※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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―― それから…… ――
「……夢、か」
窓から差し込む光が眩しくて、ジョージは目が覚めた。
(あの時の夢を見るのは、もう何度目になるんだろう……)
怯えて何も出来なかった自分、ただ身体を震わせるばかりで母を、執事を傷つけた相手にかすり傷すらつけられなかった。
「……今、あの人と戦えば、僕はどうなるんだろう」
ハンターとして経験を積み、あの頃よりは強くなった自信がある。
けれど、堕落者となった父親を目の前にしてもこの強さを維持できるのか、何度となく自分に投げかけた問いに、いまだ答えは出ていない。
「……朝ご飯、食べた後に特訓でもしようかな」
どんな事態にも備えられるよう、ジョージは剣の練習を絶やさず行っている。
11歳という年齢ながら、大人びた考え、態度を取るのは過去の傷からによるものなのだろう。
「あ……」
カーテンを開け、外を見ればジョージと同じ年頃の子供達が遊んでいるのが見えた。
「……」
あんな風に思い切り遊べるのが羨ましくないと言ったらウソになる。
けれど、今のこの状況を選んだのは紛れもなくジョージなのだ。
「……後悔はないよ、いつか復讐を遂げるまで」
子供である自分を封印する、そう言葉を付け足してジョージは身支度をし始めるのだった――……。