※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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闘いの跡
ゾファル・G・初火(ka4407)は依頼の合間、空いた時間を使ってマギア砦を訪れていた。
…………思えばこの砦で何度も巨人の軍勢とやり合ったものだ。
しかも近代兵器で武装した厄介な奴らと。奴らの防護服はCAM用の太刀と言えど一撃では斬り裂けない。
そんなものが大量に群れを成し、ここへ押し寄せたのだ…………。
まあ…………楽しかった。と、ゾファルは思い返す。
自分は死地が好きである。戦いは死地あってこそ燃え上がり、滾るのだ。
大量の武装巨人は元より、指揮官に率いられた武装巨人とやり合ったときには血沸き肉躍った。
脳がビリビリと痺れるような感覚。アレをまた感じたい…………。
しかしながら世界は――リアルブルーが封印され、主な戦場はクリムゾンウェストへ戻って来た。
また近々『死地』と呼べる戦場に自分は飛び込むのだと、ゾファルは直感的に思った。
マギア砦の北門を出ると…………そこはボコボコの荒地。いわゆる戦場跡…………。
未だに撃破した武装巨人の防具などがちらほら転がっている。
流石に武装巨人の武器は全て回収されたようだが、防具は価値が薄いのか放置されたままである。
砲弾やらが炸裂した跡の地面のボコボコは…………均す暇も人手もないのだろう。
指揮官クラスの巨人が多数の武装巨人を率いて攻めて来て、負傷者は出たもののほぼ完全勝利したときのままだ。
地面を均すにしても工兵やら土木作業用のゴーレムなどが必要になる。
…………均されていないと言うことは『そうする必要が無い』と判断されたのだと思われる。
対ビックマー戦以降、辺境で大きな戦いは起こっていないのだ。
その後、ゾファルはレンタルした魔導バイクに跨り、マギア砦の北を爆走する――。
ヘルメットに真っ赤なライダースーツ、そして首にはマフラーを巻いている。
普段は束縛されるのが嫌でラフな格好のゾファルだが流石にこの季節の寒さで爆走するのにラフな格好では身体に堪える。
何もない荒地…………辺境北部をゾファルは魔導バイクでひた走る。
武装巨人が徘徊していることを警戒し、CAMで来なくて良かったのか? という疑問が浮かぶかもしれないが。
これまで一度も敵とエンカウントしていない。巨人の大半は対ビックマー戦で在庫切れと思われる。
それに…………今の自分ならば生身でも数体程度ならば対処出来る。その自信がゾファルにはあった。
魔導バイクでひたすら北上し、着いたのは敵の兵器工廠跡地…………。
指揮官の戦闘不能と連動して派手に爆発したので、今はただの廃墟。
唯一生き残っていた端末も連合軍が回収済みなので…………ここもやはり撃破した武装巨人の防具がそこらに転がっているのみ。
「なんだか寂しいじゃん」
ぽつりと漏らす。ここに来れば何かがあるかと思ったのだが…………そうはいかなかったようだ。
でも…………そういえば敵の端末に残された情報には稼働中の兵器工廠がまだ辺境北部のどこかにあるらしかった。
またそれを潰すことになるかもしれない。また巨人とやり合えるかもしれない。そう考えると楽しくなってきた。
そしてゾファルは再び魔導バイクに跨り、帰路に着いたのだった…………。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka4407@WT10/ゾファル・G・初火/女/16/闘狩人】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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大変お待たせしてすみません。
ゾファルさんが戦場跡を見に行くというシチュエーションで書かせていただきました。
楽しんでいただければ幸いです。
ご発注ありがとうございました。