宇宙戦艦「サルヴァトーレ・ロッソ」(サルヴァトーレ級一番艦)

 地球連合宙軍が建造した初の惑星間航行用戦略宇宙戦艦。全長は3km強にも及ぶ。
 建造目的は敵性体「ヴォイド」との決戦、ならびに地球圏内のコロニーに取り残された人々の保護、回収である。
 前者の目的の為に主砲である超兵器・マテリアル粒子砲の他、大小多数の対空兵器、多数の小型機動兵器とその運用設備を搭載している。
 後者の目的の為には戦闘艦艇としては異例な生活空間を保持し、正規乗組員に加えて2万人の民間人を収容することができる。充分な居住空間は将来的にヴォイドの根拠地と思われる火星への探査を目的とした惑星間航行をも念頭に置いている。
 また、戦術宇宙艦艇用のドッキングベイを備えており、巡洋艦母艦の機能を持っている。これにより遠征先でも艦隊を編成することが可能となっている。

 宇宙軍の設立から6年、ヴォイドによる本格侵攻が始まった直後に竣工した艦であり、宇宙艦艇の歴史が浅いことから決して洗練されているとは言えない。


戦闘装甲機「CAM」R6M2bデュミナス

 「戦闘装甲機(Combative Armour Machine)」、通称・CAM(キャム)はもともとコロニー内と宇宙空間でシームレスに運用できる、装甲と火力を備えた歩兵支援用の為の兵器として開発された。
 開発コンペでは装甲宇宙艇に車輪を付けただけ、装甲車に宇宙船機能を付与しただけ、などのアイデアなどが多く寄せられた中で、全長7mの人型兵器という提案を行ったのはイギリスの工作機械メーカーであった。
 連合宙軍はこの奇抜なアイデアを採用し、宇宙ではスラスターを使い、コロニーでは歩くという人型兵器、CAMドミニオンが誕生することになる。
 火星調査隊の遠征では作業用を兼ねた自衛用兵器としてCAMドミニオンが数機配備され、初めてのヴォイドとの戦闘で柔軟な応戦を行ったことで対小型ヴォイド兵器として注目を浴びた。
 こうした背景のもと、本格的な対ヴォイド戦闘を目的としたR6M2bデュミナスが誕生するのである。前身のドミニオンから引き継いだ対ヴォイド用30mmアサルトライフル、105mmスナイパーライフル、1300mmコンバットナイフなどの武装に加え、ミサイル運用能力も付与された。重装甲化と出力の確保を両立させるためにドミニオンより一回り大きな8mサイズとなったが、機動性はむしろ増加しており、単純戦力では同サイズのヴォイドを圧倒する。
 クリムゾンウェストには化石燃料が存在しておらず、転移後のサルヴァトーレ・ロッソにおいては稼働の見込みが立っていない。


CAMの標準武装

 今回の戦闘で使用できるデュミナスの装備一覧である。デュミナスは手持ちを含め、
最大で3つの装備を携行する事ができる。

・30mmアサルトライフル
 取り回しのよいCAM用ライフル。
・30mmガトリングガン
 大型のCAM用機関銃。取り回しが難しいが、装弾数と連射速度に優れる支援武器。
・105mmスナイパーライフル
 射程と威力に優れたCAM用カノン砲。
・対ヴォイド用ミサイル
 全長160cmほどのミサイルで、誘導による高い命中率と爆発による範囲攻撃が特徴。
 1マウントに対して2発を装備できる。
・シールド
 CAM本体の防御の他、接地させて歩兵などの一時的なトーチカとしても使用できる。
・1300mmコンバットナイフ
 CAM用の近接戦闘武器。格闘動作はCAMの火器管制システムにプリインストール
 されており、レバー操作やコマンド入力で繰り出すことができる。長さはグリップを
 含む。
・5000mmCAM用カタナ
 刃から柄まで一体の金属で鍛造されたCAM用曲刀。格闘動作はCAMの火器管制
 システムにプリインストールされており、レバー操作やコマンド入力で繰り出す
 ことができる。モーションデータの製作は日本の古武道家に依頼されたとも、
 大手特撮スタジオの殺陣師に依頼されたとも噂されている。
・その他
 CAMは非常に拡張性の高い機構を有しており、塗装の変更が比較的容易であった。
 これは無論、資材が手に入る限りにおいての事であるが、愛機の外観に変更を施す兵もいたようだ。


CAMのコクピット

 CAMのコクピットは210cm近い人間が何とか乗り込めるスペースがある為、普通の身長であれば問題なく搭乗することができる。
 ヘッドマウントディスプレイにより、ほぼ全天周の視界を得ることができ、戦闘に必要な情報もそこに表示される。
 CAMは一人乗りの機体であり、パイロット以外の人間を収容するスペースは存在しない。

 操縦の基本操作は攻撃方向を操作する右スティック、移動や方向転換を行う左スティック、推進ブースターを操作する両足のペダルによって行われる。ゲームセンターの大型筐体ゲームのようなシンプルさで、動かすだけであれば子供でも簡単にできる。ただし、実際に操縦するにはある程度の訓練のほか、道交法や宇宙航空法などに基づく免許証が必要。
 特殊な戦闘機動は「→→↑+A」「ジャンプ中に→→↑+A」のようなスティックへの特定操作の入力(通称・コマンド入力)によって行う。
 特にコンバットナイフやカタナを使った格闘戦において、コマンド入力は様々な格闘動作を引き出すのに頻繁に使用される。

 スティックには必要なボタンが人間工学に基づいて配置されており、戦闘中は基本的にスティックから手を離す必要のない「HOS(Hands on Stick手はスティックに置いたまま)」となっている。
 ヘッドマウントディスプレイには脳波感知装置が搭載されており、スティックとペダルだけでフォローできない微調整を直感的に行うことができる。例えば、ロックオンした敵の脚を狙い撃つなどの微調整が可能となる。
 また、瓦礫の撤去や荷物の運搬などの精密作業用に、手袋型のモーショントレースシステムがサブシステムとして存在する。