ライブラリ

竹村早苗

ここはライブラリ。キノコが集めてきた皆の姿や声、
音楽なんかを見たり聞いたりできるよ。
新しい姿を頼んだりもできるから、試してみてね!

竹村 早苗(kz0014

  • 概要付き
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※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
古代の呼び声

 雨を告げる鳥(ka6258)にとって辺境に眠る古代文明は、重要な研究対象であった。
 古代に興り、そして何らかの理由で滅んだ文明。
 高度な技術を有していたにも関わらず、何故に滅んだのか。

 雨を告げる鳥が研究を続ける中で明らかになってきた『終末』の存在。
 研究を続けているが、未だその答えは見えてこない。
 ――だが。
 その答えの一端を、握る術はある。

「……で、今日はボクの所を訪ねたって訳か」
 イクタサ(kz0246)は、枯れ木を焚き火の中へと放り込んだ。
 焚き火から放たれた熱が、雨を告げる鳥の顔を照らす。
 四大精霊の一人であるイクタサならば、古代文明について何か重要な手かがりを握っているのではないか。そう考えたのだ。
「私は謝罪する。突然の訪問を」
「いや、構わないよ。どうせ今日は暇をしてたからね。
 古代の文明について、だっけ?」
「私は願う。古代文明の滅亡について聞かせて欲しい」
「分かっていると思うけど……いいの? ボクに聞いて」
 イクタサは雨を告げる鳥の顔をじっと見据えた。
 射貫くような瞳を前に雨を告げる鳥の顔色は変わらない。
「私は問う。何故、そのような事を聞かれるのか」
「キミはキミ自身の力で古代について調べた方がいいんじゃないかな。ボクに答えを聞くのは反則じゃない?」
「…………」
「確かにボクはキミが言っていた古代の文明について知っていると思う。彼らはどのようにして生まれ、そして消えていったのか。
 それを教えてあげるのは簡単だよ。でも、キミはそれで満足するの?」
 明確な資料を積み上げ、推論を立て証明する。
 それが在るべき姿だと雨を告げる鳥も理解している。
 ――しかし。
 既にゆっくりと調べている時間がないのだ。
「私は答える。すべてを話して欲しい訳ではない。それは古代文明を研究する者にとって禁じ手と考えるから。されど、連合軍に残された時間は残り少ない」
 残された時間が少ない事は明白だ。
 ある歪虚が告げた『終末』の存在だ。
 その歪虚は古代文明が滅んだ理由は終末と呼ばれる事象であり、その引き金は既に引かれている。
 言い換えれば終末の到来は確定の予言であり、その到来は辺境の危機となる。
「私は考える。終末が到来する前に、可能な限り古代文明に関する情報を集める必要がある。終末を前に彼らは何を考え、何を為そうとしていたのか。それを知る事が、終末を止める手段になると」
「人の未来を守る為ならば、禁じ手も使おうって事か。形振り構わないって様子だね」
「私は危惧する。終末はいつ到来するか分からない。明日なのか……明後日なのか」
「そう。キミ達ハンターは『アレ』の引き金を引かされた。おそらく、本当の脅威がこの地へ確実に訪れるように。
 うん、覚悟は理解したよ。その気持ちに応える意味でボクはキミにヒントを与える。キミもストレートに答えを聞きたくないだろうし……それでいいよね?」
 イクタサは雨を告げる鳥が辺境の明日を考えて相談に訪れた事に気付いた。
 だからこそ、折衷案である終末へのヒントを与える事を決めたのだ。
 イクタサの言葉に雨を告げる鳥は大きく頷いた。
「分かった。
 じゃあ、考えてごらん。この地に脅威が迫っていると分かった時、人は何をしようとする?」
「私は答える。その脅威に抗おうとする」
「そう。キミらだって今も脅威に備えようとしている。それは古代の人々も同じだ。彼らは脅威を前に調べ、考え、準備していたんじゃないか。そう考えられるよね?」
「!」
「その結果がどうだったか。準備していた物を使っても失敗したのか。もしくはそれを使う前に滅んだのか」
「私は述べる。おそらく後者だと考える。確証は無いが、チュプ大神殿に終末を伝えようとした壁画があった。古代文明の人々は何かを後世へ伝えようとしている」
「かもしれないね。じゃあ、そういう痕跡を中心に調べていけば何か分かるんじゃないかな?」
 誘導するように雨を告げる鳥へ問いかけ続けるイクタサ。
「私は発言する。これはヒントと呼ぶにはあまりにも度が過ぎると」
「ヒントだよ。ボクは一度も答えを言ってないでしょ? 答えを出しているのはキミ自身だ」
「……私は感謝する。その気遣いに」
 雨を告げる鳥は、謝意を述べた。
 自分が為すべき方向性が見つかった気がしたからだ。
 もし、今も何処かに対抗策が残されているのであれば、探し出せばいい。幸いハンターの仲間も大勢いる。辺境中の遺跡を捜索して痕跡でも発見できれば、終末を回避できる可能性がある。
「あ、勘違いしないでね。ボクはキミに問いかけただけ。本当に辺境を救うのはキミ達だ」
 イクタサは雨を告げる鳥から視線を外し、焚き火へ向けた。
 一人焚き火の前で座るイクタサに雨を告げる鳥は頭を下げて立ち去った。

 やるべき事は山程ある。
 限られた時間で何処までできるのか。
 それは雨を告げる鳥とハンター達にかかっている。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6258/雨を告げる鳥/女性/14歳/魔術師】
【kz0246/イクタサ/男性/17歳/精霊】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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近藤豊でございます。
この度はおまかせノベルの発注をありがとうございます。
メインストーリーでも登場する終末を主軸にストーリーを作成してみました。物事を調べるとは積み重ねであり、時間のかかるものです。今回は辺境の危機が迫る中なのでこのような手法をとったとしています。
この後、どのような結末を迎えるのか。機会があればまたの続きを描かせていただければ幸いです。
発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
雨を告げる鳥
(ka6258)
副発注者(最大10名)
クリエイター:近藤豊
商品:おまかせノベル

納品日:2018/10/23 11:37:57