※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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ドキッ! スライムだらけの雑魔退治!
――どうしてこうなったんだっけ?
ネフィリア・レインフォードはぷよぷよしながら増え続けている粘泥を見つめながら、そんなことを考えていた。
どうしてこうなったって、そもそもは雑魔退治の為に来たんだけど……。
そう。ネフィリアは姉のフローレンス・レインフォードと、妹のブリス・レインフォードと共に依頼を受けてここに来ていた。
小さなスライムを数匹見かけたから、退治して欲しいと言うもので……三人でかかれば、余裕でこなせそうであったし、実際現れたそれは小さくて、どぎついピンク色が気持ち悪かったが……別段何をして来る訳でもなく、ただぷよぷよしていてとても弱そうだった。
「なーんだ。弱そうなスライムなのだ。フロー姉、ブリスちゃん。多分すぐ終わるけど援護よろしく!」
「……ちょっと待って。何だか様子がおかしいわ」
「フロー姉ったらまたそうやって脅かそうとして~。その手には……」
フローレンスの声にあははは、と笑ったネフィリア。
姉の鋭い目線の先を追って、言葉を失う。
小さいピンクのスライムがぷるぷる身体を震わせると、新手のスライムがどこからともなくわらわらと現れたのだ。
「このスライム、仲間を呼ぶ性質があるみたいだね……」
「むむむ。スライムのくせに生意気なのだ! だったら増える前に倒すよ!」
「待ちなさいネフィ! 迂闊に近付いては……」
ブリスの呟きにプンスコ怒るネフィリア。フローレンスの制止も聞かずにツッコんで行き……。
ぶにゃり。
――その、何とも言えない不気味な感触にネフィリアは戦慄した。
スライムとは何度か戦ったことがあるが、大抵この一撃で弾け飛んで、こんな風に拳を包み込んで来るようなことはなかった。
ん? 拳……? 何か妙に軽いような……。
――ない。つけていたはずのナックルがない!!
「えっ。あれ? いつの間に外れたんだろ」
キョロキョロと周囲を見渡す彼女。やっぱり自分の獲物はどこにもない。
ふと手元に目線を戻すと、ナックルの一部が手首に張り付いていて……。
「……ナックルが溶けてるのだ!! 何で!? どうして!?」
ガビーン! とショックを受けるネフィリア。
そんなことをしている間に粘泥達はどんどんどんどん増えて、呆然としている彼女に迫る。
「ひゃ、張り付いてくるんじゃ……ふぇ? 服が溶けてるのだ!?」
みょいーんと変な動きで飛びついて来た粘泥をを反射的に手で払いのけると、スライムはいとも簡単に弾けて消えて……それが触れた部分の服が、綺麗に溶けてなくなっていた。
――これはもしかしたら、もしかしなくてもヤバい奴なのだ。
……えっと。武器と服は溶かすけど、素手なら攻撃できる……のかな?
よし。だったらナックルを外して殴れば……!
そこまで考えて……青ざめるネフィリア。
それに気付いた時には既に遅し。彼女の周囲には、ぷるぷると身体を震わせるスライムが増え続けていて……。
「ぎゃああああああああああっっ!!! なにこれえええええええええ!!」
「これは一体……」
一瞬で、爆発的に増えた桃色の粘泥に叫ぶネフィリア。
目の前の光景に言葉を失くすフローレンスの手を、ブリスがくいくい、と引っ張る。
「フロー姉様。ブリス、このスライム知ってる……。リアルブルーから伝わってきた本に載ってた……」
「え?」
「……とある国に、服や装備だけを溶かす桃色のスライムがいるんだって。これ、それじゃないかな……。武器は溶かしちゃうけど、素手の攻撃は通るはずだよ……」
末妹の説明に眉根を寄せるフローレンス。
それが事実だとしたら、このまま放っておいたらネフィが……。
いやいや、もう大分スライムに飲まれてえらいことになってますけど!?
「あぁっ!? ネフィ!? もうこうなったら……ブリス。私がネフィを救出してくるから、あなたはここに待機していて。分かった?」
「はい、姉様……! お気をつけて……!」
心配そうにこくりと頷くブリスに微笑を返すフローレンス。
そのまま、勢い良くスライムの中にえいやっと飛び込む。
「いやああああ! フロー姉えええええ」
「ネフィ、今助けるわ!」
妹を助け出そうと手を伸ばすフローレンス。だが、ネフィリアはそれに応える余裕がなさそうで……。
無理もない。彼女はすっかり桃色の粘泥に飲み込まれ、鎧も着衣も溶かされて、肉付きの薄い華奢な身体つきや、つるんとして断崖のような胸が露になりつつあった。
少女らしい薄い身体は、しなやかな弦のようでとても美しい。本人に自覚はないだろうが、絶妙なバランスの取れたそれは、健康的な色気があった。
ああ、絶景ですね。平たい胸!
「平たくて悪かったなあああ! って、みゃぅ!? そ、そんなところ入り込んじゃダメなのだあああああああ!!」
脱出しようにも次々と粘泥に圧し掛かられて、身動きの取れないネフィリア。
細い身体をスライムが這い回り、いいように弄ばれている。
「いーーやーーーー! 気持ちわるいいいいいいい!!」
涙目のネフィリアの悲鳴。
「……何てこと! これ以上、大事なネフィに妙なことをさせる訳にはいかない……っ!」
――素手の攻撃は通るはずだよ……。
ブリスの言葉を思い返すフローレンス。思い切って槍を投げ捨て、飛び込んで妹に近づく。
しかし、ピンク色の物体に阻まれ、なかなか前に進めない。
「どきなさい! 妹は返してもら……ひぃっ!?」
負けじと粘泥を押し分けた彼女。飛びついて来た粘泥に、つつつ……と背中を撫でられ、小さく悲鳴をあげる。
「いやっ……! な、何なの、これ……!?」
ねっとり湿った柔らかい物体に、じっとり撫でられる感覚が何とも気持ち悪い。
ネフィが『気持ち悪い』と叫んでいるのも納得である。
痛みがないところを見ると攻撃力はないようだが……。
「……!? えっ。ちょっと待って……!」
ふと下を見てギョッとするフローレンス。
――鎧が……大事な鎧が消えてる……!
愛用のビキニアーマーが溶けて、洗い立ての陶器のような白い肌に、むっちりとした肉質な臀部が露になり、大きいが、形の良い素晴らしい膨らみにはかろうじて鎧が残っているような状態だった。
うーん。素晴らしきかな。豊かな胸!
「人をいやらしい目で見るのはお止めなさい! ぅんっ。せめて、ネフィだけでも逃がさないと……」
スライム達にむにゅむにゅと這い寄られながら、こぼれそうな胸を何とか手で押さえてネフィリアの元にたどり着いたフローレンス。
そこに、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「姉様、危ない……! 今助けるから……!」
「……!? ブリス! 来てはダメ!!」
たたたたっと走ってきたブリスに、顔面蒼白になるフローレンス。
長姉には待っていろと言われたけれど、愛しい姉達のピンチに、もう黙ってはいられなかった。
……というか、姉様達の身体をタダで撫で回そうなんて、精霊様が許してもこのブリスが許さない!!
ブリスはスライムに対し、特に策があった訳でもない。
彼女が粘泥の餌食になるのも時間の問題だったが……レインフォード家の末妹は、姉達とはちょっと違っていた。
そう。姉達への溢れんばかりの愛……偏愛と呼ばれそうなくらいの愛から来る気合。それを多く持ち合わせていたのである。
ブリスは迫り来る粘泥掻き分け、服を溶かされながらも一直線へ姉達の元へ向かう。
スライムに纏わりつかれ、溶けるローブ。厚みのあるそれの下には、少女とは思えぬ成熟した身体が隠れていた。
ほっそりとして線の細い身体。きゅっと引き締まった腰。そしてたわわに実る、不釣合いな程に大きな果実。
それは長姉にも劣らぬ立派なもので……。
これがアレですね。ギャップ萌えってやつですね!
「身体のことは言わないで……! フロー姉様、ネフィ姉様、大丈夫……? さあ、早く脱出しよ……」
「うわあああああん! フロー姉えええええ!! ブリスちゃああああん!!」
「……てこずってしまってごめんなさいね。もう大丈夫よ」
泣きついて来るネフィリアを優しく受け止めるブリスとフローレンス。
ああ、何という麗しき姉妹愛……!
……というか、そういうことはスライムの海から脱出してからにした方がいいんじゃないですかね?
「あああ! そーだった! 逃げよ!」
自分達の置かれた状況を思い出したネフィリア。
手に手を取って逃げ出そう! と思ったその時……。
さわさわさわ。
「んにゃっ……! またスライム……?!」
「んぅっ! もう、いい加減に……!」
さわさわさわさわ……。
敏感なところを撫でられて、身を捩るネフィリアとフローレンス。
三人で半裸で身を寄せ合っているし、どうしても妙な雰囲気になる。
とにかくここを早く脱出しないと……!
なでなでなで……。
「いやぁっ! 何か変なところ触ってるのだ!?」
「ちょっと、ネフィ、そんなに動かないで……! はうぅ、だ、駄目ぇえぇ」
「うふふ……。姉様達かわいい……」
慌てる二人に降りかかるじっとりとした声。
良く見ると、彼女達の身体を撫でているのは桃色の粘泥ではなく、ブリスの細い手で……。
「……ブリスちゃん。何やってんの?」
「こんな時に悪戯はお止しなさい」
「ふふ……ふふふ……。悪戯じゃないよ。消毒だよ……。姉様は、ブリスだけのものだから、ブリスが綺麗にしてあげる……!」
あ。ヤバい。ブリスの目が完全にイッてしまっている。
ぱんぱかぱーん!
ヤンデレ☆ブリス、ここに爆誕!!!
「いやいや、ヤバい。それヤバいよ……!」
「ここは急いで収集をつけないと色々、社会的にも倫理的にも問題が……!」
「あー、あのさ、ブリスちゃん。身体綺麗にするなら他の方法にしようよ」
「そうよ。ほら、皆でお風呂に行くとか! ……ね?」
「……お風呂……!」
ネフィリアとフローレンスの提案に、目をキラキラと輝かせるブリス。
彼女はこくりと頷くと、くるりとピンクの粘泥に向き直る。
「……という訳だから。姉様の身体を触ったお前達、全員死刑……! おとなしくあの世にいけえええええええええ!!!」
ヤンデレオーラ全開のブリスに震え上がるスライム達。
無双状態で粘泥を蹴散らしていく妹を、姉達はガクガクと震えながら見守っていた――。
こうして、レインフォード三姉妹は何とかスライムを撃退し、依頼は成功を収めた。
まあ、受け取った報酬は、鎧や武器を買い揃えるのに消えることになりそうだけれど……。
「さあ、姉様達……。身体洗ってあげますから、静かにしててね……」
「あのね、ブリス。自分の身体くらい自分で洗えるから……」
「フロー姉様。ダメだよ……。ブリスが隅々まで洗ってあげる……。ネフィ姉様もね……」
「えええええええええええええ!!?」
そして、お風呂場から聞こえる三姉妹の声。
――フローレンスとネフィリアは、末妹を怒らせないようにしようと心に誓い、諦めてブリスに従った。
その結果、お風呂の中でも色々大変だったが……それはご想像にお任せする。
━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・
登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka0444/ネフィリア・レインフォード/女/14/霊闘士
ka0443/フローレンス・レインフォード/女/23/聖導士
ka0445/ブリス・レインフォード/女/12/魔術師
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お世話になっております。猫又です。
ピンクスライム退治、というご指定でしたので、ピンクスライムにご登場願いましたが如何でしたでしょうか。
どうしても彼らが登場すると酷いお話になってしまうのですが、少しでもお楽しみ戴けましたら幸いです。
話し方、内容等気になる点がございましたらお気軽にリテイクをお申し付け下さい。
ご依頼戴きありがとうございました。
副発注者(最大10名)