※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
噂の女
 田舎に引きこもってだらだら生きてるつもりでも、趣味は喧嘩と博打、特技が喧嘩と怠け、生きがいに至ってはひりつく喧嘩なゾファル・G・初火のこと。なかなかにバイオレンスな毎日を送っていた。


「イカサマじゃねぇか!」
 タスカービレ村の賭場を仕切る胴元、がめついというかアホな上に腕が足りていないため、事情を知らぬ流れ者がしょっちゅう騒ぎを引き起こす。
「てめぇ、なめたことしてくれんじゃねぇか! 巻き上げてくれたカネの代わりに首置いてってもらおうかい!」
「ひぃぇえええええええ」
 このような事態に備えて掘られた脱出口に逃げ込む胴元の代わり、用心棒の「姐さん」を呼びに行くのは若い者の大事な仕事だ。正直、転職を考えないでもないが、こんな田舎でヤクザ者がしのいでいける稼業がほかにない。ため息を飲み込んで、若い者は全力で使い走るよりなかった。

「オヤジ、姐さんお連れしましたーっ!」
「その喧嘩、俺様ちゃんが買ったぜーっ!」
 木刀片手に修羅場と化した賭場へ突っ込んでくるゾファル。
 その姿に流れ者どもは目を奪われた。
 こいつは、できる。この世界で流れ者をやるにはそれなり以上の目と腕が必要だから、それはすぐに知れた。いや、ゾファルが妙に薄着なので、この場合は見たままなわけだがしかし。
「……でけぇな、嬢ちゃん」
 身長180センチの彼女は、並の男より頭ひとつはでかい。
「実に残念だが、まったくもって残念だな」
 恵まれた身長の割に、その胸は比較的――気づかいからの表現だが――ささやか。
「あー」
 流れ者を束ねる頭目はしんみりした目でゾファルを見上げ。
「服、着ろや。なんかやる気でねぇし」
 うなずく流れ者たち。
 対するゾファルはそっと木刀を振り上げて、頭目の頭をすかぱーん! 思いっきり打ち据えた。
「おっちゃんたち。命。いらねーな?」
 憤りを区切って語るゾファルに、流れ者たちは「あ、これ逆鱗ってやつじゃね?」、今さらながら気づくのだった。

 必死で戦った。
 必死で抵抗した。
 しかし、乙女(?)の怒りは歴戦を誇るはずの流れ者の連携をあっさり超え、彼らをぶちのめした。
 失神した頭目や怪我した仲間を引きずって逃げ出した彼らは、ようやくたどりついた近隣の村で噂するのだ。
「タスカービレにゃ残念なバケモノ女がいやがる!」
 それを与太話と笑い飛ばした別の流れ者たちが、逆に興味をひかれてタスカービレに向かう。そして思い知るのだ――残念なバケモノ女の実在を。
 程なく彼らは次なる噂の元となり、さらなる犠牲者を増やしていくわけだが、それはまた別の話である。


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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ゾファル・G・初火(ka4407) / 女性 / 16歳 / 喧嘩上等!】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 世に触れてはならぬものあり。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
ゾファル・G・初火(ka4407)
副発注者(最大10名)
クリエイター:電気石八生
商品:おまけノベル

納品日:2017/12/18 15:51