※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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作り出されるひと時
要塞都市で受けた依頼が終了した夢路 まよい(ka1328)は面白そうなものを探して向かったのはドワーフ工房。
何度か来たことがある施設はまよいを迎え入れる。
マテリアル鉱石の加工を主に携わるフェルツの部屋に顔を出すと、女性陣が楽しそうに話していた。
「あら、まよいちゃん」
知った顔の来訪に喜んだのはフォニケだ。
「こんにちは。お邪魔していい?」
断りを入れるまよいにフォニケは「いらっしゃい」と手招きをしてくれた。
中に入ったまよいは作業台に広げられているものを見つめる。
色とりどりの布で作られたドレスや装飾品。
「わぁ、可愛い」
まよいの視線に入ったのは布で出来た椿に似た花の髪飾り。
「それ、フォニケの手作りよ」
エルフの技師が言えば、まよいがフォニケの方を向く。
「副業なのよ。時折服屋に入れたりしてるの」
「これ、商品?」
触ってみたい興味を抑えつつ、まよいが尋ねる。商品ならば触ってはいけないから。
「全部サンプルよ。つけてみない?」
フォニケの誘いにまよいは胸の前で手を叩いて喜んだ。
肩にかかるくらいのまよいの髪をフォニケが櫛で梳いていく。
「いい匂いね」
「花を咲かせる木の油の匂いね。櫛の滑りが良くなるのよ」
フォニケはまよいの横髪を掬い取り、編み込んでいく。
「痛くない?」
「平気」
どんな髪形になるのかまよいは楽しみで仕方ない。
フォニケは手早く髪を結い上げていく。まよいは鏡越しとはいえ、真正面しか見ることが出来ない。
今はリボンで仮止めする布の音が聞こえる。
もう片方の横髪も同じく編み込んでいき、やはりリボンで毛先を束ねていた。後ろ髪を纏めてピンで留めていく感触がした。
「なんか、くすぐったい」
ふふふと笑うまよいに「もうちょっと我慢してね」とフォニケがつられて笑う。
最後に横髪を交差させ、毛束が見えないようにアップにした後ろ髪に隠し、櫛状の髪飾りを挿した。
「できた。見てみる?」
フォニケがまよいが後ろ髪チェックできるようにもう一枚鏡をまよいに当てる。
「わぁ、すごい」
大抵は降ろしている自分の髪形がこんなにもアレンジできるのかと、まよいは喜ぶ。
横髪の編み込みは淡いラベンダー色のリボンがプラスされており、後ろ髪を留め上げているピンは白い小花が咲いている。
櫛形の髪飾りは青紫色の八重の花が三つ並び、小指の爪ほどの大きさの星型の飾りが揺れていた。
「やっぱり、似合う!」
「こっちもつけてみない?」
ドワーフ工房の女性陣達がテンションを上げてまよいに似合うアクセサリーを勧めていく。
「うん、いいよ」
頷くまよいの了承を貰い、ドワーフ工房の一角が賑わう。
あれやこれやとまよいを着替えさせていった中、まよいはある一点に視線を向ける。
「ねぇ、あれは何?」
日光が当たる窓辺の棚の上に置かれた皿の上に石が積まれていた。
「あれはあまり価値がない鉱石なの」
「そうなの?」
フォニケがその一つをまよいに渡す。
色は乳白色で研磨していない石だ。光に透かしても何も見えない。乳白色の色だけ。
「結構溜まったし、遊ぶ?」
「どうやって?」
首を傾げるまよいにフォニケは準備をしましょ、と促した。
出してきたのは粉砕機だ。横にハンドルがついている。
「お手伝いお願いね」
そう言ったフォニケは粉砕機に石を入れていった。
ハンドルをゴリゴリ回していくと、石が小指の爪ほどの小ささに砕かれていく。
その間に技師たちはフェルツの作業部屋の窓を閉め、窓際に大きな布を垂らして光を遮断してしまうと、次は瓶と刷毛を手に取って光を遮断する布に塗布していった。
「それなぁに?」
片目を瞑るフォニケは粉砕された石を掴んで布へ投げつけていった。他の技師も投げつけており、ストレスを解消しているようにも見える。
「さ、乾かないうちに」
「う、うん。うん?」
言われるままにまよいも石を投げつけると、布にぴったりくっつく。
「接着剤ってこと?」
きょとんとしつつ、まよいが呟く。
あっという間に暗闇の部屋に垂らされた布に石が貼りついていった。
「じゃ、強い光出すから目を閉じてね」
ぎゅっと目を瞑ったまよいはフォニケに声をかけられる。
「目を開けてみて」
そっと開けると、暗がりの中に星が散りばめたような光景が広がった。
「わぁ!」
「強い光を浴びないと発光しないんだけど、太陽の光を蓄積して、長時間光る性質がある石なの」
光源としては頼りないので、使い物にはならない模様。
「でも、素敵ね」
ぼんやりと緑に光る大小さまざまな石は幻想的だ。
「あまりやらないんだけど、可愛い子が来たから特別よ」
フォニケが笑いかける。
「アレ、やってるんだって?」
聞きつけてきた別部署の女性陣もやってきて、手にはお茶が入ったポットやお菓子が抱えて入ってきた。
「こういった暗がりの中でお茶会も面白いわよ」
アロマキャンドルを光源にし、暗闇のお茶会がはじまる。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【夢路 まよい/ka1328/女性/15歳/魔術師】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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ご発注ありがとうございました。
まよいちゃんにヘアアレンジして、可愛いアクセサリーをつけて楽しかったです……!
楽しんで頂けたら幸いです!