※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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エステルの手記
――今でも、時々夢に見る。
「……大丈夫だ。すぐに戻る」
そう言って、振り返らずに走り去って行く背中。
どうしてあの時、もっと強く引き留めなかったのか。
どうしてあの時、一緒に行かなかったのか――。
後悔しても仕方がない。
後悔することなどあの人は望んでいない。
それでも……。
「……エ、ステル。俺は……」
あの時、何を言おうとしたのか。
一体何を思っていたのか。
その言葉の先を聞けなかったから。
わたくしの心はずっと、あの時で止まったままだ。
――次に逢った時には、逃げられないように捕まえてしっかり説教をしてやらなくては。
そして叶うならもう一度。
死ぬまで戦って、独りで何もかも背負って去っていった勝手なあの人に。
あの言葉の続きを聞き出すのだ。
きっとあの人のことだ。輪廻の流れにも乗らず、星の果てで反省し続けているだろう。
本当にどうしようもない人。
それでも。わたくしは。
――愛していた。
いいえ、今でも。
――夢の中でしか会えぬ貴方。
星の果てまで追いかけてあげるから、覚悟するといい。
ソル家の女の筋金入りの諦めの悪さを、思い知らせてあげましょう。
━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
お世話になっております。猫又です。
お届けまでお時間頂戴してしまい、申し訳ありませんでした。
エステルちゃんのおまけノベルをお届けします。
エステルちゃんの生前の手記形式にしてみました。
少しでもお楽しみ戴けましたら幸いです。
話し方、内容等気になる点がございましたらお気軽にリテイクをお申し付け下さい。
ご依頼戴きありがとうございました。