※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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あの後――マーゴット
アリシア・ジーナス(kz0149)との戦いから或る日――。
マーゴット(ka5022)はアリシアの眠る墓へと赴いていた。
普通ならば――歪虚に墓など無いのだが……マーゴット達の強い希望で墓が建てられる事となった。
アリシアの眠る墓はぽつんと一つだけ建っている。
それは彼女――アリシアの立場を歪虚という存在故にだ。
人類が――クリゾンウェストの人々が眠る墓地からはだいぶ離れている。
そんな、アリシアの墓の前に佇むのはマーゴットとアリシアの元副官のレジーナ・アリウスだ。
「ここ最近はね――」
花を手向けて近況を語るマーゴット。
嬉しかった事、悲しかった事、依頼での出来事――仲間との出来事や――仔細もらさずに語りかけるマーゴット。
自分に起こった出来事を『自分と同じ』だと言ったアリシアに聞いて欲しかったのだろう。
レジーナはただただ、そのマーゴットの様子を見ているだけだ。
墓と――否、アリシアに話しかけているマーゴットの『対話』を邪魔するのは躊躇われたからだ。
「本当に、これで良かったのかな……」
アリシアとの数々の対話を思い出して呟くマーゴット。
初めてあったのは集落を襲っていて人を食っているところだった。
アリシアに疑問を抱いて問いかけたのが最初だった。
戦闘の中でのアリシアとの対話――。
否定され、逆に『自分と同じ』だと言われることも。
心を砕かれたこともあった。
アリシアの事を知る機会もできた――隣りにいる、レジーナを見るマーゴット。
知ったからこそ――。
「本当に救えたのだろうか……」
そう、ポツリと呟くマーゴット。
「……どうなんでしょうね……」
呟きに答えるレジーナ。
救われたかどうかは――アリシア自身でないとわからない。
それはアリシアが決めることだからだ。
(……アリシアの最後には後悔はない――だけど、自分は何かできたのでは――)
マーゴットは『何か』できたはずだとずっと心に引っかかっている。
そう――ずっと。
そう思う中で色々なIfがマーゴットの頭のなかで巡る。
もしかしたら――アリシアが歪虚になっていなかったら――お互いはどんな風になっていたか。
出会うことがなかったら――自分もアリシアもどうなっていたのか。
ありえたかもしれない未来――。
そして、『アリシアの最後』という『現実』。
様々な選択肢を経て辿り着いた『現実』
「……何か、何か出来たんじゃないかな……アリシアの最後に対して……」
呟く様にしゃべるマーゴット。
「……一人で逝くことなく看取られた事は、アリィにとってよかったと思います……」
アリシアの元部隊の任務柄、秘匿性が高いために人知れず看取られる事なく死ぬようなことはざらだった。
しかし、アリシアの死はレジーナとマーゴット達ハンターで看取った。
敵であったとしても――言葉を交わして心を通じ合わせた相手のマーゴットが看取った事は『幸運』だった。
「そう……かな」
「えぇ、そうですよ」
看取ることが出来たのはあの中での選択では最善だったろう。
あの戦闘でもしかしたら――看取ることが出来なかった事だってありえたのだから。
「これから……」
(……囚われ続けちゃいけない――立ち止まらないで前に進もう)
言いかけ、マーゴットは前に進むことを決意する。
マーゴットには死んだアリシアと違って『未来』があるのだから。
「立ち止まらないで、前に進む――それが……私にできるたったひとつの事だから」
(それが、アリシアが刻むはずの時間を奪った者として――アリシアの友であると決めた自分ができる唯一の事だから――)
「えぇ――忘れはしないけど――前に進みましょう」
そう言うレジーナ――彼女もアリシアと仲が良かった人間として前に進むことを決意していた。
立ち止まらなても――前に進んでも――振り返る事はできるのだから。
死んだアリシアの分まで幸せになる――それが残された者のある意味、義務なのかもしれない。
墓場を後にする二人――。
「また――来るね」
振り返ってそう言うマーゴット。
手向けた花が――返事をしたかのように見えた。
その日は青空の広がる晴天だった。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka5022 / マーゴット / 女 / 118 / 舞刀士】
【kz0140 / アリシア・ジーナス / 女 / 28 / 歪虚】
【レジーナ・アリウス / 女 】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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大分お待たせしました。
後醍醐です。
どういうふうに書こうか悩みました――結構、時間を取られました。
ただただ、語りかけるだけでなく、どう思いを出そうか。
アリシアに代わってレジーナが答える形となりました。
もし歪虚化せずに――ハンターとしてお互い出会いっていたならば
アリシアとマーゴットの関係がどうなっていたか気なる所です。
Ifの二人というのも面白いかもしれません。
この度は発注ありがとうございました。
機会があればまたお願い致します。