエステルが「春をお裾分けしてもらいました」と笑う。

 ドロテアが用意した酒が無くなりかけた頃、七葵が立ち上がる。
「春を分けて貰ったからには、返さないとな」
 すらり、と抜く白刃。
 それをまっすぐ桜に向けて一時目を伏せる。
「では私も――」
 真白も七葵に倣う。

 はらはらと舞う桜の花弁。二人が刀を構えて視線を合わせた。

「行くぞ、七葵殿」
「応」
 短いやり取りの後、二人の刃が交差する。
 澄んだ高い音が合図だった。
 真白が一歩引き、七葵が一歩踏み出し、刀を水平に薙ぐ。
 羽織を翻し、真白が刃をかわすと下から袈裟掛けに切りつける。
 それを刀身で滑らせ懐に入り込む七葵。
 時にゆるく、時に疾く。
 示し合わせたように二人は刃を合わせ舞う。
「エステルちゃん」
「ルナさん」
 ルナとエステルが目配せ。今こそ何とか仮面のテーマを奏でるとき。
 二人の刃が重なるタイミングでルナのリュートが加わり、そしてエステルのフルートがそれを追いかける。
 華やかな二人の曲に合わせ、七葵と真白は一合、二合派手に刃を重ね見栄を切った。
「贅沢よねえ……」
 ドロテアの吐息が盃の酒を揺らす。
 桜の下、ルナとエステルが音楽を奏で、真白と七葵が舞う。
「これを楽しまないと春に悪いわ」
 ならば自分のやることは十分に楽しみ喝采を送ること。
「春に、皆に――乾杯!!」
 惜しみない称賛を込めて盃を天に掲げる。

 夕刻、そぞろ連れだっての帰り道。
「今度は皆で孔雀通りにでかけない?」
「孔雀通り?」
「色々な国のドレスや衣装を売っている店が集まっている場所なのよ」
「そこには各国の武具などもあるのだろうか……」
「武具は流石にねえ。でも珍しいものもあるわ。 学生服、とかいうの? リアルブルーの衣装とか」
「見るだけでも楽しそう」
「確かにそれも悪くないけど、あれこれ着たりするのも楽しいわよ」
 わいわいと楽しそうに歩く女性の後ろ、七葵がついて行く。
 不意に真白が足を止め振り返った。
「忘れ物か?」
 同じように後ろをみれば、遠く夕焼けに染まる桜が見える。
「……いや何でもない」
 二人とも行っちゃいますよー、ルナが手を振っている。
「皆を待たせるのも悪い」
 足早に真白が戻っていく。
 七葵は少しだけ桜を見つめていた。
 桜と同じ夕焼けに染まった真白の、口元が僅かだが綻んだように見えたのは気のせいだっただろうか。
「笑う門には福来る――か……」
 悪くない言葉だな、と七葵が目を細めた。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka3783 / エステル・クレティエ / 女性 / 16歳
ka1565 / ルナ・レンフィールド / 女性 / 16歳
ka4126 / ドロテア・フレーベ  / 女性 / 25歳
ka4128 / 銀 真白       / 女性 / 16歳
ka4740 / 七葵         / 男性 / 17歳


■ライターより
この度はご依頼頂きありがとうございます、桐崎です。
先日はお手数をおかけして申し訳ございません。
お花見ノベルお届けします。
宴会のごちゃっとした感じを出そうと視点がクルクル回りますので酔いにお気を付けくださいませ。
イメージ、話し方、内容等気になる点がございましたらお気軽にリテイクを申し付け下さい。
それでは失礼させて頂きます(礼)。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
エステル・クレティエ(ka3783)
副発注者(最大10名)
ルナ・レンフィールド(ka1565)
ドロテア・フレーベ(ka4126)
銀 真白(ka4128)
本多 七葵(ka4740)
クリエイター:桐崎ふみお
商品:WTアナザーストーリーノベル(特別編)

納品日:2016/07/19 17:10