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【反影】グラウンド・ゼロ「遺跡防衛戦」リプレイ

作戦1:遺跡防衛戦 リプレイ

カレンデュラ
カレンデュラ
紫炎
紫炎(ka5268
北谷王子 朝騎
北谷王子 朝騎(ka5818
時音 ざくろ
時音 ざくろ(ka1250
藤堂 小夏
藤堂 小夏(ka5489
ミリア・ラスティソード
ミリア・ラスティソード(ka1287
グリムバルド・グリーンウッド
グリムバルド・グリーンウッド(ka4409
南護 炎
南護 炎(ka6651
天竜寺 詩
天竜寺 詩(ka0396
クリスティア・オルトワール
クリスティア・オルトワール(ka0131
ルネ
ルネ(ka4202
はうんど(魔導トラック)
はうんど(魔導トラック)(ka4202unit001
エルバッハ・リオン
エルバッハ・リオン(ka2434
ウィザード(R7エクスシア)
ウィザード(R7エクスシア)(ka2434unit003
ユーリ・ヴァレンティヌス
ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239
アイビス・グラス
アイビス・グラス(ka2477
Gacrux
Gacrux(ka2726
天央 観智
天央 観智(ka0896
魔導型デュミナス射撃戦仕様(魔導型デュミナス)
魔導型デュミナス射撃戦仕様(魔導型デュミナス)(ka0896unit003
ミグ・ロマイヤー
ミグ・ロマイヤー(ka0665
ハリケーン・バウ・USC(魔導型ドミニオン)
ハリケーン・バウ・USC(魔導型ドミニオン)(ka0665unit002
仙堂 紫苑
仙堂 紫苑(ka5953
HUDO(R7エクスシア)
HUDO(R7エクスシア)(ka5953unit002
メンカル
メンカル(ka5338
ユウ
ユウ(ka6891
クウ(ワイバーン)
クウ(ワイバーン)(ka6891unit002
冷泉 緋百合
冷泉 緋百合(ka6936
ヴァイスロート(イェジド)
ヴァイスロート(イェジド)(ka6936unit001
キャリコ・ビューイ
キャリコ・ビューイ(ka5044
ミク・ノイズ
ミク・ノイズ(ka6671
ジェールトヴァ
ジェールトヴァ(ka3098
ソラス
ソラス(ka6581
榊 兵庫
榊 兵庫(ka0010
 太陽の光もまともに届かない、負に覆われた大地。
 その遺跡跡目指して、敵が、シェオルが進軍して来る。
 しかし、そこに、左半身を歪虚に蝕まれた少女が1人、サーベルと、歪虚に変貌した左腕を用いて敵を迎撃している。
 カレンデュラ――心は人間だと自称する少女だ。
 彼女は確かにシェオルたちと敵対している。
 で、あるならば――。
「敵では無い、のだな?」
 イェジドのフォルセティとともに敵を戦う紫炎(ka5268)が問いかける。
 行動を見るにカレンデュラは敵では無いらしい。しかし、その外見から警戒心が生まれることも事実だ。
「そうだよ! あたし、こんな見た目だけど心は人間なんだって!」
 カレンデュラは再度訴えかける。
 ――実際のところどうなんでちょうか。
 北谷王子 朝騎(ka5818)はカレンデュラからちょっと離れたところから、生命感知を用いその反応を見ることにした。
 ――これは……。
 ――完全に反応は無し。歪虚でちゅね……。
 ――ここは嘘でも、半分は人間だと言っておくべきでちょうか……。
 そのとき、紫炎はそっと笑った。
「了解した。私の名前は紫炎。この戦い、ともに乗り切ろう!」
「うん、よろしくね、紫炎くん!」
 カレンデュラは嬉しそうに、水際だった一撃をシェオル・ノドに浴びせかけた。
「すごい力だね……」
 そう言って、瞳を輝かせるのは時音 ざくろ(ka1250)だ。
「ざくろは、時音ざくろ、よろしくね。……どんな風に鍛えたら、そうなれるのかな」
「どうかな、この力についてはよくわかんないけど……」
 カレンデュラは左手をしげしげと見て言った。
「頑張ってれば、きっと強くなれると思うよ! ざくろちゃんも頑張って!」
「……ん? あ、え。ちょっと待って、ざくろは男だよ!?」
 ざくろは少女のような顔を赤らめて訂正する。
「そうなの? でも、きっと、強さに性別は関係ないよ」
 カレンデュラはカラカラと笑って、次々シェオルを葬って行く。
「カレン……で良いんだっけ? 細かいことは気にしないからさ、今回はよろしくー」
 R7エクスシアに搭乗した藤堂 小夏(ka5489)もさらりと挨拶をして、前線へと向かって行った。
 そして、カレンがさらに進んで行こうとしたところへミリア・ラスティソード(ka1287)が呼びかけた。
「おーいそこのカレンデュラとかいうやつ、手伝ってくれるのはありがたいが1人でいくんじゃねぇ」
 そう言って、ミリアはカレンデュラの単独行動を制した。
「とりあえずボクらの隣に居れば誤射はないぞ、たぶん」
「……そうだね。じゃあ、一緒に行動しようかな」
 カレンデュラはハンターと共に行動することを快諾した。
 それをざくろは微笑ましそうに見ていた。
「何かな、ざくろくん。あたしの顔に何かついてる?」
「あっ……ごめんね、なんか気になって。なんだかすごく嬉しそうだったから、久しぶりに仲間にあったみたいに……。ひょっとしてずっと1人でここに居たの?」
「うん?」
 カレンデュラは虚空に視線を投げながらちょっと考えた。
「よく覚えてないの。あたし、ここで何してたんだろ……?」
「仲間になってくれるんだって?」
 そこへ、グリフォンのアストラに乗ったグリムバルド・グリーンウッド(ka4409)がやってきた。
「だったこれ、渡して置こうと思って。トランシーバーにもなる優れものなんだ」
 そう言って、グリムバルドはイヤリング「エピキノニア」を差し出した。
 しかし、カレンデュラはちょっと困った顔をした。
「……その、とらんしーばーってなにかな?」
 どうやら、カレンデュラには現代機械に関する知識がないらしい。
 掌でああでもないこうでもないと持て余すしぐさに、グリムバルドは思わず苦笑する。
「まあ、カレンのそばにはボクらがいるから、そいつがなくても大丈夫だろ」
 と、話を横で聞いていたミリアが言った。
「ごめんね。気持ちは嬉しいんだけど……」
「いや、謝ることじゃないさ」
 グリムバルドは爽やかに笑って、アストラを操り、空中に舞い上がった。
「さっきは助けてくれてありがとう。怪我に気をつけて。また後でな!」
「うん! 君も怪我には気をつけてねー!!」
 カレンデュラは敵を撃退しつつグリムバルドに手を振った。
 ――これなら、特に嘘をつかなくても大丈夫そうでちゅね。
 一連のハンターたちとカレンデュラの邂逅を見ていた朝騎は、思った。ハンターの中でカレンデュラに明確な敵意を抱いているものは、少なくともこの場にはいないらしい。
 ――では、肝心のアレをたしかめるでちゅ!
 朝騎はバイクから飛び降り、敵の隙間をかいくぐり、ズザザッと仰向けにヘッドスライディングしてカレンデュラの股の間をくぐり抜けた。
「な、なに!?」
 流石にカレンデュラもこれにはびっくりしたらしく、飛び上がる。
 朝騎はしたり顔である。
「そんなパンツで大丈夫でちゅか?」
「パンツ? もちろん大丈夫よ! 可憐なる乙女たるもの、いつでも勝負下着だもの!」
「……これはこれは豪快なお人でちゅ、っと」
 そのとき、背後から迫っていたシェオルの攻撃を朝騎は前転して避けた。
「あんまり悠長なことはしていられないようでちゅね……カレンさん後でゆっくり話しまちょう。おやつに肉を持ってきたでちゅ!」
「本当!? それは楽しみね!」
 カレンデュラはまだ見ぬ肉に想いを馳せて、敵を蹴散らしていった。
「カレン、戦闘中すまないが、敵について知っていることはないか!?」
 南護 炎(ka6651)が周囲の敵を斬りつけながら、カレンデュラに訊いた。
「こいつらがなんなのか、全然よくわからないわ!」
 ただ、普通の歪虚と同じで、ある程度ダメージを与えると消える。それだけは確かだった。
「そうか。でも、やることは変わらない!」
 炎は呼吸を一瞬で整えた。そして、裂帛の気合とともに次元を斬り裂いた。
「俺は歪虚を断つ剣だ! そして、シェオルだかなんだか知らないが、一番スゲェのは、ハンターだって教えてやるよ!」
「……着装マテリアルアーマー、道はざくろが開く。行こう、カレン!」
 ざくろはグリフォンの蒼海熱風『J9』を駆り、群がってくる敵を蹴散らしていた。
「カレンは攻撃に集中して!」
「ところで、カレン、今の内に聞いておきたいんだけどよ」
 と、ミリア。
「ボクらと同じ方法でカレンも回復するのか?」
「それは、私もきいておきたいな」
 そう言うのは天竜寺 詩(ka0396)だ。
「う?ん、どうかな、わかんない」
「さーて、朝騎たちも行くでちゅよ!」
 その時、朝騎は再びバイクにユグディラとともに搭乗した。
「森の午睡の前奏曲、よろしくでちゅ!」
 朝騎のユグディラはこくりと頷き曲を奏で始める。バイク乗せることで、ユグディラには延々と前奏曲を奏でさせ、味方を回復する作戦だ。
 ところで、この効果範囲にカレンデュラもいたのである。すると、カレンデュラのかすり傷がみるみる癒えていくではないか。
「……」
「……」
「……」
「……」
「なんか大丈夫っぽい! 回復できそう!」
「……それは安心だね。それじゃ、私はあっちの方の応援に行って来るから、カレンさん、またね!」
 そう言って、詩は手を振りながら、走って行った。
「うん、また後でねー!」
 カレンデュラもそれに手を振り返した。
「えへへ」
 カレンデュラはちょっと嬉しそうだった。
「なんだよ、顔が緩んでるぞ?」
「いやあ、これでみんなの味方になれた気がして、嬉しくって」
 うふふ、とカレンデュラはだらしのない笑みを浮かべていた。
「そりゃよかった……懸念事項も無くなったところで、暴れるとするかな! 根性注入!」
 ミリアの武器、蜻蛉切が青白く輝き始める。そして、その槍で、前方の敵を薙ぎ払った。
「さいふぁー!」
 すかさず、ワイバーンのさいふぁーに指示を出し、追撃させる。そのために吐かれたファイアブレスがシェオルたちの体に亀裂を入れる。
 さらに、クリスティア・オルトワール(ka0131)のファイアーボールがこれでもかと敵を焼き尽くす。
「……」
 クリスティアは常にカレンデュラを視界に入れていた。
 なぜなら、クリスティアはカレンデュラに対し明確な敵意を持っていないにしろ、まだ信用しきれていなかったからだ。
 ――けれど。
 クリスティアは思う。
(この大地で人間の心を残して生き延びた方を信じたくはあります)
 クリスティアはカレンデュラを監視しつつ、戦闘支援するつもりなのだった。
「朝騎も回復だけじゃありまちぇんよ!」
 クリスティアの攻撃でもまだ倒れなかったシェオルに向かって、朝騎の五色光符陣が放たれる。
 そしてついに、この辺りのシェオルは撃退された。
 そのときである、連絡が入ったのは。
「どうやら、敵が多すぎで、射線が通らないらしい」
 紫炎が手短に、伝達の内容をカレンデュラに告げた。
「じゃあ、そっちに救援に行けばいいってことだよね?」
「のってく?」
 華麗な運転テクニックで現れたのはルネ(ka4202)と、魔導トラックのはうんどだった。
「縁の下の力持ち。それいけゆーげき部隊、登場」
「いいの!? ……ていうか何これ!?」
 カレンデュラは現れた魔導トラックに興味津々だ。
「もちろん。足がない人は、のっていって」
「じゃあ、お邪魔しちゃおうかしら」
 早速カレンデュラは乗り込んだ。
「しゅっぱつしんこー」
 そういながら、ルネはトラックを発進させ、情報を元に手薄なところへカレンデュラを運んで行く。
「ところで、その格好、ざんしんなファッションねっ」
 運転しつつ、ルネはカレンデュラに話しかける。
「こじんてきに高ぽいんとねー」
「そうだよね。あたしも、最初はキモかったけど、いまは可愛くて仕方ないわ!」
 カレンデュラは歪虚と化した左半身をそっと抱きしめた。
「体のちょうしはどう? 怪我はない?」
「大きな傷はないよ。さっき回復できたしね」
「ルネもがんばるから、かれんもがんばって」
「うん。お互い生きて、勝ちましょう!」
「……もうちょっとおしゃべりしてたいけど、もう到着」
 ルネはちょっと残念そうに言った。
「かれん、またあとで、ね。おしゃべり楽しかったよ」
「ありがとう。快適な旅だったよ。また後でね!」
 カレンデュラはひらりと飛び降りて、再び前線へと繰り出して行った。
「ルネもおしごと、おしごと」
 ルネは再び、移動力の支援に走って行くことにした。時折ミサイルランチャーを撃ちながら。


「みなさん、離れないで!」
 エルバッハ・リオン(ka2434)が言う。
 彼方にあるシェオル・タンクは一列に並び、次々と砲撃をハンターたちに浴びせかける。それは着弾点で爆ぜて周囲を破壊する凶悪なものだった。
 しかし、そんな攻撃も、エルバッハのウィザードと小夏のR7エクスシアのマテリアルカーテン、そして詩の茨の祈りで、損害は大きくなかった。
「でも、あれ、ほっとくとまずいよね」
 小夏が彼方のタンクの列を見て言う。
「ええ。マテリアルカーテンにも限りがありますから」
 エルバッハも小夏に同意した。
 しかし、問題は他にもある。押し寄せるノドの大群だ。
「射線が通らないとの伝令もありました。防衛するにもあのタンクは脅威です」
 エルバッハはウィザードからウィンドスラッシュを放ち、敵を迎撃する。
「拠点となる遺跡を失う訳にはいきませんから、死守以外はないですね。まあ、そんなことは何時ものことですが。とにかく、道を切り開きましょう」
「足止めは任せて! ここから先へは行かせないよ!」
 空に光の刃が現れ、次々敵を串刺しにしていく。ブルガトリオ、敵を足止めする魔法を詩が発動したのだった。
「雪那、援護お願い!」
 詩はユキウサギの雪那に言った。雪那もまた足止めスキルである紅水晶を使い、大地を紅い光で満たしていく。
「今のうちに!」
 そこへ、小夏のR7エクスシアから薙ぎ払いが放たれる。全長4.4mの機体から繰り出されるそれは、大地の砂を巻き上げて、空気をぶぅんと振動させる大打撃となった。
「なかなか硬い敵だねぇ」
 しかし、シェオルたちもまだまだ倒れない。
 さらに、エルバッハのウィザードによる剣撃が敵を穿つ。行動不能により、シェオルたちは釘付けにされ、ハンターたちのなすがままだった。
 だが、ついに一体のシェオル・ブリッツが拘束をといた。ムカデのような体をくねらせて頭についた角で、詩を貫かんと迫る。
「させんよ!」
 しかし、それはグレンデル・フォトンヘッド(ka6894)の法具によって弾かれた。金属同士がこすりあうような、甲高い音が、この寂れた大地に染み渡った。
「これが我が輝きである! 光あれ!!」
 雄々しく輝くグレンデルはレクイエムを奏で始めた。
 清浄なる韻律はシェオルたちの動きを阻害する。
「我が輝きが、盾がある限り、ここは決して通しはせんよ!」
「全く、人間を狙うって言うのは本当のようですね……」
 ブリッツやノドが詩の周りに群がるのを見て、ユーリ・ヴァレンティヌス(ka0239)が言う。
「行くよ、オリーヴェ!」
 ユーリは騎乗しているイェジドのオリーヴェに指示を出す。オリーヴェはユーリの声を聞いて、息を吸い込んだ。そして、咆哮をシェオルたちに浴びせかける。
 振動した空気がビリビリとシェオルの体を震わせる。
 そして、ユーリの体に稲妻のような青白く輝く刺青模様が走り、ソウルトーチが発動された。
 詩や雪那の拘束から逃れた者や、その効果範囲外にいたシェオルたちがじりじりユーリに迫る。
 ユーリの、覚醒により白銀色となった髪が一度なびいた。
 そして、再び、稲妻の刺青が輝き出す。
 ――この光景……まるで、ライブラリで経験したクリムゾンウェスト崩壊時のあの戦いを思い出すわね。
 ユーリはスキル、蒼刃共鳴を展開する。
 ――でもあの時と違うのは、確定してしまった過去ではなく切り拓く事が現在であるという事。
 蒼姫刀「魂奏竜胆」が青く輝き出す。
「それなら、明日を斬り開くためにこの刃を振るうまで!」
 その言葉と同時に、ユーリの周囲に暴風とも言える刃の嵐が巻き起こった。
 ――蒼刃剣舞・白銀雷姫。
 素早い動きで何度も敵を斬りつける剣舞だ。
 度重なる攻撃に、ついにいくつかのシェオルは力尽きていった。
「孤立しなければ、勝機はあるはずです!」
 ユーリが言う。
 敵は多い。統率もとれている。
 しかし、それだけでは勝敗は決しないのだから。


 ――敵は統率がとれてるって言うから……。
 アイビス・グラス(ka2477)はナイトカーテンを用いて、敵の只中にいた。
 ――指揮している奴がいるのかと思ったけど、どれも見た目は同じだね……。
 アイビスは、敵には指揮官がいるのではないかと想定して、探っていたのだ。
 ――けれど、それらしい挙動も見られないし……、指揮官はいないと言うこと……?
 ちょっとの間考えて、アイビスは指揮官探しを打ち切ることにした。また、その戦果をトランシーバーでもあるイヤリングに伝えてから。


 空中を駆けるものがあった。
「飛んでしまえば、障害も何もありませんからねぇ」
 そう言うのはGacrux(ka2726)だ。
 Gacruxは眼下のシェオルたちを見て言葉がこぼす。
「諦めた末路が、その姿か……シェオルの憎しみの真意は、嘆きは、悲しみの訴えか」
 言葉は地上に墜落して、シェオルの群れに落ちていくばかりだった。
 Gacruxは一度、背後の遺跡付近で戦っているカレンデュラを見た。
 ――確かめたいことがある……。
 ――けれど、今は。
「あのタンクが邪魔ですね」
 Gacruxとワイバーンはついに射程にタンクの群れをおさめた。
 そして、ワイバーンの口から破壊の炎が吐き出される。
 タンクの角や足が焼けていく。その様をGacruxはつぶさに観察していた。
 ――どうやら、タンクに再生能力は無いようですね。
 それを手短にトランシーバーで味方に告げて、再び、接敵し火炎を放射しようとしたところへ、タンクの砲撃が飛んできた。
 それをGacruxは器用に回避する。彼の黒髪が風になぶられる。
 ――人間狙い……気をつけなければなりませんね。
 さらに空を駆けるものがもう一騎。
 グリフォンのアストラにまたがったグリムバルドだ。
「再生能力はないんだって?」
 グリムバルドは符を取り出し、Gacurxが狙った個体めがけて風雷符を放った。
 5枚の符がはっしと飛んでいき、その途中で雷に変貌して敵を穿っていく。
「なら、壊れるまで壊すだけだな」
 タンクの上空をひらりひらりと飛び回りながらグリムバルドは符を再装填した。


「右翼に敵の軍隊が迫っています。こちらも射撃で対応するので救援、お願いします」
 天央 観智(ka0896)がトランシーバーに告げる。観智は魔導型デュミナス射撃仕様に搭乗し、戦場を見渡していた。
「射線、どうですか?」
 と聞くと、あと少しだ、という返答があった。
 プラズマシューターにより銃身が紫電を帯びている。観智は右翼の敵が遺跡への到達目前だと判断して、そちらの対応に回った。
 横目で、タンクの位置を確認する。
 まだ距離がある。しかし、プラズマシューターの射程増加により、届かない距離ではなかった。


「まったく、原型をとどめないにしても、もっと防衛拠点になるような崩れ方をせんか、この遺跡め」
 ミグ・ロマイヤー(ka0665)は遺跡を防衛拠点にしようとしていたが、そんな時間もなく、また遺跡自身もほぼ原型をとどめていないので、そうすることを諦めていた。
 ならばと自らの力で石壁を作ろうと考えたが、[SA]は既に使用できるスキルを強化する効果しかもたない。つまり、ドミニオンでGnomeの[SA]は使えなかった。
「仕方ない。ここはおとなしく迎撃に打って出るとするかの」
 ミグは搭乗した魔導型ドミニオン、ハリケーン・バウ・USCの姿勢を低くして射撃体勢に入る。
 ミサイルランチャー「レプリカント」を敵に撃ち込み始めた。
「にしても」
 ミグは戦場の前線で暴れているカレンデュラをそっと見た。
「長生きはしてみるもんじゃな、あんな歪虚もいるのかや」
 ミグは目を細めて、興味深そうに笑った。
「使えるものは使えばいいからの。あいつにも存分暴れてもらうとするかの」
 くつくつ笑って、ミグはミサイルランチャーを発射する。
 少女の外見で戦場を蹂躙する様は、残酷な妖精のようであった。


「遠い、な……」
 仙堂 紫苑(ka5953)が言う。HUDOのミサイルランチャーの射程にタンクを収めようとも、どうやらタンクの方が射程が長いらしい。
「大物が射程に収まらん上に敵が多すぎる。これじゃ、話にならん。前線を押し上げるぞ!」
「了解した」
 応えたのはメンカル(ka5338)だ。
 メンカルは行く手を阻むシェオルの群れにマテリアル式手投げ弾「Iron mango」を投げつけた。
 それでも、その噴煙に紛れてシェオルたちが人間であるメンカルを狙って迫ってくる。
「なら、狙わせるまでのこと!」
 メンカルは自身を囮として、敵の注目集め、さらにもう一投、手投げ弾を投擲した。
 度重なる爆発で、シェオルの体に罅が入る。
 爆音を上塗りするように、今度は歌が聞こえてきた。
 魔を打ち破り、戦士を讃える歌――ユウ(ka6891)の龍唱?破魔?である。
「クウ!」
 ユウはワイバーンのクウに呼びかける。
 クウはその声に呼応して、最前のメンカルの攻撃に合わせるように、ドラゴンブレスを発射した。
 しかし、その火炎を抜けてブリッツの角がメンカルへ迫る。
「させるかぁ!」
 だが、その角は届かない。横合いから冷泉 緋百合(ka6936)がブリッツを殴りつけたからである。覚醒により白になった髪が目にも鮮やかだった。
 ブリッツは体をくねらせて態勢を立て直す。でも、それよりも先に、キャリコ・ビューイ(ka5044)の弾丸が体を貫いた。
「素早い的だ。だが、この死地に飛び込んでは生きては返さない」
 キャリコは無感動に、無表情に告げる。
 マジックエンハンサーによりHUDOのエンジン出力が上昇する。
「一気に焼き払う!」
 紫苑がそう言うと同時に、ファイアスローワーが前方を焼き尽くした。
 破壊により、ついに道が拓けた。
 だが、敵もうじゃうじゃ湧いてくる。
「邪魔をするな!」
 緋百合が絶爪を放ち、敵を牽制する。
 さらに、穴を埋めようとしてくる敵に対して、ミク・ノイズ(ka6671)の乗ったR7エクスシアから機導砲が放たれ、敵を貫いていく。
「一度開いた道。これを死守するのが楽な戦法なんだろうな」
 ミクが呟いた。そして、進路を邪魔する敵を、味方と息を合わせて、葬っていく。
 ――にしても。
 キャリコは思った。
 ――敵の侵攻は際限がない。
 キャリコは戦端が開かれた直後、魔導スマートフォンやタブレットエヌマエリシュで写真を撮り情報収集をしていた。この戦闘が終わったら、カレンデュラにいろいろ聞くためだ。
 ――この調子では、そんな時間があるかどうか。
 敵の包囲網を突破しても、気をつけなければ、すぐに穴は埋められてしまう。
 キャリコは連れてきた、刻令ゴーレム「Volcanius」を見やる。
 射線を開くとこ、敵を射程に収めること、戦線を維持し遺跡を守ること。やることは膨大だった。


「回復は任せておくれ。そのかわり、攻撃は頼んだよ」
 やんわりと、戦場にあっても焦らない悠揚な調子でジェールトヴァ(ka3098)が行った。
「さて、足止めの方、よろしくできるかな」
 ジェールドヴァはユキウサギにそう告げた。
 ユキウサギはこくりとうなずいて、紅水晶を発動する。
 さらに、味方を避けるように、ソラス(ka6581)のグラビティフォールが炸裂する。重力を帯びた紫の光が敵にまとわりついて、その体を縛り付ける。
 ソラスの周りには覚醒によって出現した発光する球体がゆっくりの飛び回っていた。
「今、戦況はどうなっているのかな」
 と、ジェールドヴァ。
「そろそろ敵の壁を突破できそうです。この地点も、もう援軍がつくでしょうから、問題ないでしょう」
 ソラスが答えた。
 ソラスは時折ワイバーンのスギィア・モーアに騎乗し、戦況をみてまわっていたのだ。現在は手薄だと連絡のあった右翼地点で防衛線を張っていた。
 ――星の裏側がどうなってるかと思ってやってきてみれば……。
 ソラスは思う。
 ――探索どころではありませんね。
 ――とにかく歪虚を撃退せねば。
 そう、ソラスが考えてきた時、
「おーい! 援軍がやってきだぞーー!!」
 カレンデュラが手をぶんぶん振ってやってきた。アイビスのイェジド、ラージェスに一緒に乗せてもらってきたようだ。
「運んでくれてありがとう!」
 と、カレンデュラは飛び降りて、早速敵を殴りにかかった。
「さて、ラージェス、私たちも行こうか! あなた自慢の機動力を敵に見せ付けてあげましょ!」
 ラージェスは一度短く吠えて、それに同意を示したようだ。
 アイビスは器用に戦場を駆け回りながら、敵の体力を確実に削っていった。  観智の射撃も絶え間なく、味方を支援している。
 右翼側の戦線は維持できそうだった。


「こちらも前線を押し上げますよ!」
 エルバッハが言う。
 タンクの砲撃が振り注ぐ。マテリアルカーテンで防いでいる間はいいが、それが切れた時の被害はとても大きいものになるだろう。
「射線が通らないなら、無理やり通すだけだ」
 榊 兵庫(ka0010)はマテリアルライフルで、一直線上の敵を焼き払いながら言う。
「ここを抜かせる訳にはいかないからな。招かざる客はご退場いただくとしよう」
 その攻撃に合わせて、小夏の薙ぎ払いやエルバッハの斬撃が殺到する。
「進まれよ! 防衛は私に任せるがいい!」
 グレンデルが、開いた穴をうめようとするシェオルたちを押しとどめようと奮闘する。
「キリがないのは嫌だねぇ」
 小夏がぽつりと呟いた。
「でも、抜かせることなんて、しないから」
 小夏が戦火の只中にあってなお無気力に、だが頼もしく宣言した。そして、一閃、斬艦刀を振るい、シェオルたちを砕いていく。
「では、行きますよ!」
 エルバッハのウィザードから火炎球が打ち出され、前方の敵を焼き尽くした。
 さらに、その攻撃にユーリの斬舞も続く。
「さて、そう悠々と砲撃していられるのも今のうちだ」
 兵庫が敵を見つめて言う。
「これで、道は切り開かれるんだからな!」
 烈風が、一歩踏み込んだ。刹那、静寂が訪れる。
 そして、音が戻ってきたときには、直線上の敵が刺し貫かれていた。
 それは、ついに敵の壁に穴が空いた瞬間だった。


「来ましたね」
 その瞬間を観智は見逃さなかった。
 プラズマシューターにより増加した射程にはすっぽり敵の部隊が収まっている。
「今までの借りを返すとしましょう……」
 一体のタンクに狙いを定め、観智はついに、引き金を引いた。
 虚空を、紫電を纏ったバレルから弾丸がマテリアルによって2次加速し、高速に、空気を割いて飛来する。
 それは、傷ついたタンクの一体を悠々と貫通し、ついに塵へと返すのだった。
 観智は自身のマテリアルをCAMに注ぎ、常にプラズマシューターを切らさない。
 そして脅威度の高い敵を的確に処理し、前線を支えていた。

「ひゅー、やるねぇ!」
 グリムバルドはそれを空中から間近で見ていた。
「タンクども、ここからが本番だぜ?」
 グリムバルドは符を打ち出し、タンクに稲妻を浴びせかける。
 それに続くように、遺跡付近からは次々と射撃攻撃が飛んでくるのだった。

 紫苑たちも敵をついに射程に収めた。
「足元の雑魚はこっちでやる! タンクの破壊に専念してくれ!」
 緋百合が紫苑に向かって叫んだ。
「了解。そっちは任せる」
 射線が開けたとこにより、キャリコの刻令ゴーレム「Volcanius」も敵を狙っていた。
 発射される炸裂弾は地面で爆ぜて、広範囲の敵を破壊していた。
 即座に弾着修正指示をし、的確にタンクを壊滅させる算段をするキャリコ。その表情にはやはり無表情で、彼がこう言った破滅の場をかつて経験していることをまざまざと見せつけていた。
「危ない……!」
 しかし、そのキャリコの背後から1体のブリッツが襲い来る。
 それを、ユウは身を呈してかばった。
「お姉ちゃん!」
 緋百合が叫ぶ。
 クウは血を流しながらも態勢を崩さない。
「すまない、即座に排除する」
 キャリコも魔導銃を即座に撃ち込み、反撃を始めた。
「よくも……!」
 そして、マテリアルを込めた渾身の一撃で、緋百合がブリッツをぶん殴った。
「大丈夫、お姉ちゃん」
「うん、大きな怪我はないよ。クウも平気?」
 クウも大丈夫だ、というようにユウの方を見つめた。そのクウの首筋をそっとユウが撫でる。そして、ブリッツを見た。
「クウ、ワイバーンが地上戦も得意としている所を見せてあげよう」
 その声に呼応して、クウは再び戦場を駆け回り始めた。
「なになに、今度はこっち!?」
 ちょうどそこへカレンデュラも飛び込んで来た。
「行き過ぎだカレン!」
 そう諌めるのは炎だ。
 カレンデュラと行動を共にしている者も一緒である。
「なんか敵をとにかく虱潰しにしてたら来ちゃったんですけど!?」
「……カレン」
 そうカレンデュラに声をかけるのは緋百合だった。
「声をかける時間があれば、と思っていたが、敵の進行がせわしなくてな。こうして出会えるのは僥倖だ。この戦いが終わったらゆっくり話す時間があるといいな」
「うん、そうだね! ……やだ、なんかあたしすごくモテモテ……?」
 カレンデュラはいろんな人が声をかけてくれるのが嬉しいらしかった。
「まあ、意外と近い戦場にいたから、こうして会うのも不思議じゃないさ」
 そう言うのはメンカルだ。彼は視界につねにカレンデュラを捉え、彼女に危機がないかどうか探っていたのだ。
「良い。面白いな、お前」
 と、メンカルはニヤリと笑ってカレンデュラを見た。
「どうだ? 『友達』という事で」
 メンカルはそんな提案をした。
 カレンデュラはそれを満面の笑みで受けた。
「もちろん、いいに決まってるよ! よろしくね、ええっと……」
「俺はメンカルだ」
「よろしくね、メンカルくん!」
 メンカルとカレンデュラはハイタッチをして、友誼のしるしとした。
「自分を人間と認識しているなら、ガワが何であれ人間だろうさ」
 ミクがカレンを見ながら言う。
「仲間と同じく支援するまでだ。あの虚無が消滅するまでどのくらいかかるかわからないが、最後まで戦うぞ」
 接近してくる敵を機導砲で迎撃しながら、ミクが言う。
「タンクに届きそうか?」
 ミクが紫苑に尋ねた。
「ああ、ここまでくれば問題ない」
 紫苑はミサイルランチャーの照準をタンクへと合わせる。
 タンクは、戦端が開かれた直後からのGacruxとグリムバルドの空中からの攻撃、そして長い射程を持っていた観智の魔導型デュミナス射撃仕様から放たれる弾丸で疲弊しているようだった。
「ここは、着実に落としていくか」
 紫苑はミサイルランチャーでタンクを狙い撃った。
 ミサイルが飛んでいって、タンクの顔面で爆発する。
 そうして、タンクは前足から崩れ落ちるように塵になっていった。


「どうやら、射撃攻撃がようやく届く距離になったようですね」
 右翼側の危機も回避された。
「現在、遺跡に接近する敵はいません」
 観智はトランシーバーで味方に伝える。
「現在の最大の脅威はタンクです。射程に収められる方は、ぜひ火力を集中させてください」
 観智もまた、次なるタンクに狙いを定めた。1体ずつ、着実に落としていけば、焦るような敵ではない。
「足掛り……何として、守りますよ」
 観智は引き金を引く。
 戦いを終わらせるために、何度でも、何度でも。


「敵は斬る、断つ、滅する!」
 戦闘が始まってそれなりの時間が流れたが、炎の瞳には闘志がメラメラと燃えていた。
「そこ、通してたまるかぁ!」
 穴を埋めようと進軍してくる敵に向かって気合の入った次元斬を炸裂させる。
 その斬撃はノドやブリッツの足を切り落としたが、敵の再生能力は高く、みるみる再生してしまう。
「だったら、何度でも浴びせるまで! 行くぞ!」
 雄叫びをあげて再度、次元が斬り取られる。
「援護するでちゅよ!」
 朝騎の風陣符が投げつけられる。敵へ向かって飛んでいき、その途中で姿を稲妻へと変化させ、敵を貫いた。
「さあ、どんどん歌うでちゅよ!」
 バイクに乗せたユグディラには延々と前奏曲を奏でさせることで、味方の回復につとめさせる。
 続いて、ミリアの薙ぎ払いからの、さいふぁーの攻撃も突き刺さるが、敵の壁は徐々に狭まって行く。
「くっ……、このままだと……!」
 ざくろが攻性防壁で突っ込んできたノドを弾き飛ばした。
 じわじわ、シェオルたちは開いた射線を塞ぎつつあった。いまや遺跡に踏み込むことより、射線を塞ぎ、ハンターの攻撃を妨害することに専念しているらしい。
「だから、助けにきたよ」
 しかし、そんな声と共に、ミサイルランチャーがノドへ着弾した。
 爆風で、ざくろの髪が揺れる。
「それいけゆーげき部隊、再び登場」
 魔導トラック、はうんどを運転するルネだった。
 さらにミサイルランチャーが飛んできた。ノドに次々と着弾する。
「ミグも手を貸してやるのじゃ」
 今度のはミグとハリケーン・バウ・USCが放ったものだった。
 噴煙に紛れて、紫光がシェオルたちに絡みついた。
「助太刀します」
 ソラスのグラビティフォールだ。
「一気に、落とします!」
 クリスティアが高くスタッフを掲げた。クリスティアもまた、グラビティフォールを発動させ、さらに敵を圧壊させる。
 しかし、その攻撃を振り払ったノドが躍り出た。4本足を昆虫のように動かして迫る。
「フォルセティ!」
 すかさず、紫炎が反応し、フォルセティに敵を噛みつかせた。ばりばりと音がして、ノドの体が砕かれる。フォルセティは首を振って、敵の体を食いちぎらんとする。ついに、肉が裂けるような、同時に金属が砕けるような音がしたが、ノドはその拘束を振り払って、地面へと着地した。
 そして、紫炎に襲いかかろうとしたところ、ノドの体に輝ける衝撃が走った。
「おや、やってみると意外とできるものだね」
 そう言うのはジェールドヴァ。
 ジェールドヴァはノドが紫炎を狙う隙に、背後に回ってセクリッドフラッシュを放ったのだ。
 ついに、ノドは力尽きて倒れ、塵になっていった。
 その時である。
 遺跡付近に展開していた虚無が消滅したのだ。

「やったのか……?」
 兵庫がそちらを見て、確認する。そこにあった虚無はもとから何もなかったかのように、霧散していた。
 そして、敵が無尽蔵に湧き出してくることもなくなった。
「あと一息だ!」
 兵庫が言う。
 ハンターたちは畳み掛けるように、攻撃へと転じて行った。


「わあ、なんか大きいのが消えたね」
 カレンデュラがオブジェクトのあった方を見て言う。
 敵はもはや数を減らす一方で、戦線にも余裕ができ始めていた。
 そこへ、カレンデュラのそばにGacruxがやってきた。
「……」
 しばし、Gacruxはカレンデュラを見つめた。
「どうかしたの? もしかして大怪我したとか!?」
 Gacruxは静かに、カレンデュラを見定めるように問いかけた。
「『ずっと……そばにいてくれますか?』」
「……え?」
 重ねてGacruxが尋ねる。
「大精霊……あなたですか?」
「えーと……」
 カレンデュラはその言葉に心当たりがないか考える。自分の記憶を、出自を探るために、思考の海に埋没していく。しかし……。
「あたしは、大精霊じゃない、と思う」
 やがて、ぽつりとそんな返答をするばかりだった。
 それをみて、Gacruxは嘆息でもない、安堵でもない、様々な色の混じった笑みを浮かべた。
「いえ、なんでもありません」
 そう言うと、Gacruxはワイバーンの手綱を繰って、再び戦場へ舞い戻って行くのだった。

執筆:ゆくなが
監修:神宮寺飛鳥
文責:フロンティアワークス

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