※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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afterward
そんなわけで、海である。
「……よくこんな所、借りられましたね」
小さめだが立派なコテージと美しい景観と、整えられた砂浜に、コバルトブルーの海。
さらには自分たち以外に人がほとんど居ないという、まさに貸切状態のこの場である。
「いやぁ、日頃の人徳ってやつかなぁ」
「あなたにそんな徳があるとは思いませんが」
静架はそう言いながら、辺りをきょろりと見回した。
名もない小島、とでも言えば良いのか。スグルが用意したと言うらしいボートで海を渡り、この場所までたどり着いた。
五十メートルほど離れた先に同じようなコテージが見えるのでそう言ったリゾート地なのだろうが、とにかく普段引きこもりを決め込んでいるスグルがこのような場所を知りえている事自体、不思議な事でもあった。
「ん~まぁ、正直に言うと、オフォスの受付の子のコネなんだよ」
「……ほぅ?」
スグルがけろりとそう告げると、静架の空気が一瞬にして変わった。
最近、一人の女性と仲良くしている事は知っていた。それがオフィスの受付嬢であることも解ってはいたつもりであったが、それがここに繋がっていようとは。つまりは、相手を絆してこの場を借りえたのだろう。巧みな話術を使って。
甘く囁いたのか。それとも体で口説き落としたのか。
どちらにしても、そのような流れであったのだろう。
「静ちゃん? 顔がすごいよ、怒ってるんだ?」
「……別に、あなたが何処で誰と何をしていようとも、自分には関係ありません」
「まぁそう言うと思ったけど、別にやましいことはしてないよ。俺には静だけだもん」
スグルはコテージの扉の鍵を開けて、静架を中に招きつつそう言った。
静架は彼の手を振り払うことが出来ずに、素直にそれに従う。だが、彼の言葉を信用することは出来ずに、視線を逸したままであった。
「うん、中もきれいだね~。ベッドも大きいし、どれだけ暴れても落ちない」
静架の手を引いたままであったスグルは、そう言いながら寝室のドアを開けてベッドを確認する。
そして満足そうに微笑みつつ、静架をベッドの上に落ち着かせた。
「……着いて早々、何してるんですか」
「決まってるでしょ。こうするために連れてきたんだよ」
持ち込んだ旅行バッグなどもそのままに、スグルは静架の体の上に乗ってきた。
これからは順を踏むのでは無かったのか。そう問い質したかったが、迫る体温に静架は逆らえない。
望む気持ちがあったために、拒絶は出来なかった。
「取り敢えずは、まぁ……聞きたいことは、後回しにしてあげます……」
「そうしてもらえると助かるかな」
そんな言葉を交わして、静架はスグルの口付けを受け止める。
いつもこんなふうに言い包められている気がするが、それでも。
――彼は自分だけのモノであるから。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka0387 : 静架 : 男性 : 19歳 : 猟撃士】
【ka2172 : スグル・メレディス : 男性 : 25歳 : 闘狩人】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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こちらもご利用ありがとうございました。
身勝手な彼氏を持つと大変だなと改めて思ったりもしました…。
また機会がありましたらよろしくお願いいたします。