※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
 森林公園から出た龍崎・カズマ(ka0178)は、道路をはさんだ向こうにパン屋を発見する。
「美味そうな匂いがするな。軽く寝たせいか腹が減ったし、食べてから家に帰るか」
 太陽はまだ当分沈みそうではないので、カズマはパン屋でサンドイッチを買って、再び公園に戻ると屋台でアイスティーを購入した。
 そして公園内に置かれているベンチに座り、買ってきたサンドイッチを食べ始める。
「んっ、んまいな。たまにはこうやって、外でのんびり食事をするのも良いもんだな。平和な休日だ」
 平和とサンドイッチの美味さをしみじみ感じながら、カズマはアイスティーを飲む。
「……しかしあんな変な夢を見たのはやっぱり、この本を読んだせいか?」
 カズマはスッと眼を細めながら、本屋で買った本を改めて手に取る。
 哲学をテーマにしたフィクションのストーリーで、ジャンルとしてはSFともオカルトとも言えた。
 普段のカズマならばあまり読まないジャンルだったが、本屋でこの本を見かけた時、何となく心惹かれたのだ。
「本屋でパラ読みした時は、ただ単に読みやすくて面白そうだと思っただけなんだけどな」
 実際、夢中になって読んだので、その感想は外れてはいない。
 だが夢の内容が本の内容と似ているところがあることに気付くと、本への興味が薄まる。
「まあ本に罪はないし、読んでいる途中で寝ちまったからあんな夢を見たのかもな」
 本はまだ、最後まで読んでいない。そのモヤモヤ感が夢に現れたのだと、カズマは思うことにする。
「さて、本を最後まで読む為に、早く食っちまおう……って、おおうっ!?」
 カズマはいつの間にか自分の周囲に野良の猫や犬が集まり、サンドイッチを食べられていることに今気付いた。
 慌てて両手を振って追い払っても既に時遅く、殆どサンドイッチは食べられてしまった後だ。
「~~っ! ……今日は厄日かよ」
 近くにいる人々はカズマの方を見て、微笑ましいというように笑っている。
 カズマは居心地が悪くなり、急いで残りのアイスティーを飲んで立ち上がった。
「ったく……、もう家に帰るか。外にいても、良い事がなさそうだ」
 大きく重いため息を吐くとゴミをゴミ箱に入れて、公園を出る為に出口へ向かう。
 だがそこでふと、思う。

 この本にはラストがある。
 しかし夢に出てきたあの造られた存在の【最後】はどうなるんだろう?――と。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
龍崎・カズマ(ka0178)
副発注者(最大10名)
クリエイター:-
商品:おまけノベル

納品日:2015/07/21 13:47