※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
旅のお楽しみ おかわりっ

「あ…」
 幸せな気持ちで店を出て、宿を取り夕飯を考え始めた時の事。彼・仁川 リア(ka3483)はふと思い出す。
 そう言えば、あの『お新香』とはどういうものだったのだろうかと。
 サラダではなかった。かと言って前菜にしては少な過ぎる。
 というかそもそもあれは料理と呼べるものなのか謎であったが、とにかくシンプルに美味かった事だけは確かだ。
 宿屋近くの食堂にそれはなく、店員に尋ねてみても判る筈がない。
「あぁ~、気になる」
 長くなってもあの時聞いておけばよかった。これは完全な自分のミスだ。
 こうなると折角の夕食にも集中できやない。
(よし、もう一度行こう)
 連続というのが少しばかり恥ずかしい気もするが、このもやもやが晴れるならと結構な距離を逆戻り。
 が、戻った先にあったのは『閉店』の文字で…どうやら夜は早めに店を閉めてしまうらしい。
「くっ、明日だ…明日まで待てば」
 流石に今、扉を叩くまでの根性はなく、彼はよろよろとその場を後にした。

 そして翌日。
「あら、一昨日の旅人さんね。いらっしゃい」
 昨日と同じ笑顔で若夫人が出迎えてくれる。
「や、やあ…少し聞きたい事があったんでね」
 幾分やつれた顔で彼が微苦笑。
 そうして尋ねれば、何の事はないあれはこちらで言う『ピクルス』のようなものなのだと判る。
「こっちの漬物は調味酢で漬け込むけど、主人の方ではこんな浅漬けっていうお塩と出汁で作るモノもあるのよ」
 夫人の厚意で今日のお新香だけを頂きつつ、彼は興味深く話に耳を傾ける。
 がふとまた疑問が浮かんで、
「という事はお新香=ピクルス、つまり漬物なのかい?」
 と気にかかった事を即座に質問する。
「あっと、それは…」
「どちらも同じです。ただ厳密に言えばお新香は浅漬けを、漬物というとそれ以外のものも含む感じかな」
 言葉に困る妻に主人が助け舟を出して、更に彼は何かを運んでくる。
「これが蒼の漬物ですよ。沢山あるでしょう」
「おおっ」
 野菜の種類も様々であるが、匂いをとっても多種多様。リアから声が漏れる。
「どうぞ、食べてみて下さい。お気に入りが見つかるかと」
 そこで遠慮なくそれぞれを味わい食せば、もう彼も漬物の虜だ。
「うん、お米との相性も抜群で…これは恐ろしい食べ物だね」
 気付くと御飯茶碗五杯目に突入したリアがぼそりと呟く。
「フフッ、食べたくなったらいつでもどうぞ」
 そんな彼に夫妻は微笑みを返すのであった。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka3483/仁川 リア/男/16/疾影士(ストライダー)】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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こちらは少しコミカルに描かせて頂きました。
キャラ崩れしていないと良いのですが…(あわわ)
漬物の奥は深い。予想とは違ったかもですが、楽しんで頂けてたら嬉しいです。

シングル共々、発注有難う御座いました。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
仁川 リア(ka3483)
副発注者(最大10名)
クリエイター:奈華里
商品:おまけノベル

納品日:2017/10/16 17:41