※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
おまけ/ボンボンですかぁ

「こ、これは……」
 係員に指示された控室に入った弓月・小太(ka4679)の目に、ピンク色のボンボンが映った。長椅子の上に置かれている。
「誰かが後で使うんですかね」
 とりあえず手に取ってみる。
 ――さら……。
 誰もいない静かな控室に、びっくりするほど涼やかで清楚な音が響いた。
「ふわ……こんなにきれいな音がするんですねぇ」
 小太、感心した。
 思わずちゃんと両手に構え、右手のボンボンを小さく振ってみる。
 ――さら、さら、さっさっ……。
 今度は左。
 ――さら、さっ……。
「いい響きですねぇ」
 気に入ってしまった。両手を口元に当て少し腰を引き微笑する。
「こんなに楽しいものとは知りませんでしたよぉ」
 右腕を左腕側に水平に伸ばすと腰をずらして踵を小刻みにステップ。しゃんしゃん鳴るボンボン。そのリズムに合わせ右腕を伸ばしたまま徐々に前方に。
 正面まで来たら前奏の終わり。左腕を垂直に突き挙げ軽くジャンプする。青いミニの袴がひらめき白い太ももちらりん♪
 着地と同時に右腕を右に。左手で平泳ぎして腰をくねらせ前に。今度は右手で平泳ぎ。腰をひねって脚を踏み替え、くねりながら前進。
「それっ」
 そしてビートアップ。
 右脚を高々上げて伸ばし、股の下で両手のボンボンを打ち鳴らす。セクシーに跳ねるミニ袴。今度は反対。左足を高く股下でヘイ!
 最後は胸の前で糸巻きするように両手を回転させ徐々に屈む。さらさらさら……とボンボンの音が切迫すると……。
「やあっ!」
 万歳Y字ジャンプを全力で。両の踵がそれぞれの太ももにつくぐらいに元気よく、胸もいっぱいに反らして。
 が。
 着地して息をついた時だったッ!
「ああん、ボンボン更衣室に忘れちゃったぁ」
「ドジよねぇ。でもちょうどいいわ。アタシ、アンダースコートが緩くて下着ごとズレそうだから違うの探すか、もう一枚下着を上履きするかしなくちゃ」
 控室の外からそんな女性の声が聞こえた!
「ふぇ……ボンボン? 下着、ですかぁ」
 手にしたボンボンを慌てて捨てる小太。声が近くなる。足音も大きくなる。もう外には逃げられない!
「と、とにかく隠れますぅ」
 ロッカーの一つに逃げ込む!
 脱ぎたて、とはいかないまでも温もりの残る薄衣が頬に触れる。その感触に赤くなるがもう身動きできない。
 ガチャリ、と控室に数人の入る気配。
 絶体絶命の小太、どうなるッ!
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
弓月・小太(ka4679)
副発注者(最大10名)
クリエイター:瀬川潮
商品:おまけノベル

納品日:2016/12/05 14:50