王国暦1019年【郷祭】

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春先の嫉妬王との決戦も無事決着して、春郷祭を開催できる運びとなりました。
今回はアメンスィ様をはじめとした大地の精霊様方へ、嫉妬王討伐へのご助力に感謝の印として、多くの花をお捧げする予定です。
もちろんいつものようにジェオルジ各地の名産品も取り揃っていますので、花とそれ以外を楽しみに、ジェオルジにお越しいただけるよう願っております。

ジェオルジ領主:セスト・ジェオルジ(kz0034

更新情報(5月15日)

今年も春郷祭のシーズンが到来!
邪神との決戦が迫る中での開催となりますが、ハンター達にとって英気を養える機会となります。
連動シナリオは本日15日から開始。
そちらにあわせて特設ページではオープニングノベルを公開しました。

▼連動シナリオはこちら!▼
 
 

【郷祭】オープニングノベル(5月15日公開)

アメンスィ

●目覚めた大地に
 長らく自由都市同盟に暗い影を落としていた嫉妬王ラルヴァが、討伐されたことは記憶に新しい。
 嫉妬王以外にも、名の知れた歪虚が滅んだと聞くが、詳細は一般の住民の耳にはなかなか届いてこない。
 同じように、この戦いに知の精霊アメンスィと彼女に従う多くの地の精霊が人と共に臨んだことも、多くは噂として知っているのみだ。
 それでいて、ラルヴァが討たれても世界が安寧とはいかないことは、不思議と漏れ聞こえてくる。
 だが、少なくともこの春からの緑の力強さは、去年には感じられなかった。

「物事は順々に進めていくべきですから、まずは春郷祭で精霊の皆様に感謝を捧げることにしましょう」

 そんな大地の力を同盟で最も感じるだろうジェオルジでは、春郷祭の計画が進んでいた。
 ここ数年、なかなか例年通りの開催とはいかずに来た春と秋の郷祭だが、やらないという選択肢はない。
 なにしろ領内に町村が点在する農業振興地域ジェオルジでは大事な地域交流の機会であり、商売の時であり、楽しみの場なのだ。近年では規模も拡大して、同盟内外からの客人も多数訪れる。
 更に、大地と共に暮らすジェオルジだからか、領内には精霊とゆかりの深い村も少なくない。実際に精霊が現れ、住人と語り合うところもあり、突然の来訪で慌てた地域もある。
 その切っ掛けの幾つかは歪虚の侵攻だが、いずれも退けられて、人と精霊の繋がりは増していた。
 こうしたことから、若きジェオルジ領主のセスト・ジェオルジ(kz0034)は、春郷祭ではアメンスィはじめとする精霊達に感謝を伝えるための何事かをしようと考えていた。

セスト・ジェオルジ

「とは言え、祭壇を作ってお供えをするだけでは、物足りない気もしますし……」
「昨年の秋は、そのお供え物を競うような流れになりかけましたからね。もっとこう、誰でも簡単に感謝を示せる形がよいのでしょうね」

 セストが精霊への感謝を捧げる形式に悩むと、母のバルバラも溜息をついた。
 去年の秋の郷祭でも、精霊への祈りを捧げるとして祭壇を作り、実際に精霊がそのお供えを幾らかを持ち去っている。それは喜ばしいことだったが、その後、一部の村の間でお供えの量や豪華さを競おうとする動きが出て、バルバラが陰で村長達をたしなめたりしたのだ。
 人が三人寄れば派閥が出来るのと同様、村と村の間でも利害関係で睨み合ったり、競争心が行き過ぎることは珍しくない。妙な騒ぎにならないように配慮せねばならず、郷祭前のジェオルジ家はいつも忙しかった。

「それなら、お供えは花だけに決めてしまうのはどう? 一人一輪限定にしてしまうとか」
「お花だけならたくさん差し上げたい気もするわねぇ」

 姉のルイーザが品物を決めてしまえば争えないだろうと、花を推す。大地の精霊達が花を贈られて嫌がることはないと考えたようだ。けれどバルバラは、花の本数を縛れば祭壇が寂しくなると、いささか悩ましげでいる。精霊が供物にこめられた想いより量を重んじるとは考えないが、見た人々の気持ちが盛り上がらないのでは困るのだ。
 セストもしばらく思案顔でいたが、

「花を供えるのではなくて、植えるのはどうでしょう。その花壇か花畑かを、先々まで世話をしていくことで精霊方の存在を忘れずに、常に感謝の念を持ち続けられると思いますが」

 祭壇には各村からの供物を捧げ、それとは別に花を植えようと言い出した。
 祭りのたびに祭壇を作って、その期間だけ敬うよりは、確かにいつもそこにある花壇なりは悪くない。祭の期間に広がっていく花の景色は、訪れた人の目も楽しませることだろう。

「これからの季節、切り花は寿命が短いのでどうかとも思ったんです」

 セストには、ちょっぴり現実的な思考もあったようだ。


 それから数日の後。

「やれやれ、こんなものかな」

ラウロ・デ・セータ

 なぜか自由都市評議会議長のラウロ・デ・セータ(kz0022)が、苦笑交じりにある書面を書き上げていた。
 そこには『精霊への感謝を捧げる期間』という文字がある。
 ジェオルジ領主のセストから、春郷祭開催の知らせを議長はじめ有力者に知らせる手紙を携えてきたセストの父ルーベンが、顔を合わせた評議会議員や各地の有力者相手に、祭の場で精霊への感謝を示すための花畑を作ると得々と語ってくれたのだ。
 聞かされた方は、ジェオルジだけで大掛かりにそんなことをされては、自分達が何もしていないように見えると大慌て。張り合って派手なことを画策し始めた地域もあり、議長としては看過出来なくなった。
 それで急遽、春郷祭に前後した一定期間を同盟全体で精霊に想いを馳せる期間にしようと決めたのだ。すでに土地の精霊と密に交流している地域もあるから、強制ではなく『お誘い』である。


 嫉妬王ラルヴァの脅威から解き放たれたことを精霊とともに喜びたいのは、ジェオルジの人々だけではない。

(執筆:龍河流
(文責:フロンティアワークス)

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郷祭とは?

農耕推進地域ジェオルジの村長祭

セスト・ジェオルジ

自由都市同盟の農業推進地域「ジェオルジ」で半年に一度、各村の村長が集って行われる村長会議の後に開かれる村長祭の別名です。
もともとは各村産品の売買を目的とした小規模なものでしたが、徐々に規模が拡大し、王国暦1014年から領主セストの一声でジェオルジ外の人々も多数訪れる大きな祭りとなりました。
祭りでは、農畜産品やその加工品、家畜などの売買の他、各村の名物料理を食べさせる出店の他、様々な催しが行われます。
最近では、酒豪を競う大会や蚤の市なども行われました。
今年はこれらの他にも、新たな企画があるのではないかと噂されています。

統治者、ジェオルジ一族

今の領地は、若き領主セスト・ジェオルジが治めていますが、彼の母、バルバラ・ジェオルジはセストの後見人をしており、実質的な権限を握っています。それは夫であり前領主、農業研究家のルーベン・ジェオルジの時代も同様です。
セストの姉であるルイーザ・ジェオルジは一族の人間としては珍しくハンターの素質を持っており、領地内の厄介事を猟撃士として解決しています。
なお、セスト、ルイーザの父・ルーベンは、自分が農業研究に傾倒すべく、息子に無理やり領主の座を与えたダメ親父として有名です。ただ、農業に賭ける意気込みは本物で、最近は辺境に豊穣を生まんと活動してます。最近は、その為に領内を駆けまわっており、セストやバルバラに各村の様子を伝える役目も負っているようです。

過去の郷祭の様子

郷祭の開催は、王国暦1014年から。
これまでに開催された郷祭については、こちらになります。

王国暦1014年秋の村長祭と収穫祭。品種改良によって生まれた食糧、おにぎり草「まめし」が誕生した。(2014年10月?12月4日)
王国暦1015年春の開催は、聖地奪還での鎮魂の儀式を執り行う『夜煌』と併せての共同開催となった。(2015年5月29日?7月14日)
王国暦1015年秋の開催。情勢が危ぶまれる中での開催となったが、結果として盛況に終わった。(2015年10月20日?12月7日)
王国暦1016年春。サルヴァトーレ・ロッソからの移住者も加わり、「蚤の市」というフリーマーケットが初開催。(2016年5月2日?5月27日)
王国暦1016年秋、諸事情を孕んでの開催だったが、沢山の料理や歌や踊りが披露され、大好評で幕を閉じた。(2016年10月20日?11月17日)
王国暦1017年春は、フマーレ特産品の見本市など新商品の販売や催し物で、これまで以上に賑やかな祭りだった。(2017年5月22日?7月4日)
王国暦1017年秋は【陶曲】が絡み、春に続いて新たな問題や危機が生じたが、笑顔が溢れかえる祭りとなった。(2017年10月25日?11月17日)
王国暦1018年春には祭に参加したがる歪虚の出現等あったが、一般向け対歪虚講習も行われ、盛況に終わった。(2018年5月30日?7月7日)
王国暦1018年秋の開催。ジェオルジ各地の精霊やアメンスィを祀る祭壇の設置も行われた。(2018年10月19日?12月6日)

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