※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
 カズマは重い溜息を吐きながら、肩を竦める。
「はあぁ~。何でこう年末年始ってのは、いろいろと足りなくなるんだ? ……つーかどっちの世界も年中行事は同じ、とはな。ある意味、季節を忘れずに済んで良いぜ」
 年末年始は何かと行事が多い。クリスマスをはじめ、大晦日や正月など、世界が違えどやる事は同じ。
 しかもハンターという職業は何かと多忙であり、多方面に付き合いがある。
「仕事が忙しくて時間は足りねーし、いろいろと買う物があるから金も足りねー。それにハンター仲間と飲み会やらパーティーやらに参加しなきゃいけねー時がある上に、プレゼントも贈らないといけねー場合がある。ふう……、冬の寒さが身に染みるぜ。ったく……」
 悩んだり落ち込んだりしている暇なく動き回ることは、ある意味気分転換になって良いかもしれない。
 だがこの季節の寒さは身体以外にも、財布にも染みるのが非常にイタイ。
「ハンターの仲間達は、何かと騒ぐのが好きなヤツらが多いんだよな。仕事上いろんなことを体験しているせいなのか、人と接することが好きみたいだし」
 ハンターの仕事は、何も戦うことばかりではない。時には人を喜ばせる為に、イベントを起こしたりもする。
 その時の経験のせいか、集まることをハンター達は好んでいた。
 特に年中行事がある時には、必ずと言って良いほど複数の誘いを受ける。
「だが誘いを断るのは野暮だし、人付き合いは今後の仕事に影響するしな。あーあ、人付き合いってのは面倒だ」
 言葉ではそう言いながらも、カズマの表情は柔らかくあたたかいものへとなっている。
 カズマの頭の中では、仲間達と楽しく騒ぐ様子が思い浮かんでいた。
 忙しいながらも充実した日々を過ごしている今、割と幸せなんじゃないかと素直に思える。
「とりあえず、家に帰る前にいろいろな店に寄ってみるか。買わなきゃいけない物は山のようにあるし、時間がある時にやっとかねーとな」
 周囲を見回すと、店はクリスマスの商品以外にも、年末年始用の商品も目立つように置かれていた。
「……だが財布の中身と、俺が持って帰れる量には限りがある。慎重に選ばないとな」
 人々が笑顔の中、カズマだけは真剣な表情で店へ入って行く。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
龍崎・カズマ(ka0178)
副発注者(最大10名)
クリエイター:-
商品:おまけノベル

納品日:2015/12/22 11:19