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「ギルドフォーラム'14」が開催されるまで

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●ハンター志望者がいっぱい

 サルヴァトーレ・ロッソの漂着はハンターズソサエティに思わぬ危機をもたらすことになった。
 サルヴァトーレ・ロッソのリアルブルー人をハンターとして受け入れるには2つの問題があったのである。

・リアルブルー人の覚醒者の比率は非常に高い。
・リアルブルー人はハンターの心構えや、クリムゾンウェストの生活習慣を知らないの。
・サルヴァトーレ・ロッソの漂着により、短期間でこれまでにないほどのハンター志望者が押しかけてきた。

 これが「ハンター志望者がいっぱい」問題であった。
 ハンターズソサエティの職員達は、たくさんのハンター登録申込み書を捌くだけでなく、大量の新人ハンターの育成の為に中堅以上のハンターを講師として招くのにテンテコ舞で、ハンター登録は長い行列待ちという状態となってしまったのである。

「一度、新人ハンターの受け入れを停止して、ハンター教育の学校をつくればいいのよ!」
 そう提案したのは「異世界に転移して、覚醒者というスーパーヒロインになれる!」とワクテカしていた竹村 早苗 (kz0014) であった。
 少人数ずつ登録と育成を進めるよりも、新人ハンターを集めて学校のような授業で教えた方が早いと考えたのである。そして、授業が一通り終わる頃にまとめてハンター登録すればよいのだと。
 もともと、そういう解決案はハンターオフィスでも検討されていたのだが、実際の仕組み作りに手が回らないという状態であったので、早苗をはじめとする待機中のハンター志望者達に学校づくりの依頼が出されたのであった。
 リアルブルーで様々な職種についていた転移者達、そして先輩ハンター達が知恵を寄せ合ったことで、またたく間に学校が出来上がっていった。 「転移者のちょっとした提案から、あっという間に新しいものができるのって内政チートって感じよね」
 新人ハンターの為の臨時の学校が軌道に乗った様子を見て、早苗は満足げに頷くのであった。

 ただ、早苗は学校づくりよりも“広報活動”の方に熱心であったようだ。
 彼女の活動を含めた各種メディア(印刷物や艦内放送など)を使った広報活動がサルヴァトーレ・ロッソの後援の元に行われ、吟遊詩人の招致やクリムゾンウェストを紹介するパンフレットなどが制作された。
 それらの広報物はリアルブルー人が広く浅くハンターの心得やクリムゾンウェストの生活習慣を学ぶのに役に立ち、逆に広報活動に携わったクリムゾンウェスト人はリアルブルーの文物に触れる機会を得たのである。
 尚、早苗と一緒に広報制作に携わったクリムゾンウェスト人は新たな価値観である「萌え」や「燃え」に目覚めたとかなんとか。
「いや、真面目な広報もちゃんとお手伝いしたよ? 趣味だけじゃないよ!」
 独学も含めて、リアルブルー人達は様々な方法でハンターとなっていったのであった。


●ギルドフォーラム'14

 王国歴と西暦はぴったり1000年のズレがあるので、覚えやすかった。
 14年5月になると学校でハンターの心得やクリムゾンウェストの生活習慣などを習っていたリアルブルー人の新人ハンターが十分に育っており、ハンターオフィスは5月20日からのハンター登録の再開を決定した。
 ハンター登録は全体が停止していたので、学校でリアルブルー人と肩を並べて学んだクリムゾンウェスト人も少なくなく、彼らも5月20日から順次ハンター登録をしていくことになった。

 さて、正式にハンターとして登録されることになると、同時にギルドの設立が認められることになる。
 ギルドとは、ハンターズソサエティにおいて一人では為し得ない事、為し得ないものを達成するために、仲間を募る場所の事だ。
 ハンターとしての腕を磨いたり、依頼の達成率を上げる仲間を探すなど、ハンターとしての活動に貢献する目的だけではなく、単純に交友の輪を広げたい、日常を楽しく過ごしたいという個人的な目的で集まる事もあった。
「新しく作ったギルドをアピールできるお祭りをしよう!」
 お祭り好きの早苗はここでも提案を挙げる。
「5月20日から始めてもいいですが、自分のギルドを立ち上げて、ひとまず親しい友達に入ってもらって、ギルドとして何か出来るようになる……そう考えていくと5月22日くらいからがいいでしょうか?」
 この時期になるとハンターオフィスでも業務の余裕が出来ていたので、ミリア・クロスフィールド (kz0012) が事務方を担当し、各国ユニオンの協力を得ながらイベントが企画されていった。

 会場内に作った【出展】ブースで自分達のギルドをアピールするイベント内容から、ギルド合同説明会「ギルドフォーラム'14」が催しの名前になった。
「ギルド説明会って合同学校説明会みたいな感じかな?」
「就職説明会みたいなほうが近いかもしれないな」
 高校生だった篠原 神薙 (kz0001) は中学時代に顔を出した多数の高校が一同に集まる合同説明会を連想し、成人後に転移してきた先輩ハンターは就活時代の会社合同説明を連想していた。
「別にそんな堅苦しくなくてもいいんですよ。ギルドでやりたい理想を語ってもいいですし、ギルドが食べ物屋さんとかなら屋台をやるのも楽しそうですね。個人的な趣味の集まりがあるなら、サナエさんのいうドージンシを売ってたっていいと思いいます」
 ミリアはそんな転移者達に笑って答える。
 会社説明会と模擬店のでるお祭りと同人誌即売会、その他諸々を足したまま割らないようなカオスなイベントらしい。
「もともと、ギルドって明確な枠組みがないから、真面目に歪虚と戦う目的のギルドはもちろん、食堂や酒場があったり、郊外の土地で農業やってたり、孤児院があったり、カジノがあったり、自称・帝国があったり、おじさんの集会場があったり、例を挙げたらキリがないくらい色んな種類があるしね」
 ラキ (kz0002) が指折り数えながら、個性的なギルドの数々をあげていく。こうしたハンターズソサエティのカオスは神薙達も知ってるだけに苦笑いするしかない。、
「だから、ギルドを紹介するほうも自由な発想で構わないんだよ!」
 宣言する早苗の姿に、リアルブルー人の大量流入が今後のギルドがますますカオス化を招くことを予感しながら、ギルドフォーラム'14の準備は進んでいくのであった。

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