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これまでの経緯


【郷祭】ストーリーノベル
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●春の村長祭に集うもの(5月2日公開)
自由都市同盟に数ある都市や組織のうち、こと農業に関しては他の追随を許さないと自認する農業推進地域ジェオルジでは、今年も春の村長祭の時期がやってきた。
祭りというが、元々はジェオルジ地域に点在する村々から村長が集まって、領主一族に村の状況の報告を行う会議が始まりだ。ただ、普段は顔を合わせない人々が集まれば、難しい話の後には懇親の集まりもある。そうした宴席が徐々に規模を大きくして、祭りと呼ばれるくらいの村々の交流が行われるようになって、村長祭と呼ばれるようになった。
それが突然規模を大きくしたのは、一昨年秋のこと。何がどうしてどうなったのか、詳しい事情は領主ジェオルジ一族や村長達、一部の事情通しか知らないが、同盟各地から人が集まる祭りとなった。人の交流も増え、特にハンター達の助力を得て、農業のみならず、商業的にも発展する地域が増えてきたのもこの頃からだ。
そんな村長祭もここ二年弱は、何かと大きな出来事に関連して時期が前後にずれることが続いたが、今年はほぼ例年通りに開催出来るだろう。
少し早いとの意見も出たが、今年は村長会議の席で話し合うべきことが多数ある。それを見込んでの日程故に、早すぎることはない。
そう。早急に確かめること、決めねばならないことが、幾つもある。
「ロッソの移民から、廃村の再開拓の申請が出たそうだが」
「私の村にも来てもらったが、特産品の売り込みにこの集まりを使いたいと、ほら何か企画を」
「ねえ、広場でなにか興行があるようだけれど、ちゃんと許可は出ているのかしら?」
「なんだ、この変な警報は!? いつからジェオルジは、こんなに治安が悪くなったんだ?」
「蚤の市とは……変な名前じゃな」
「リアルブルー人がねぇ、あたしはあんまり」
「しかし、こういう提案は、我々では思いも付かなかったものだよ」
「それより先に、前回手を着けた瓶詰の販路を広げる相談をしようじゃないか」
サルヴァト―レ・ロッソからの移住を積極的に受け入れたジェオルジでは、その増加した人口の確認に始まり、元ロッソ民がジェオルジで安定した生活を送れるように支援もせねばならない。また移住民からも幾つかの提案がなされていて、その検討も必要だ。
更には、村長祭の拡大に始まった各村の特産品開発についての相談もある。
村長達は、今回の会合の多忙さに今からめまいを覚えていた。
この春の村長祭は、新たな催しと今までにない騒動とが、一挙に押し寄せてくるのかもしれない。
●春の村長祭に集うもの(5月2日公開)
自由都市同盟に数ある都市や組織のうち、こと農業に関しては他の追随を許さないと自認する農業推進地域ジェオルジでは、今年も春の村長祭の時期がやってきた。
祭りというが、元々はジェオルジ地域に点在する村々から村長が集まって、領主一族に村の状況の報告を行う会議が始まりだ。ただ、普段は顔を合わせない人々が集まれば、難しい話の後には懇親の集まりもある。そうした宴席が徐々に規模を大きくして、祭りと呼ばれるくらいの村々の交流が行われるようになって、村長祭と呼ばれるようになった。
それが突然規模を大きくしたのは、一昨年秋のこと。何がどうしてどうなったのか、詳しい事情は領主ジェオルジ一族や村長達、一部の事情通しか知らないが、同盟各地から人が集まる祭りとなった。人の交流も増え、特にハンター達の助力を得て、農業のみならず、商業的にも発展する地域が増えてきたのもこの頃からだ。
そんな村長祭もここ二年弱は、何かと大きな出来事に関連して時期が前後にずれることが続いたが、今年はほぼ例年通りに開催出来るだろう。
少し早いとの意見も出たが、今年は村長会議の席で話し合うべきことが多数ある。それを見込んでの日程故に、早すぎることはない。
そう。早急に確かめること、決めねばならないことが、幾つもある。
「ロッソの移民から、廃村の再開拓の申請が出たそうだが」
「私の村にも来てもらったが、特産品の売り込みにこの集まりを使いたいと、ほら何か企画を」
「ねえ、広場でなにか興行があるようだけれど、ちゃんと許可は出ているのかしら?」
「なんだ、この変な警報は!? いつからジェオルジは、こんなに治安が悪くなったんだ?」
「蚤の市とは……変な名前じゃな」
「リアルブルー人がねぇ、あたしはあんまり」
「しかし、こういう提案は、我々では思いも付かなかったものだよ」
「それより先に、前回手を着けた瓶詰の販路を広げる相談をしようじゃないか」
サルヴァト―レ・ロッソからの移住を積極的に受け入れたジェオルジでは、その増加した人口の確認に始まり、元ロッソ民がジェオルジで安定した生活を送れるように支援もせねばならない。また移住民からも幾つかの提案がなされていて、その検討も必要だ。
更には、村長祭の拡大に始まった各村の特産品開発についての相談もある。
村長達は、今回の会合の多忙さに今からめまいを覚えていた。
この春の村長祭は、新たな催しと今までにない騒動とが、一挙に押し寄せてくるのかもしれない。
(執筆:龍河流)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)