※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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ちょこっとくりすます
クリスマス。
なんだか懐かしいような、そうでもないような。
まあ、あんまり自分には関係ないことかも……? と、玉兎 小夜(ka6009)は思っていた。
が。
今、小夜の目の前には小さなチョコレートケーキが一つ。
たまたま通りかかった商店街で、無料福引をやっていたので、なんとな~くやってみたら、当たったのだ。その商店街では有名なケーキ屋の看板商品とのことらしい。
クリスマスはケーキ……という、根拠は不明な数式が人類にはあるが。まさかこうなるとは……小夜はテーブルの上に鎮座するチョコレートケーキをしげしげと眺めていた。ちゃんとお皿に移したし、フォークも用意したし、紅茶……は淹れるのが面倒だったので、牛乳も用意した。
小さなケーキには銀のアラザンの粒々が、チョコレートの上に星のように散りばめられている。さらにホワイトチョコで作られた雪の結晶が飾られていて、見た目が凝った逸品だ。そして小ぶりなサイズが、上品な佇まいを演出していた。
「……」
メリークリスマス、と一人で呟くのは流石に恥ずかしい。小夜は代わりに「いただきます」と呟くと、フォークを手に持った。チョコケーキは蕩けるように柔らかく、フォークがとろとろと沈んでいく。真っ白なココナツムースが見える。ホワイトクリスマスを連想するケーキだ。
「おー……」
ふわりと漂う、ミルクチョコレートの甘い香り。表情の乏しい小夜であるが、小腹が空いていたのも相まって感嘆の声が漏れた。では早速と、切り分けた一口をモグ。
「……!」
小夜にウサギ耳が生えていたならば、ピンと立ったことだろう。
甘くて……おいしい。
それから……チョコがおいしい。
この白いムースも……おいしい。
……。
……。
戦闘に明け暮れていたせいで、食レポはちょっと苦手な小夜だ。
まあ、おいしいからいいじゃないか。
なんだか食べきるのがもったいない……。
でもおいしいので、綺麗に完食する小夜であった。
ささやかながら、メリークリスマスである。
『了』
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玉兎 小夜(ka6009)/女/17歳/舞刀士