※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
予感

「……あら」

 散歩の帰り、ついでにハンターオフィスへ寄ってみたサフィーアは、掲示されていたある依頼書に目を留めた。

『音痴を改善してくれるハンター、切に求む』

(これは……ハンターに依頼する内容かしら。ハンターには色々な人がいるけれど……わざわざ高額な対価を支払ってまで、ハンターに依頼するほどのものではないのではと思考するわ……)

 物好きな依頼人もいたものだと、別の依頼書に目を移そうとした時。
 その依頼書の最後に書かれた、歌唱指導を受ける人物の名に気づいた。

「あら」

 今度は先程の「あら」よりもハッキリと発音し、表情を動かさぬまま目を瞬く。
 歌唱指導を受ける音痴な人物とは、先程サフィーアが回想したあの少年だったのだ。
 その上、どうやらあの時の報告書が原因で、今回歌唱指導を受けるに至ったらしい。
 少年の形容し難い歌声を思い出しかけ、ゆるゆると首を横に振った。

(何と言うか……あの時居合わせた者として、放っておいてはいけないような。
 ……募集人員は6名……行って、みようかしら。
 歌唱や演奏の心得はないけれど……事前に音楽の知識を書物から得ることは可能だわ。どんなことでも、知識を得て損することはないでしょうし。
 それに、講師6名に対し生徒が彼ひとりでは、萎縮してしまうのではと推測するわ……私が一緒に指導を受ける側に回ることで、彼の負担を和らげることができるのでは……)

 そこまで考えると、サフィーアは受付カウンターへ向かった。
 色々と自分の中で理由を付けはしたが、一番の理由は――

(……あの時のように、意志の揺らぎを強く感じられるかもしれないし……ね)

 そうして、受付の事務員へ告げる。

「あそこに掲示されている依頼なのだけど――」


 ――サフィーアの胸の内で、強烈な意志の揺らぎが観測される日も近いかも知れない。





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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6909/サフィーア/女性/21歳/ココロのありか】

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発注者:キャラクター情報
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サフィーア(ka6909)
副発注者(最大10名)
クリエイター:鮎川 渓
商品:おまけノベル

納品日:2018/05/01 16:43