ゲスト
(ka0000)
はなはなび
マスター:愁水
このシナリオは5日間納期が延長されています。
オープニング
●
石段を上ると、其処は――……
**
「縁日?」
投げ渡されたタオルで額に浮いた汗を拭いながら、天鵞絨サーカス団の団長である白亜(kz0237)は、「リハーサルお疲れさん」と、労いの声を掛けてきた彼――旧友のシュヴァルツに視線をやった。任務の帰りに立ち寄ったのだろうか。軍衣に付いた黄塵が、白亜に懐旧の念を起こす。
「おう。地域の活性化っつーんで、何かと気張ってる村があんだけどよ。今年の夏は積極的に人を呼び込みてぇんだと。で、縁日を開催するっつーんだが――」
「人手が足りないのか」
「おっしゃるとおりでごぜーます。てなワケで、お前さんらの出番よ」
「……おい」
「いやマジ、頼むわ。オレやルカは勿論、部隊からも何人かは駆り出されるんだが、それでもちょい人手不足なんよ。警備はオレらが担当すっから、お前さんらには露店の手伝いにまわってほしいんだわ」
「たかが三人で足りるのか?」
「そこら辺は、ほらよ。お前の人脈で」
「……」
「白亜、頼むぜ。ある程度踏ん張ってくれたら後はフリーでいいからよ」
懇請する声音とは裏腹に、丸椅子にどっかりと腰を下ろしているシュヴァルツの表情は軽い。「(全く……変わらんな)」と、白亜は苦い吐息を零す。
「何時だ?」
「来週の今日。公演はねぇだろ?」
此方の予定は既に確認済みらしい。
白亜は呆れたように眉を下げながら、顎を引いて承諾した。
「おっ、あんがとさん。詳しいことぁまた後日知らせるわ」
「ああ」
「じゃ、またな。――っと、そういやよ」
「何だ?」
「縁日やる通りの端に石段があるんだけどよ、上るとまあ、廃れた祠があるんだわ」
「祠?」
「おう。まあそれぁどーでもいいんだが、祠の両脇に細い道があってよ。一つは早咲きの彼岸花が見れんだわ」
「ほう、珍しいな」
「もースゲェぜ。一面の赤でよ、アレを名物にすりゃぁえぇのにって思うわ。で、もう一つの道の先が――あー……なんつったっけか。ブ……ブ、ブッタなんとかっつー」
「何だそれは。花か?」
「おう。聞いたところじゃ、蝶が集まる花、って言われてるんだとよ」
「蝶……? ……ああ、房藤空木のことか」
「あ? ふさ?」
「ブッドレアだろう。お前が言おうとしていた花の名は」
「おお、ソレよソレ。よぉ知ってんなぁ。その花が咲いてんだと。まあ、彼岸花ほどスゴくはねぇみてぇだけどな。道もこっちの方が荒れてるみてぇだから、手伝い終わった後に見に行くんなら気ぃつけろよ。明かりなんて月ぐれぇなもんだかんな」
**
二つの道。
二つの花。
夏を彩る、終わりの花。
石段を上ると、其処は――……
**
「縁日?」
投げ渡されたタオルで額に浮いた汗を拭いながら、天鵞絨サーカス団の団長である白亜(kz0237)は、「リハーサルお疲れさん」と、労いの声を掛けてきた彼――旧友のシュヴァルツに視線をやった。任務の帰りに立ち寄ったのだろうか。軍衣に付いた黄塵が、白亜に懐旧の念を起こす。
「おう。地域の活性化っつーんで、何かと気張ってる村があんだけどよ。今年の夏は積極的に人を呼び込みてぇんだと。で、縁日を開催するっつーんだが――」
「人手が足りないのか」
「おっしゃるとおりでごぜーます。てなワケで、お前さんらの出番よ」
「……おい」
「いやマジ、頼むわ。オレやルカは勿論、部隊からも何人かは駆り出されるんだが、それでもちょい人手不足なんよ。警備はオレらが担当すっから、お前さんらには露店の手伝いにまわってほしいんだわ」
「たかが三人で足りるのか?」
「そこら辺は、ほらよ。お前の人脈で」
「……」
「白亜、頼むぜ。ある程度踏ん張ってくれたら後はフリーでいいからよ」
懇請する声音とは裏腹に、丸椅子にどっかりと腰を下ろしているシュヴァルツの表情は軽い。「(全く……変わらんな)」と、白亜は苦い吐息を零す。
「何時だ?」
「来週の今日。公演はねぇだろ?」
此方の予定は既に確認済みらしい。
白亜は呆れたように眉を下げながら、顎を引いて承諾した。
「おっ、あんがとさん。詳しいことぁまた後日知らせるわ」
「ああ」
「じゃ、またな。――っと、そういやよ」
「何だ?」
「縁日やる通りの端に石段があるんだけどよ、上るとまあ、廃れた祠があるんだわ」
「祠?」
「おう。まあそれぁどーでもいいんだが、祠の両脇に細い道があってよ。一つは早咲きの彼岸花が見れんだわ」
「ほう、珍しいな」
「もースゲェぜ。一面の赤でよ、アレを名物にすりゃぁえぇのにって思うわ。で、もう一つの道の先が――あー……なんつったっけか。ブ……ブ、ブッタなんとかっつー」
「何だそれは。花か?」
「おう。聞いたところじゃ、蝶が集まる花、って言われてるんだとよ」
「蝶……? ……ああ、房藤空木のことか」
「あ? ふさ?」
「ブッドレアだろう。お前が言おうとしていた花の名は」
「おお、ソレよソレ。よぉ知ってんなぁ。その花が咲いてんだと。まあ、彼岸花ほどスゴくはねぇみてぇだけどな。道もこっちの方が荒れてるみてぇだから、手伝い終わった後に見に行くんなら気ぃつけろよ。明かりなんて月ぐれぇなもんだかんな」
**
二つの道。
二つの花。
夏を彩る、終わりの花。
リプレイ本文
●
夏の“忘れ物”が、無いように。
●
とろわぷてぃっとぷらんせすくれーぷ。
鉄板はふたつ。並ぶはふたり。
ひとつは蕩けるくらい甘い生地を。
ひとつは食事代わりにもなる蕎麦生地を。
クレープ作りに勤しむのは、白藤(ka3768)と灯(ka7179)だ。
「(サーカスに、縁日……白亜さんや黒亜さん、紅亜さんの周りは楽しい事ばかりね。大事な友達が、笑顔になれる――そんなお手伝いをできたらいいのだけれど)」
優しさに膜を張ったようなアジュール色の瞳が、慈しみに染む。
「さあ、お食事クレープは卵を入れて、目玉焼きクレープを作りましょう」
灯は両手に取った卵同士をぶつけ、ヒビの入った方を、ぱかり、と、割る。
現れた黄身は、“朝”の色。
「子供が喜ぶ”元気”の味と、母がこれだけはよく作ってくれました。卵って、食べると元気になる気がしませんか?」
「ふふ、せやなぁ♪ さぁて、うちは陸所望のチョコバナナと、アボカドサーモンやツナサラダでも作っとこか。甘いんも嫌いやないけど胃もたれしそうやし」
食べる気まんまん。
「(そういや……レナードも白亜も、売りもんちゃうからお持ち帰りできひんってちゃんと客に言えとるやろか。……なんや心配なんよなぁ)」
手は作業をしつつ、心の三分の二は此処に、残りの三分の一は天然男子達の心配へ注がれているようだ。乍らも、何時の間にかソフトクリームホルダーに挿し並んでいくクレープの列。
「ふー。――っと、灯、火傷せんようにな。あ、その目玉焼き、うちに味見させてくれへん?」
「ふふ。ええ、どうぞ」
調理担当が「あーん」タイム。しかし、手許のトンボは常にくるくると。三紅の浴衣華――ミア(ka7035)の呼び込みのおかげだろうか、客足がどんどんと伸びてくる。
色彩豊かな露店に咲く、モノクロの青向日葵。楚々としたその色とミアの魅力は、客の目を十二分に引いていた。黒の兵児帯には、縮緬細工の帯飾り。青薔薇モチーフのぶら下がりには、ちりん――彼女の音が響く。艶やかな髪は緩く結い上げ、鬼灯の簪で後差し。そして、勿論――
「ニャはは♪ ちびっ子どもやめろニャス、くすぐったいニャスよ♪」
三毛猫の尻尾も。
「いらっしゃいませニャスー! 目ん玉歯ん玉クレープいかがニャスかー!」
Σいまなんと!!?
誰もが振り返るミアマジック。
目ん玉の目玉焼きを考案したのが灯なら、歯ん玉を考案したのはミアだ。若干クリーチャーなネーミングセンスではあるが、歯ん玉クレープの見た目は至って普通。の、ハズ。苺アイスとチョコレートビスケットで兎の顔を模したアイスクレープだ。尚、兎の歯は剥き出しの胡桃である。
「うまっ、うまっ、うまあああぁぁっ……!」
実演クレープむしゃむっしゃー。ミアの顔が、ぱあぁ、と花開く。
「灯ちゃん、美味しい! 美味しいニャスよ! もう一個!」
実演が本気になりました。
演技ではないミアのまいうー顔に食指を動かされた客が集まってくる。
「おお、繁盛繁盛ニャスなぁ♪ ――って、わわっ、押さないでくれニャスよー!」
販売係も担い、てんてこ舞いなミアであった。
天然男子カステラーズ。
「皆で一緒にお祭りやなんて久しぶりで、嬉しいわぁ。ハロウィンやクリスマスの時とは違う雰囲気で、とってもわくわくするやんね! 楽しい時間の思い出として残す為に、お手伝い……精一杯頑張るでー!」
彼――レナード=クーク(ka6613)は、意気込みながらベビーカステラの露店へ飛び込んだ。
「焼きたてで甘いカステラ、是非食べたってねーっ!」
通りに呼びかけながら、ベビーカステラのトッピングに精を出す。
ふんわりと鼻先を擽る甘い卵の香りに、ふわふわの生クリームを飾り付け、チョコレートと苺のソースで彩る。勿論、トッピング無しの物も用意した。
白亜(kz0237)は黙々と、黙々と、黙々とベビーカステラの調理に励んでいた。――それもそのハズ。触らぬ肉食女子系になんとやら、だ。
「(ハクアさんを守れる様に、僕がしっかりせぇへんと……!)」
女性の誘いに、レナードは丁重な断りを入れていく。しかし、“美味しそうな”獲物を二人も前にして食い下がらない女子(肉)はいない。
そんな女性客は後を絶たなかったが、当然、売れ行きは伸びに伸びたのであった。
暫くして。
「あー、レナードちゃん、いいもん食べてるニャスなぁ♪」
客足が落ち着いたのか、猫娘がやってきた。
「ふふふー、ハクアさんが出来立ての食べさせてくれたやんねー!」
「お、いいニャぁ」
「ん? おや、ミアか。ほう……見違えたぞ。ミアは浴衣美人だな」
「ニャふふ、普段との差にときめいたニャス? ニャらミアにも、あーん、ニャス♪」
白亜は唇を綻ばせながら、串に刺したベビーカステラをミアの口へ投げ入れた。
ぽぽぽぽぽ。
幾つものベビーカステラが曲線を描き、ミアの口へ収まっていく。なにこの芸。
「ほあ、二人とも息が合っとるなぁ……、……はっ!? 何時の間にかお店の見世もんになっとるやんねー!?」
猫娘は招き猫だったようだ。
えーと……漢カチワリやってマス。
「――おいっ! 俺にだけその雑さ加減はどーいうこっちゃい!」
天の声にツッコミを済ませると、浅生 陸(ka7041)が悪い顔でにんまりと仕切り直す。
「勇気がある奴は申し出な、俺が選んでやる!」
陸が販売をする“カチワリ”とは、巾着状のビニール袋に氷を詰め、ストローを挿した飲み物である。
味の種類は、透明氷にフレーバーで味を付けたものから、果汁ジュース氷、カクテル氷など、様々な味を用意した。中には――
「おう、そこの軍人2人。警備は喉が渇くだろ、なんか飲んできな」
陸は通り掛かった彼等――桜久世 琉架(kz0265)に激辛キムチ味、シュヴァルツ(kz0266)には激甘餡子味のカチワリを手渡す。
「おや、気が利くね。ありがとう。……ん、なかなか美味しいじゃないか。俺が甘いの苦手なこと、よく知っていたね」
「うお、オレの方めちゃ甘。ヤベぇ、体脂肪燃やさねぇと」
なんだろう なにかがげせない このきもち by 陸
「――あ、そういやあんた達、この先の通り行くんだろ? なら、あいつらに差し入れ持って行ってやってくんねぇかな?」
「おう、構わねぇぜ」
「サンキュ。白藤と白亜には揃いでスクリュードライバー氷を頼む。甘めにしておいた、って言っといてくれ。んで、後は――」
レナードと黒亜(kz0238)にはカイピロスカ氷、ミアと灯にはエバグリーン氷。そして、紅亜(kz0239)にはアルコールを抜いた甘いピーチ氷を。
大切な彼等に、隠れた言葉を注いで。
「あらあらお兄さん、ミアは商品ちゃうんやけどぉ?」
売り子であるミアの肩に軟派な男が手を置くと、姉猫の白藤が笑顔でニコリとスマイルふふふ。「代わりにこれ、どーや?」と、ミアクレープ(アイスに猫耳を模した円錐形のスナック菓子を二つ刺し、チョコペンでミアの顔を描いたもの)を手土産にさせ、はいサヨナラ。
白藤が軟派をされれば妹猫のミアが「きゅーってするのと、ごりゅわッとするの、どっちがいいニャス?」と、雑巾絞りのジェスチャーでニャはははは。息ぴったり。
――そして次第に、杏色に靄る提灯の灯りが、晩夏の夜に咲く濃し朱となる。
●
「琉架さん、シュヴァルツさん。警備、お疲れ様でした」
担当した露店を引き継ぎの者に任せ、人の波に泳いでいった姉妹猫を見送った灯は、勤務を終えた琉架達に労いの言葉を掛けていた。
「白亜さんのお知り合い、でしたね。甘いものはお好きでしょうか?」
「おっ、生クリームとチョコマシマシ。美味そうだな」
「ふふ、苺もたっぷり入っていますよ。どうぞ、召し上がって下さい」
「俺の分は灯ちゃんが食べるといい。君、摘まみ食いもせず手伝いに励んでいたようだからね」
「え……?」
自分でも今気がついたことに、灯は僅かに面食らう。
「そう言えば、灯ちゃんは見に行くのかい? 祠の先の花」
「はい。彼岸花を見てみたいのですが、お疲れでなければご一緒しませんか?」
「俺達と?」
「ええ。綺麗なものは、ひとりよりも誰かと見た方がいいですから」
「……へえ」
「? どうかされましたか?」
「いや、構わないよ。行こうか」
琉架は人の良い微笑みを浮かべていた。
「りーく、おいしそーなんとっといてくれた?」
店番の交代を済ませた陸が露店の裏から出て来た瞬間、白藤が狙っていたかのように声を掛けてきた。
「何だ、白藤。アレじゃ甘さが足りなかったか?」
陸がニヤリと笑む。白藤は「うっさいわ」と、唇を尖らせながら、袋に入れた力作のミアクレープを二つ手渡した。勿論、チョコバナナも忘れずに。
「どーせ、紅亜誘いに行くんやろ? 二人で食べてな♪ ――さぁて、うちもデートやデート♪」
白藤は語尾を弾ませながら、ウインクを残してその場を後にした。
「(白亜とレナードと黒亜の美形三人つれてとか、うち刺されそうで怖いわぁ)」
だからと言って、其処らの女性に譲る気はないのだが。
「皆が作った物……どれも美味しくてほっぺたが落っこちてしまいそうやわぁ。ふふ、白藤さんとクロア君はありがとうやんね」
レナードはにこにこせずにはいられない嬉しさで、二人からのお裾分けである目ん玉クレープとたこ焼きを交互に頬張っていた。
「別に……後で食べられなかったとか騒がれても面倒だし」
「!? ぼ、僕そんなに食い意地張ってないで……!?」
「どの口が言うの? じゃあ、ブッドレア見に行くなら三人で行ってね。……口拭いた後に」
そう言うと、黒亜は黒地の袂から懐紙を抜き、レナードへ寄越した。
白亜の下駄の歩みに、石段が鳴く。
廃れた祠に白藤が一礼をし、灯火のない竹藪の右道を進む。
不安定な足場を、ゆるり、ゆるり。踏み締め、先へ。そして――……
「ああ……懐かしい香りと、光景や」
花は藤を彷彿とさせ、葉は対生して空木のようであることからその名が付けられた、房藤空木。別名、バタフライブッシュ。花の香りで蝶が集まるその様は、蝶が起こす奇蹟の舞。
紫に誘われる蝶を眺めながら、白藤は感嘆の声を漏らした。
生家にあった温室の香りと光景は、どれ程時が流れようとも、心が惹かれて離れない――。
白藤は、ふと、隣で佇む彼に視線をやる。彼は穏やかな目笑で景色を眺めていた。
「(やっぱり『彼』と似とっても……兄さんとは、似てへんな)」
記憶の“兄”とは重ならない。白藤は小さく安堵の溜息をついた。
「白亜、皆おるとこ……帰ろっか♪」
白亜は一瞬、思案するような面差しを浮かべたが、「ああ」と、徐に顎を引いたのであった。
「(この景色をまた、見る事が出来ます様に)」
胸の奥で密やかに祈ったレナードが、水で紡いだ銀色の髪を靡かせながら踵を返した。
竹藪の左道。
辿り着いたその先には、美しく無心に咲く、彼岸花の海。
「彼岸花はリアルブルーにも在りました。世界が違っても、繋がるものはあるのですね」
灯が感慨深い声音と眼差しを朱の花に注ぐ。すると――
「人も、花も、何時の世も、何も変わらないまま繋がっているのかもね」
唇の端に“微笑”を浮かべたまま、琉架が呟いた。
来た道を戻っている最中、灯はミアと擦れ違う。黒亜と共に彼岸花を見に行く彼女は、何時もの笑顔で別れを告げた。その笑顔は、何処か――
「(……優しいミアさんが、優しく笑えますように)」
**
早咲きの風物詩。
妖艶さと神秘性が相俟ったその花は、まるで、ミア達を隠世に誘っているようであった。
「……彼岸花は、ミアの故郷の花なんニャス」
郷里の赫に目を据えたまま、ミアがその場に屈む。
「クロちゃんは、忘れられない人っているニャス?」
揺れる、“鬼首”の花。
「いない」
翳んでいく、青向日葵。
「そっかぁ。ミアは……思い出した人なら、いるニャス」
瞼の裏には、穏やかな微笑み。
光を織り込んだような水浅葱色の髪。
鏡のように“妹”を映す尖晶石の瞳。
追憶薫る、紫丁香花――
貴方の、背中。
「あ、白花ニャス」
「……は? ああ……まあ、珍しいね」
「白い彼岸花の花言葉って知ってるニャス? “また会う日を楽しみに”、なんニャスって。ミア……いつか、会えるかニャぁ」
糸のように細く引いた侘しさを堪えるように、ミアは独り言ちた。
「会えるでしょ」
死人花に手招きされる猫の尻尾を、黒猫の鳴き声が引き留める。
「思い出したんなら、もう、三毛はいつでも会えるでしょ」
その言はまるで、澄んだ鈴の音のようであった。
**
縁日が終わる。
灯りが沈む。
息づく音は、二人だけ――。
月が赫の色を映し、現世とは思えない絢爛さで底光りをしていた。
「誕生日だったろう、おめでとう」
陸が懐から大切そうに取り出したのは、一本挿しの簪。
紅い珊瑚で彫られた金魚が二匹。そして、金魚を結ぶ組紐には、紅水晶と黒曜石が控えめな色を放つ。
「挿してやるよ。おいで」
陸の言葉に傍らへ寄った紅亜が、嫋やかに後ろを向いた。後れ毛を残した白い項に、陸はどきりとする。
「今の姿に似合うと思った。綺麗だ、紅亜」
「そう……? ありがとー……」
――初めから、気に入っていた。
何時でも真っ直ぐに”ほんとう”を見ようとする、その瞳が。
「……」
「……? 陸……どうかした……?」
「え? いや……ああ、そうだ。土産のたこ焼き、ありがとうな」
「ん……姪っ子さんと……家族と、食べて……」
――家族。
「……紅亜」
「んー……?」
「傷つけたらすまない。けど、知りたいんだ。俺はお前が知りたい」
“愛することを怖がっていたら、何も得られない”――あの言葉に、目が覚めたような気がしたから。
夜風が陸の浴衣の袂を揺らした。墨の流水紋を泳ぐ赤い金魚が、陸の心に呼応するかのように揺蕩う。
「紅亜が前に護りたいって言っていた、リュネって、家族なのか? それとも……」
そこで陸は言葉を切った。
だが、怖めず臆せず、紅亜が応える。
「んん……リュネおにいちゃんは……ハクの親友……。昔はよく遊びに来てくれて……一緒にお買い物したり……みんなでご飯食べたり……した……」
「……そうか」
「でも……ハクが大怪我した任務で……いなく、なっちゃった……」
「……」
「あれからハクも……リュネおにいちゃんのこと……話さなくなった……。聞くと……痛そうな顔、するの……」
不意に、紅亜の双眸が幻の跡を追うかのように月を見上げる。
「私は……今も、大好き……だけど……リュネおにいちゃんは……私のこと、愛してなかったのかな……」
そして、瞬いた睫毛が、ふっ、と、目の前の“三日月”を見た。
「陸は……誰かを愛したこと、ある……?」
真っ直ぐな、その瞳で。
**
晩夏の香が濃い。
まるで、忘れてはいけない“何か”を、印象づけるかのように。
夏の“忘れ物”が、無いように。
●
とろわぷてぃっとぷらんせすくれーぷ。
鉄板はふたつ。並ぶはふたり。
ひとつは蕩けるくらい甘い生地を。
ひとつは食事代わりにもなる蕎麦生地を。
クレープ作りに勤しむのは、白藤(ka3768)と灯(ka7179)だ。
「(サーカスに、縁日……白亜さんや黒亜さん、紅亜さんの周りは楽しい事ばかりね。大事な友達が、笑顔になれる――そんなお手伝いをできたらいいのだけれど)」
優しさに膜を張ったようなアジュール色の瞳が、慈しみに染む。
「さあ、お食事クレープは卵を入れて、目玉焼きクレープを作りましょう」
灯は両手に取った卵同士をぶつけ、ヒビの入った方を、ぱかり、と、割る。
現れた黄身は、“朝”の色。
「子供が喜ぶ”元気”の味と、母がこれだけはよく作ってくれました。卵って、食べると元気になる気がしませんか?」
「ふふ、せやなぁ♪ さぁて、うちは陸所望のチョコバナナと、アボカドサーモンやツナサラダでも作っとこか。甘いんも嫌いやないけど胃もたれしそうやし」
食べる気まんまん。
「(そういや……レナードも白亜も、売りもんちゃうからお持ち帰りできひんってちゃんと客に言えとるやろか。……なんや心配なんよなぁ)」
手は作業をしつつ、心の三分の二は此処に、残りの三分の一は天然男子達の心配へ注がれているようだ。乍らも、何時の間にかソフトクリームホルダーに挿し並んでいくクレープの列。
「ふー。――っと、灯、火傷せんようにな。あ、その目玉焼き、うちに味見させてくれへん?」
「ふふ。ええ、どうぞ」
調理担当が「あーん」タイム。しかし、手許のトンボは常にくるくると。三紅の浴衣華――ミア(ka7035)の呼び込みのおかげだろうか、客足がどんどんと伸びてくる。
色彩豊かな露店に咲く、モノクロの青向日葵。楚々としたその色とミアの魅力は、客の目を十二分に引いていた。黒の兵児帯には、縮緬細工の帯飾り。青薔薇モチーフのぶら下がりには、ちりん――彼女の音が響く。艶やかな髪は緩く結い上げ、鬼灯の簪で後差し。そして、勿論――
「ニャはは♪ ちびっ子どもやめろニャス、くすぐったいニャスよ♪」
三毛猫の尻尾も。
「いらっしゃいませニャスー! 目ん玉歯ん玉クレープいかがニャスかー!」
Σいまなんと!!?
誰もが振り返るミアマジック。
目ん玉の目玉焼きを考案したのが灯なら、歯ん玉を考案したのはミアだ。若干クリーチャーなネーミングセンスではあるが、歯ん玉クレープの見た目は至って普通。の、ハズ。苺アイスとチョコレートビスケットで兎の顔を模したアイスクレープだ。尚、兎の歯は剥き出しの胡桃である。
「うまっ、うまっ、うまあああぁぁっ……!」
実演クレープむしゃむっしゃー。ミアの顔が、ぱあぁ、と花開く。
「灯ちゃん、美味しい! 美味しいニャスよ! もう一個!」
実演が本気になりました。
演技ではないミアのまいうー顔に食指を動かされた客が集まってくる。
「おお、繁盛繁盛ニャスなぁ♪ ――って、わわっ、押さないでくれニャスよー!」
販売係も担い、てんてこ舞いなミアであった。
天然男子カステラーズ。
「皆で一緒にお祭りやなんて久しぶりで、嬉しいわぁ。ハロウィンやクリスマスの時とは違う雰囲気で、とってもわくわくするやんね! 楽しい時間の思い出として残す為に、お手伝い……精一杯頑張るでー!」
彼――レナード=クーク(ka6613)は、意気込みながらベビーカステラの露店へ飛び込んだ。
「焼きたてで甘いカステラ、是非食べたってねーっ!」
通りに呼びかけながら、ベビーカステラのトッピングに精を出す。
ふんわりと鼻先を擽る甘い卵の香りに、ふわふわの生クリームを飾り付け、チョコレートと苺のソースで彩る。勿論、トッピング無しの物も用意した。
白亜(kz0237)は黙々と、黙々と、黙々とベビーカステラの調理に励んでいた。――それもそのハズ。触らぬ肉食女子系になんとやら、だ。
「(ハクアさんを守れる様に、僕がしっかりせぇへんと……!)」
女性の誘いに、レナードは丁重な断りを入れていく。しかし、“美味しそうな”獲物を二人も前にして食い下がらない女子(肉)はいない。
そんな女性客は後を絶たなかったが、当然、売れ行きは伸びに伸びたのであった。
暫くして。
「あー、レナードちゃん、いいもん食べてるニャスなぁ♪」
客足が落ち着いたのか、猫娘がやってきた。
「ふふふー、ハクアさんが出来立ての食べさせてくれたやんねー!」
「お、いいニャぁ」
「ん? おや、ミアか。ほう……見違えたぞ。ミアは浴衣美人だな」
「ニャふふ、普段との差にときめいたニャス? ニャらミアにも、あーん、ニャス♪」
白亜は唇を綻ばせながら、串に刺したベビーカステラをミアの口へ投げ入れた。
ぽぽぽぽぽ。
幾つものベビーカステラが曲線を描き、ミアの口へ収まっていく。なにこの芸。
「ほあ、二人とも息が合っとるなぁ……、……はっ!? 何時の間にかお店の見世もんになっとるやんねー!?」
猫娘は招き猫だったようだ。
えーと……漢カチワリやってマス。
「――おいっ! 俺にだけその雑さ加減はどーいうこっちゃい!」
天の声にツッコミを済ませると、浅生 陸(ka7041)が悪い顔でにんまりと仕切り直す。
「勇気がある奴は申し出な、俺が選んでやる!」
陸が販売をする“カチワリ”とは、巾着状のビニール袋に氷を詰め、ストローを挿した飲み物である。
味の種類は、透明氷にフレーバーで味を付けたものから、果汁ジュース氷、カクテル氷など、様々な味を用意した。中には――
「おう、そこの軍人2人。警備は喉が渇くだろ、なんか飲んできな」
陸は通り掛かった彼等――桜久世 琉架(kz0265)に激辛キムチ味、シュヴァルツ(kz0266)には激甘餡子味のカチワリを手渡す。
「おや、気が利くね。ありがとう。……ん、なかなか美味しいじゃないか。俺が甘いの苦手なこと、よく知っていたね」
「うお、オレの方めちゃ甘。ヤベぇ、体脂肪燃やさねぇと」
なんだろう なにかがげせない このきもち by 陸
「――あ、そういやあんた達、この先の通り行くんだろ? なら、あいつらに差し入れ持って行ってやってくんねぇかな?」
「おう、構わねぇぜ」
「サンキュ。白藤と白亜には揃いでスクリュードライバー氷を頼む。甘めにしておいた、って言っといてくれ。んで、後は――」
レナードと黒亜(kz0238)にはカイピロスカ氷、ミアと灯にはエバグリーン氷。そして、紅亜(kz0239)にはアルコールを抜いた甘いピーチ氷を。
大切な彼等に、隠れた言葉を注いで。
「あらあらお兄さん、ミアは商品ちゃうんやけどぉ?」
売り子であるミアの肩に軟派な男が手を置くと、姉猫の白藤が笑顔でニコリとスマイルふふふ。「代わりにこれ、どーや?」と、ミアクレープ(アイスに猫耳を模した円錐形のスナック菓子を二つ刺し、チョコペンでミアの顔を描いたもの)を手土産にさせ、はいサヨナラ。
白藤が軟派をされれば妹猫のミアが「きゅーってするのと、ごりゅわッとするの、どっちがいいニャス?」と、雑巾絞りのジェスチャーでニャはははは。息ぴったり。
――そして次第に、杏色に靄る提灯の灯りが、晩夏の夜に咲く濃し朱となる。
●
「琉架さん、シュヴァルツさん。警備、お疲れ様でした」
担当した露店を引き継ぎの者に任せ、人の波に泳いでいった姉妹猫を見送った灯は、勤務を終えた琉架達に労いの言葉を掛けていた。
「白亜さんのお知り合い、でしたね。甘いものはお好きでしょうか?」
「おっ、生クリームとチョコマシマシ。美味そうだな」
「ふふ、苺もたっぷり入っていますよ。どうぞ、召し上がって下さい」
「俺の分は灯ちゃんが食べるといい。君、摘まみ食いもせず手伝いに励んでいたようだからね」
「え……?」
自分でも今気がついたことに、灯は僅かに面食らう。
「そう言えば、灯ちゃんは見に行くのかい? 祠の先の花」
「はい。彼岸花を見てみたいのですが、お疲れでなければご一緒しませんか?」
「俺達と?」
「ええ。綺麗なものは、ひとりよりも誰かと見た方がいいですから」
「……へえ」
「? どうかされましたか?」
「いや、構わないよ。行こうか」
琉架は人の良い微笑みを浮かべていた。
「りーく、おいしそーなんとっといてくれた?」
店番の交代を済ませた陸が露店の裏から出て来た瞬間、白藤が狙っていたかのように声を掛けてきた。
「何だ、白藤。アレじゃ甘さが足りなかったか?」
陸がニヤリと笑む。白藤は「うっさいわ」と、唇を尖らせながら、袋に入れた力作のミアクレープを二つ手渡した。勿論、チョコバナナも忘れずに。
「どーせ、紅亜誘いに行くんやろ? 二人で食べてな♪ ――さぁて、うちもデートやデート♪」
白藤は語尾を弾ませながら、ウインクを残してその場を後にした。
「(白亜とレナードと黒亜の美形三人つれてとか、うち刺されそうで怖いわぁ)」
だからと言って、其処らの女性に譲る気はないのだが。
「皆が作った物……どれも美味しくてほっぺたが落っこちてしまいそうやわぁ。ふふ、白藤さんとクロア君はありがとうやんね」
レナードはにこにこせずにはいられない嬉しさで、二人からのお裾分けである目ん玉クレープとたこ焼きを交互に頬張っていた。
「別に……後で食べられなかったとか騒がれても面倒だし」
「!? ぼ、僕そんなに食い意地張ってないで……!?」
「どの口が言うの? じゃあ、ブッドレア見に行くなら三人で行ってね。……口拭いた後に」
そう言うと、黒亜は黒地の袂から懐紙を抜き、レナードへ寄越した。
白亜の下駄の歩みに、石段が鳴く。
廃れた祠に白藤が一礼をし、灯火のない竹藪の右道を進む。
不安定な足場を、ゆるり、ゆるり。踏み締め、先へ。そして――……
「ああ……懐かしい香りと、光景や」
花は藤を彷彿とさせ、葉は対生して空木のようであることからその名が付けられた、房藤空木。別名、バタフライブッシュ。花の香りで蝶が集まるその様は、蝶が起こす奇蹟の舞。
紫に誘われる蝶を眺めながら、白藤は感嘆の声を漏らした。
生家にあった温室の香りと光景は、どれ程時が流れようとも、心が惹かれて離れない――。
白藤は、ふと、隣で佇む彼に視線をやる。彼は穏やかな目笑で景色を眺めていた。
「(やっぱり『彼』と似とっても……兄さんとは、似てへんな)」
記憶の“兄”とは重ならない。白藤は小さく安堵の溜息をついた。
「白亜、皆おるとこ……帰ろっか♪」
白亜は一瞬、思案するような面差しを浮かべたが、「ああ」と、徐に顎を引いたのであった。
「(この景色をまた、見る事が出来ます様に)」
胸の奥で密やかに祈ったレナードが、水で紡いだ銀色の髪を靡かせながら踵を返した。
竹藪の左道。
辿り着いたその先には、美しく無心に咲く、彼岸花の海。
「彼岸花はリアルブルーにも在りました。世界が違っても、繋がるものはあるのですね」
灯が感慨深い声音と眼差しを朱の花に注ぐ。すると――
「人も、花も、何時の世も、何も変わらないまま繋がっているのかもね」
唇の端に“微笑”を浮かべたまま、琉架が呟いた。
来た道を戻っている最中、灯はミアと擦れ違う。黒亜と共に彼岸花を見に行く彼女は、何時もの笑顔で別れを告げた。その笑顔は、何処か――
「(……優しいミアさんが、優しく笑えますように)」
**
早咲きの風物詩。
妖艶さと神秘性が相俟ったその花は、まるで、ミア達を隠世に誘っているようであった。
「……彼岸花は、ミアの故郷の花なんニャス」
郷里の赫に目を据えたまま、ミアがその場に屈む。
「クロちゃんは、忘れられない人っているニャス?」
揺れる、“鬼首”の花。
「いない」
翳んでいく、青向日葵。
「そっかぁ。ミアは……思い出した人なら、いるニャス」
瞼の裏には、穏やかな微笑み。
光を織り込んだような水浅葱色の髪。
鏡のように“妹”を映す尖晶石の瞳。
追憶薫る、紫丁香花――
貴方の、背中。
「あ、白花ニャス」
「……は? ああ……まあ、珍しいね」
「白い彼岸花の花言葉って知ってるニャス? “また会う日を楽しみに”、なんニャスって。ミア……いつか、会えるかニャぁ」
糸のように細く引いた侘しさを堪えるように、ミアは独り言ちた。
「会えるでしょ」
死人花に手招きされる猫の尻尾を、黒猫の鳴き声が引き留める。
「思い出したんなら、もう、三毛はいつでも会えるでしょ」
その言はまるで、澄んだ鈴の音のようであった。
**
縁日が終わる。
灯りが沈む。
息づく音は、二人だけ――。
月が赫の色を映し、現世とは思えない絢爛さで底光りをしていた。
「誕生日だったろう、おめでとう」
陸が懐から大切そうに取り出したのは、一本挿しの簪。
紅い珊瑚で彫られた金魚が二匹。そして、金魚を結ぶ組紐には、紅水晶と黒曜石が控えめな色を放つ。
「挿してやるよ。おいで」
陸の言葉に傍らへ寄った紅亜が、嫋やかに後ろを向いた。後れ毛を残した白い項に、陸はどきりとする。
「今の姿に似合うと思った。綺麗だ、紅亜」
「そう……? ありがとー……」
――初めから、気に入っていた。
何時でも真っ直ぐに”ほんとう”を見ようとする、その瞳が。
「……」
「……? 陸……どうかした……?」
「え? いや……ああ、そうだ。土産のたこ焼き、ありがとうな」
「ん……姪っ子さんと……家族と、食べて……」
――家族。
「……紅亜」
「んー……?」
「傷つけたらすまない。けど、知りたいんだ。俺はお前が知りたい」
“愛することを怖がっていたら、何も得られない”――あの言葉に、目が覚めたような気がしたから。
夜風が陸の浴衣の袂を揺らした。墨の流水紋を泳ぐ赤い金魚が、陸の心に呼応するかのように揺蕩う。
「紅亜が前に護りたいって言っていた、リュネって、家族なのか? それとも……」
そこで陸は言葉を切った。
だが、怖めず臆せず、紅亜が応える。
「んん……リュネおにいちゃんは……ハクの親友……。昔はよく遊びに来てくれて……一緒にお買い物したり……みんなでご飯食べたり……した……」
「……そうか」
「でも……ハクが大怪我した任務で……いなく、なっちゃった……」
「……」
「あれからハクも……リュネおにいちゃんのこと……話さなくなった……。聞くと……痛そうな顔、するの……」
不意に、紅亜の双眸が幻の跡を追うかのように月を見上げる。
「私は……今も、大好き……だけど……リュネおにいちゃんは……私のこと、愛してなかったのかな……」
そして、瞬いた睫毛が、ふっ、と、目の前の“三日月”を見た。
「陸は……誰かを愛したこと、ある……?」
真っ直ぐな、その瞳で。
**
晩夏の香が濃い。
まるで、忘れてはいけない“何か”を、印象づけるかのように。
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花と祭りの夜を楽しむ相談卓 浅生 陸(ka7041) 人間(リアルブルー)|26才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/08/31 00:50:58 |
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お出かけ相談(質問卓) 浅生 陸(ka7041) 人間(リアルブルー)|26才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/08/30 00:03:50 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/26 17:46:41 |