※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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きっと、ずっと。
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夏のお日様の光を受けて、波がキラキラ輝いていた。
そっくりな双子の男の子が、競争するかのように砂浜に飛び出した。
「海ですなの! キラキラですなの! うーの言ったとおりですなの!」
ウェスペル・ハーツは自分の瞳をキラキラさせて、海を指さす。
「海はひろいですお! るーはしってますお! 海にはお魚がいっぱい泳いでますお!」
ふんすふんすと鼻の穴を広くして、ルーキフェル・ハーツが胸を張った。
その鼻先にむっとする程に強い潮の香りが押し寄せる。
「坊ちゃま方は物知りでいらっしゃる。それにしてもいいお天気になって良うございましたな」
そう言って目を細めるアルヴィース・シマヅは双子の守役である。
それから傍らのディッシュ・ハーツの表情をそっと伺った。
「お疲れのところ、無理をお願いしたのではないですかな」
「大丈夫大丈夫。俺達もちょうどのんびりしたいと思ってたところだったからな。な、セラ?」
満面の笑みを向けられ、セラ・グレンフェルは少しはにかむような笑顔を向けた。
「ええ、すっごく嬉しい。楽しみにしてたんだ!」
本当は今も双子と一緒に波打ち際まで駆け出して行きたくて、うずうずしている。
でもふたりよりお姉さんなのだし、今日は色々とやるべきこともある。
「よし。じゃあまずは荷物を下ろして、ベースキャンプを設営しますか!」
大荷物を抱えているのはディッシュと、アルヴィースだ。
セラが海に向かって呼びかける。
「ルーク! ウィズ! 荷物をこっちへ置いて、それから海で遊びましょ!」
「「はぁーい!」」
ふたりが顔を赤くして駆け戻ってきた。
先日のこと、アルヴィース以外の四人は海辺の遊びを満喫した。
だが夏はまだまだ続くし、アルヴィースは一緒に行けていない。
そんなわけで、今年の海をもう一度楽しみたいという双子の頼みをうけて、ディッシュとアルヴィースは一泊二日の本格的なキャンプを企画したのだ。
「ずっと遊んでいたら疲れてしまうしな、休憩はちゃんと取ること!」
ディッシュがそう言いながら大荷物を手際よく広げる。
「どれ、爺もお手伝いいたしましょうか」
アルヴィースとふたりであっという間にテントを組み立ててしまう。
「ふおー……ディッシュはすおいお!」
「しまーもかっこいいですなの……」
今までにない程の尊敬のまなざしを受け、得意な半面、他にもっと尊敬すべき場面もあったんじゃないのかと思うディッシュだったが。
「よし、じゃあ荷物を中に運んでもらおうかな。ここが今日のみんなの部屋だからな!」
「おへやですなのー!」
「テント、ひろいおー!」
双子は荷物を運び込み、大はしゃぎで転がる。
セラは小さく笑って、双子に声をかけた。
「ふふ、広いね! ねえ、ちょっとこっち持ってくれる?」
「こっち?」
「こうですなの?」
「そうそう、上手よ」
セラに言われた通りにそれぞれが端っこを握り、大きな敷物を広げた。タオル地がふかふかで気持ちいい。
「えっと、後は……」
自分の物が入ったカバンを抱えてテントから顔を出したセラを、ディッシュが待ち構えていた。
「セラの『個室』はこっちな」
大きなテントの裏側に、布で囲われた小さな掘立小屋のような物が作ってある。
セラはほっとしたように笑った。
「ありがとう! 着替えをどうしようかと思った」
「その辺りに抜かりはありませんて」
ディッシュが片目をつぶって見せた。
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おずおずと入口のカーテンを開き、セラが顔を出す。
辺りには誰もいない。きっとみんな遠慮しているのだろう。
テントを回り込んで表に出ると、ディッシュが気配に振り向いた。
「おっ、今日も俺のお姫さまは愛らしいねぇ」
「もうっ、子供扱いして!」
腕を突きだして思い切り背中を押す。
「いやほんとほんと!」
勿論、セラだって愛らしいと言われて嬉しくないわけがない。
あれこれ悩んで選んだ、フリルつきの水着に鮮やかなパレオを巻いて、ちょっとお姉さんぽく頑張ってみたのだ。
それも目の前のディッシュのため。今は妹扱いだが、いつか大人になったらちゃんと一人前の女性として自分に向き合って欲しいと思っている相手なのだ。
「ね、ディッシュも一緒に泳ごうよ! 取り敢えずは片付いたんでしょ? 他は後でみんなで一緒にやればいいわ!」
「……それもそうだな!」
ディッシュもモノトーンのサーフパンツ姿で、準備は万端。
連れだって波打ち際へ向かう。
「わあ、すごい! ルークとウィズは海上歩行だ!」
セラが歓声を上げて手を振る。
「セラ! ディッシュ! お魚さんがいっぱい、きれいなのー!」
「うーの『ウォーターウォーク』、すおい楽しいお! お魚さん、ぴちぴちだお! NINJAみたいだおー!!」
ウェスペルとルーキフェルは手を繋いで海の上を歩いていた。
スキルの『ウォーターウォーク』で波の上を歩けば、まるで空を飛んでいるようだ。
だが、ウェスペルはしっかり浮き輪をつけたままである。もしどぼんしても、これがあれば問題なく泳げるからだ。
ルーキフェルも泳げなくはないのだが、顔が濡れるのは嫌いらしい。
というわけで、ふたりは泳がずに波の上を散歩して楽しんでいる。
「器用に歩くもんだなぁ」
ディッシュが眩しそうに目を細めた。
「いいね、俺達も久々にのんびり泳ごうか」
「じゃあふたりの所まで競争よ!」
パレオを大胆に放り投げ、セラが駆け出す。
「あーあ……折角のお洒落だったのにな」
ディッシュもセラもそこそこ泳げる。尤も、ディッシュは潜る方が得意なのだが、それはひとまず後に活用することにして。
波を蹴り、海に身体を投げ出す。
太陽に温められた海水は、表面はぬるく、泳ぐうちに心地よい冷たさになっていく。
魚のように泳ぐディッシュとセラを、双子が面白そうに眺めていた。
「ねえ、アル爺は?」
セラが顔を上げると、ウェスペルが指さす。
「しまーはばんごはんのお魚を釣ってるですなの! おっきなお魚を釣るっていってましたなの!」
振り向くと、海に突き出た岩場に掛けたアルヴィースがこちらに向かって手を振っていた。
「アル爺は釣りが上手なの?」
「しまーはなんでもできますお! すおいですお!」
まるで自分の事のように、ルーキフェルが胸を逸らす。
「私も魚釣りやってみたい! 教えてくれるかしら?」
「じゃあ、セラにも『ウォーターウォーク』かけてあげますなの」
ウェスペルがそう言うや否や、セラの体が海面に持ち上げられた。足元に広がるどこまでも青いパノラマに、セラは思わず息を飲む。
「すごい、こんなにお魚が泳いでるんだ!」
「これだけ沢山いるんだ。釣果、期待してるぜ」
ディッシュの冗談めかした調子に、セラが胸を張る。
「まかせて! とびきり大きいのを釣ってくるから、お料理教えてね!」
「うーもいくですなの!」
「しまーと、セラと、うーと、いっぱいお魚さんつるお!!」
三人は競争するように海の上を駆けていった。
「……うーん、どう見ても同類だよな?」
ディッシュは小さく呟くと、浜辺へと戻っていく。この間に、立派な魚をお迎えする準備をせねばならないのだ。
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岩の上ではアルヴィースがにこにこと笑っていた。
「海の上のお散歩は終りですかな?」
「アル爺、魚釣りを教えて! いっぱい大きいのを釣って、バーベキューで食べるの!」
「たべますなの!」
「よろしいですとも。さ、こちらへ」
四人が並んで釣糸を垂らす。餌はうにょうにょしたのを、アルヴィースがそれぞれつけてくれた。
「少しの間、おしゃべりは厳禁ですぞ?」
セラ、ルーキフェル、ウェスペルがこくこくと頷く。
やがてアルヴィースの垂らした釣り糸がすーっと動き始めた。
「しまー、お魚が引っ張ってるですなの?」
「ほっほっほ、だといいですな」
アルヴィースは立ち上がり、強い引きに逆らわないよう、釣竿を巧みに動かす。やがてグイッと力を籠めて引き上げると、銀色に輝く大きな魚が宙を舞う。
「すごい、アル爺! 大きなお魚!」
「そこの網をお願いできますかな、セラ様」
「はいっ!!」
セラから受け取った手網をさっと振ると、次の瞬間には岩場の上で魚がびちびち跳ねまわっていた。
「すおいおー! お魚さん、ぴちぴちだお!」
ルーキフェルがバケツの中でまだ跳ねている魚に、目を真ん丸にして見入っていた。
「よしっ、私も負けないんだから!」
セラが再び釣竿を握って、真剣そのものの表情で海を睨む。
が。
「……どうしてアル爺はいっぱい釣れるんだろ?」
「ほっほっほ。爺は、セラ様がお生まれになるずっと前から、魚釣りをしておりますからな」
また一匹、大物を釣り針からはずしながらアルヴィースが笑った。
結局、セラの釣竿にかかったのは掌ほどの小さな魚が一匹。ルーキフェルとウェスペルに至っては、ゼロということになった。
「さて、もう充分ですかな」
バケツを覗いて、アルヴィースは釣竿を片付け始める。
「しまー、もうやめるですなの? まだいっぱい餌があるなの……」
うにょうにょをつつく位には慣れたウェスペルは、もうちょっと粘りたいようだ。
アルヴィースは優しい笑顔で、けれど言い聞かせるように言う。
「今日皆でお腹いっぱい食べる分ぐらいは、海から充分にわけて貰いましたぞ」
命をいただくこと。恵みに感謝し、欲張らないこと。
自然と共に生きる種族にとってこれは大事なことだった。
「じゃあうーが持ちますなの! ……うーが釣ったってじまんするじゃないですなの」
「るーも持つお! いっしょにもてば重くない……うっ!」
意外と重かった。
「ではこちらのバケツにも分けるといいですぞ」
小さめのバケツにそれぞれ二匹ずつ入れて貰って、双子はそれぞれを運ぶ。
残りの入ったバケツをアルヴィースが軽々と持ち上げ、セラは道具箱を持って並んで歩きだした。
「ディッシュがきっと、バーベキューの準備をしてくれてるね」
「美味しい料理が期待できそうですな」
ぱたぱたと前を急ぐ双子に目を細めながら、アルヴィースが頷いた。
予想通り、既にディッシュは簡易コンロやかまどの用意を終えていた。
「お、いっぱい釣れたな!」
「皆で釣りをしたお! ……お魚がついてたのはしまーだけだお……」
「ははは、そりゃしょうがないな!」
「私は釣ったわよ! ……一匹だけなんだけど」
セラがバケツに入った一番小さい魚を指さす。
「初めてにしちゃ上出来だ。じゃあ一緒に料理しようか。手伝ってくれるだろ?」
「もちろん、頑張るわ!」
下ごしらえのほとんどはディッシュとアルヴィースが手早く済ませてくれるが、手伝わなければいつまでも覚えられない。
セラは一生懸命手順を覚え、身につけようと頑張る。
小さな魚はそのまま(ちょっとかわいそうだったけど)串に刺し、焼くことにした。
魚の並んだ金網と、別に網をセットすると、いち早くルーキフェルが気付いてちょこんと座りこむ。
「バーベキューといえばおにくぅですお……」
「相変わらずそこは鋭いな!?」
「お野菜もですなの。ブロッコリーはキャンプのお料理に欠かせないですなの」
「はいはい、ちゃんと用意してありますよっと」
双子のそれぞれの好物が入った氷詰めの容器を開き、充分に温まった網に乗せていく。
「やきぐあいはしっかり見張っておくですお。お任せですお」
こういうときはハンターの目になるルーキフェルに見張りは任せることになった。
やがて香ばしい匂いが辺りに立ちこめる。
「よし、そろそろいいぞ。ほらお肉魔人、一番乗りだぜ。火傷しないようにな」
「おにくぅですお……!」
目を輝かせてお皿の串を掴み、獣のように食らいつくルーキフェル。
だが自分を見つめる視線に気づき、一緒に刺さった野菜もちゃんと口に入れる。
「お野菜もおいしいですお……」
「もちろんですなの」
ウェスペルが心なしか厳しい口調で言った。こういうときはどちらが兄か判らない。
「セラ様、ほら、ちょうどいい焼け具合ですぞ」
アルヴィースが渡してくれたのは、セラが自分で釣った魚だった。
「ありがとう、アル爺」
暫く見つめていたが、やがて覚悟を決めたように齧りついた。香ばしさとうまみが口いっぱいに広がる。
「美味しいね」
言葉では言い表せないような、不思議な感動がセラの胸に迫った。
「また釣りを教えてね。それから料理も」
「もちろんですとも」
持参したお肉もお野菜も、釣ったお魚も。
ディッシュが用意していた、さっぱりレモンシャーベットも。
しっかり食べて、お腹いっぱい。
「よし、次のデザートの前にちょっと腹ごなしだな」
ディッシュが転がしてきたのは大きなスイカだった。
「スイカ割りだお! じゃんけんで順番をきめるお!」
ルーキフェルの頬は、焼き網を間近で見ていたおかげで真っ赤だった。皆で一緒に外で過ごせるという興奮で、熱は一層あがる。
賑やかにスイカを割り、甘い果実を堪能した頃には、空は茜色に染まっていた。
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ウェスペルとルーキフェルが大きなお腹で転がっている間に、アルヴィースとディッシュはてきぱきと片付け開始。
「なにか手伝えることはある?」
セラがおずおずと尋ねる間も、ふたりは手を休めない。
「ああ、じゃあこの金網を洗ってもらおうかな。綺麗な手を怪我しないように注意するんだぞ?」
「大丈夫よ!」
可愛いといわれるのも、綺麗といわれるのも嬉しい。でもやっぱりディッシュの役に立ちたい。頼りにされたい。……ただ大事にされるだけではなくて。
そんな気持ちをぶつけるように、セラは一生懸命金網を掃除した。
途中で起き出して、ルーキフェルとウェスペルもゴミ拾いのお手伝いを始める。だが、拾い集めたのはゴミだけではない。
「うー、貝殻ですお」
ルーキフェルがしゃがみ込んで、とげとげのいっぱいついた縞模様の貝殻を拾い上げた。
「きれいですなの! 他にもあるかもしれないですなの!」
ウェスペルも地面にしゃがみ込んで目を凝らす。
真っ白で大きな貝、ピンク色の爪みたいな貝、虹色に光る貝。よく見ると、白い浜辺には色々な貝殻が落ちているのだ。
ふたりは綺麗な貝を選んでゴミとは別の袋に入れた。
ひと通りの片付けが終わった頃には、すっかり日が暮れていた。
焚火の明るさが、迫る闇を区切っている。
ウェスペルはゴミの袋を引きずるようにして、薪をくべているディッシュに報告した。
「ゴミはいっぱい拾いましたなの!」
「お、お疲れさん。こっちも終わったから後は遊ぶだけだぞ!」
ルーキフェルは貝の袋をアルヴィースに見せた。
「しまー、みてほしいですお」
「おおこれは。随分きれいな貝ですな!」
アルヴィースはひとつずつを手にとって明かりにかざす。
「セストにお土産にするですお。セストは海をしってますかお?」
「どうでしょうなあ。でも坊ちゃま方のお土産ならきっと喜ばれますぞ」
アルヴィースは小さめの貝を幾つか選ぶと、道具箱から取り出した釣り糸を使ってつないでいく。
「如何ですかな?」
出来上がったブレスレットを、ルーキフェルとウェスペルにひとつずつ。
「すおいお! 貝の腕輪だお!!」
「きれいですなの! しまー、すごいですなの!!」
双子は大興奮である。
「こういう風にしてプレゼントするのも宜しいかもしれませんぞ」
「明日、明るくなったらいっぱい拾うお!」
「しまーと、セラと、ディッシュの分も拾うですなの!」
「ではこのシマヅもお手伝いいたしますぞ」
ふたりは目を輝かせて何度も頷いた。
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新しい花火に火がつく度に、歓声が上がる。
「ウィズ、ほら!」
セラがカンシャク玉をウィスペルの傍で破裂させた。
「ふおおおおお!? びっくりしたですなの!!!」
「セラも隙ありですお!」
「きゃああああ!?」
ルーキフェルに追い回され、セラが走って逃げ回る。
アルヴィースは焚火の傍でその光景を楽しそうに見ていた。
「あーあ、あれじゃ丸っきり同レベルだな」
ディッシュがそう言って隣に座った。
「どうだ?」
「……頂きますぞ」
大人は大人の楽しみ。瓶から注がれる琥珀色の液体を、コップに受ける。
「いやはや、長生きはするものですなあ」
どこか遠いところを見ているような目でアルヴィースが溜息のように声を漏らした。
焚火の日に照らされた横顔は、深い皺を畳んでいる。
日々成長して行く子供達。老いたドワーフの戦士はあごひげを撫で、ただ静かにそれを見守る。
ディッシュはそれには何も答えず、新たな一杯をアルヴィースのコップに注いだ。
時間は戻らず、ただ過ぎて行くだけ。
けれど貝が浜辺に美しい貝殻を残してくように、思い出は時間の流れの中、宝物のように輝いている。
今日という日も、きっとずっと、忘れないだろう。
三人が花火を遊びつくして、焚火の傍に戻ってきた。
「堪能したーって顔だな。蜂蜜入りのお茶でも飲むか?」
ディッシュが笑いながら、三人にカップを渡す。
「おいしいですなの。ディッシュは何でもできるですなの」
ウィスペルがカップを大事そうに抱えて、息をつく。
「今日はいっぱいいっぱい遊んだですお。でも明日も遊べるですお。海はすごいんですお!」
ルーキフェルはまだまだ元気そうである。もっとも、ある瞬間電池が切れたように寝てしまうこともあるのだが。
そして電池が切れかかっているのは、ディッシュの隣のセラもだった。
「テントで休むか?」
「ううん……まだ寝たくないよう……」
セラは目をこすり、その瞬間だけは何とか姿勢を保つ。だが直後にはもう、小さな頭はかくんとディッシュの肩にもたれかかってしまうのだ。
「しょうがないなぁ」
そんな声も何処か遠くから優しく響く。違う。この肩が気持ち良すぎるからいけないの。
ふわりとかかったブランケットの感触が、セラの意識まで包みこんでしまう。
「さて、重労働が最後に控えているようですぞ」
そういうアルヴィースは左右の膝に双子の頭を乗せていた。
「違いない」
ディッシュが小さく笑う。
それぞれに寄り掛かる優しい温もりを、もう少しそのままで。
皆が深い夢の中へと旅だったら、抜けがらはテントの中にそっと運び込もう……。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka1065 / ウェスペル・ハーツ / 男 / 10 / 魔術師】
【ka1064 / ルーキフェル・ハーツ / 男 / 10 / 闘狩人】
【ka1048 / ディッシュ・ハーツ / 男 / 25 / 疾影士】
【ka1049 / セラ・グレンフェル / 女 / 14 / 聖導士】
【ka2830 / アルヴィース・シマヅ / 男 / 50 / 機導師】
同行NPC
【kz0034 / セスト・ジェオルジ / 男 / 18】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お待たせいたしました、仲良しさん五人の夏の思い出をお届します。
目いっぱい盛り込んだつもりですが、お楽しみいただけましたら幸いです。
ご依頼、誠に有難うございました。