ゲスト
（ka0000）
ライブラリ
ここはライブラリ。キノコが集めてきた皆の姿や声、
音楽なんかを見たり聞いたりできるよ。
新しい姿を頼んだりもできるから、試してみてね！
竹村 早苗（kz0014）
※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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世界の扉が開く時
世界は、広い。
それはこのクリムゾンウェストにおいても当てはまる。
大精霊が姿を見せた今でも、まだまだ知らない事は無数にある。
――知の探求。
知りたいという欲望を抑える事は難しい。
特に、ハンターなる存在はそれが顕著だ。
情報があれば赴き、真実を明らかにする。
それがたとえ――禁断の扉だったとしても。
「……ここ……だよね？」
夢路 まよい(ka1328)が潜った転移門。
それは普通の転移門とは異なり、辺境の古代遺跡に眠っていた代物だ。
その先にある物が対歪虚に役立つなら、それも良し。
しかし、一番求めているのは――『ワクワク』だ。
心が躍る程の冒険。それを何よりも期待している。
「何もない？」
キョロキョロと見回すまよい。
入ってきた転移門は既に出力が落ちて使えない。
視界に入るのは遺跡の天井に空いた穴から漏れる光。
周辺は壁で覆われている事から、何処かの洞窟の一部と考えられる。
「出口を探さないと……」
この時点でまよいは諦めていた。
期待して入った転移門の先は、崩落寸前の洞窟。
落胆しながら歩き始める――が、ここでまよいの耳に声が届く。
「来たか」
「ふぁ！？」
突然の声に警戒を示すまよい。
罠？ 否、その気配はなかった。
負のマテリアルを感知していれば、ここまで悠長にしていない。
ならば、その声の主は――何か。
「ここだ」
「犬？」
まよいの前にあった岩に、一匹の犬が飛び乗った。
老犬。外見こそ皺の多く、耳も垂れ下がったバセットハウンド。
しかし、まよいには分かる。風格が普通の犬とはまったく違う。
「私はラファエル」
「私は夢路まよい。喋れるって事は、ラファエルは大幻獣なの？」
まよいの知識ではクリムゾンウェストにおいて喋れる犬は幻獣の中でも上位の存在として認識されている。
だが――。
「違う。私はこの地へ到着した者を導く為に作られた疑似生命体……フェイクスピリチュアルだ」
「フェイク……？」
まよいは脳裏の記憶を引き出してみたが、その単語に記憶はまったくない。
完全に新しい言葉だ。
「何それ？」
「知らぬのも無理はない。私はこの世界で生まれたのではない」
「じゃあどこ？ エバーグリーン？」
「ここではない別の世界。私はそこで生まれた。世界を救う勇者を連れ帰る為に」
まよいにとってあまりにも急過ぎる話だ。
ここではない世界？
世界を救う勇者を連れ帰る？
「私の生まれた世界では、高度な文明を築いていた。だが、いずこから現れた寄生種（パラサイト）が侵攻。昨日まで友人だったものが、寄生種に侵されて人々を襲う。
我が世界は、誰が敵で誰が味方かも区別もつかぬ地獄と化した」
「待って待って。その世界を救うのが私なの？」
「そうだ。寄生種に侵された我が世界を救うための手段。それは、寄生種に負けぬ勇者を探し出す事。しかし、既に我が世界の勇者は既に寄生されたか、死に絶えた……。
そこで私の創造主は世界を越える事を考えた。別の世界から勇者を召喚する。
その路先案内人として私を産みだしたのだ」
どうやらラファエルは偽りを述べているのでも、夢を語っている訳でもない。
本当に自分の世界を救う為に助けを求めてここまで来たのだ。
「長かった……。もう幾年月待ち続けたか」
「ここに辿り着いただけで、どうして勇者なの？」
「お前が入った門は弱者では通り抜けられぬ。寄生種が寄生できぬ程の強さを持った者でなければ門を見つける事さえできないのだ。我が世界の科学技術の粋を集めて構築した門だ。
では、早速我が世界へ……」
「ちょっと待ってよ！ クリムゾンウェストも歪虚に侵攻されて危機なんだってば！」
「なんと！？」
ラファエルは白い眉を持ち上げて驚嘆した。
この洞窟にずっと籠もっていた為か、クリムゾンウェストの危機についても知らない様子だ。
ラファエルの世界も大変かもしれないが、この世界も十分過ぎる程大変なのだ。
まよいは、懇切丁寧に状況を説明する。
「……という訳だから、簡単にそっちの世界にはいけないの」
「むむぅ。これは困った。我が世界はそれ程長く持ちこたえられぬ」
「ラファエルを作った人にもう少し頑張るようお願いしてくれない？
もし、この世界を救ったらそっちの世界も助けに行くから。みんなでね」
「み、皆とは？」
驚きながら問いかけるラファエル。
きっと長い年月をここで過ごしてきたのだろう。そんな中で久しぶりの会話相手となったまよい。
世界の危機と聞いては放っておけない。
だから、クリムゾンウェストを救ったら必ずここへ戻って来よう。
それに楽しい事はみんなで味わいたい。
世界があるなら冒険は終わらない。
一緒に行こう。
新たなる『ワクワク』に胸を躍らせながら――。
「私のハンターの友達。きっと、平和な世界は退屈で飽きちゃう人達だから。
いいよね？ 世界を救う勇者が何百人もいたって」
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka1328／夢路 まよい／女性／15歳／魔術師】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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近藤豊でございます。
この度はおまかせノベルの発注をありがとうございます。
既にハンターの皆様が世界のすべてを探検し尽くした、と思っているのであれば、それは違う！ と言ってみたいが為に書いてみました。
クリムゾンウェストやリアルブルーがあるなら、もっと別の世界へ行く事も可能では？ と考えた次第です。このノベルの続きは……この企画が開催されてご縁がございましたら筆を執らせていただければと思います。
それではまたの依頼をお待ちしております。
