※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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愛し可愛い私の嫁
そもそもどうして嫁かって?
簡単な話だ。
可愛いからに決まっているだろう。庇護欲をそそると言ってもいい。
ほら、そうやって照れる様子、恥じらう仕草が見たかった。
冗談などではないからな、可愛いと思うことだって本心だ。
私だって家事は出来るのは知っていると思うが、それよりも万能で堪能なお前の能力を買っている。
勿論それだけじゃないからな? これもまた理由のひとつだけどな。
いい加減はっきりしろって言われても、全て本気で思っているのだから仕方ないだろう。
そうだ、心の底から思っているし、お前の事を想っている。
疑っていないというなら何よりだ。証明しなければならないところだったな?
その方法? 言って欲しいのか? 真昼間だが、やぶさかではないぞ?
……冗談ではないが?
全く忙しいやつだな、怒らなくてもいいだろう。何、怒ったわけではない? そこ、今から詳しく聞き出そうじゃないか……なんだ、流されてはくれないのか。
別に気恥ずかしいとか、今更だとか……そんな大層な事じゃないんだけどな。
私はお前がいい。
お前が持つ能力だとか、技術だとか、外見だとか、仕草だとか、それらに対する私の感想は全て、些細なことだ。
そんなものは全部お前に付随するおまけみたいなもので、あれば嬉しい程度のものでしかない。
簡単な話だ。最初にそう言っただろう?
私の本能がお前を欲した。
最初こそ仄かなものだったけれど、日々を過ごすうちに次第に強くなった。
時間を重ねるのと同じ流れの中で、お前を示す要素を知って、それらにも魅入られていっただけだ。
切欠は、想いは、愛は。
たった一つの種からすべて芽吹いていく。
愛情深いやつだと思った。手際がいいと思った。鍛えた身体に見惚れた。胃袋を掴まれた。
気遣いに溢れる優しさも。ぶっきらぼうだけれど慈愛に満ちた言葉も。聞くほどに耳に馴染む声も。視線に混じる仄かな熱も。
ただ加速させる、広げていく、伸ばしていく、育んでいく。
気付けばお前しか欲しくなかった。
友は別だ、家族は別だ、相棒だって別だ。
私が、リーベ・ヴァチン(ka7144)が私自身であるためにお前が必要で、お前は私の半身で。
ただ私の気質の方が“夫”に向いていて。お前の気質が“嫁”に向いている。
本当はどちらだっていいけれど、便宜上だ。
私はお前が私の対であれば、それでいい。
……ああ、また、赤くなったな?
━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
【リーベ・ヴァチン/女/22歳/闘征狩人/止る理由がないだろう?】