※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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●プロローグ
紅い旗袍に身を包んだ少女が、番台の前を過ぎた。
歳の頃は十代前半と言った所だろうか――恐らくは動きやすさを重宝しているであろう東方の装束は、上腿部まで大きくスリットが入っている。
骨盤の凹凸までが露わなこの衣装に、人知れず目を付ける男が一人……
しかし風呂好きの少女はそんな事は露知らず、うきうきと女湯の暖簾をくぐる。男が忍び足で其処に近づくのにも気づかずに。
……つくづく不運な娘である。
●とある従業員の手記
吃驚したよ。山積みのタオルを運んでいたら、突然男の客とぶつかりそうになって。
それを避けて安心していたら、今度はお風呂から飛び出して来た女の子が思いっきりぶつかってくるんだもの。しかもその子、俺の目の前で大股を広げてバターンと倒れちゃって。
思わずあれ……凝視しちゃったけど、俺は悪くないよな。
俺の目線にも気付いていない様子で、その子はバッと立ち上がると「服泥棒です!」って叫んで、何とそのまま外に走り出て行ったよ。
俺も周りの客もしばらくは、開いた口が塞がらなかったね。
いやぁ、こんな寂れた銭湯で働いていても、良い事ってあるんだな。ウヒヒ……ぷにぷにしてて、濡れててツヤツヤで。ピンク色で、柔らかそうだったぜ。
そういえば帰りに酒場に寄ってその話を自慢したら、俺も夕方頃に繁華街で痴女――っていうか痴幼女? を見たって言う奴がいっぱいいたなあ。
ハハハ、俺が羨ましいからって無理して作り話しやがって。
家に帰ってみたら、カミさんは別の通りで赤面して爆走する露出狂幼女を目撃したらしい。……なんてホラーだ、そりゃあ。
世の中、意外とラッキースケベで溢れてるぜ!