※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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人魚気分でビーチパラダイス
「初華さん、夏に泳がないなんて勿体無いよ♪ ということで海に遊びに行かないかな?かな?」
狐中・小鳥(ka5484)が街角屋台「Pクレープ」のカウンターに身を乗り上げ、中にいる南那初華(kz0135)にぐーんとアップで迫る。小鳥、後ろに上げた片足をぷらぷら。すでに気分は夏色で、瞳も波間に揺らぐ陽光のようにキラキラ。
「そだね。たまにはお仕事抜きで海に行きたいよね!」
「じゃ、わたしがあした魔導トラックを出すんだよ♪」
手にしたお玉を置いて小鳥の手を取る初華。小鳥も満足そうな満面の笑みで握り返す。
そんな小鳥の白い手は次の日、魔導トラック(ka5484unit001)のハンドルを握っていた。
「そーいえば小鳥さんの車に乗るっての、初めてかも~」
「よければいつでも乗せてあげるんだよ♪」
女の子二人で海岸線をドライブ。風に流れる髪に遠くでゆっくりと後方に消えていく海辺の景色。ハンドルから片手を放し、手櫛で髪を整え初華を見る小鳥。視線に気付いてほほ笑む初華。ごとん、と揺れるトラック。少しびっくりする二人だがすぐにまた快調に進みほっとしてにこり。
「きょうは誘ってくれてありがとね」
「どういたしましてだよ♪」
初華の感謝。
小鳥としては、今年はまだ海に行ってないしどうせなら一人より二人の方が楽しいし、ということで。け、けっして一緒に行く人がいないわけじゃないデスヨ。
――ききっ。
そして海水浴場に到着。
着替えはトラックの荷台の中だが……。
「んあっ! 小鳥さん、その水着は何っ!?」
ワンピース水着を手にしていた初華が背後の気配に気付き振り向くと、驚きの声を上げた。
「ふえ?」
小鳥はちょうど背中に両手を回してビキニトップの紐を結んでいたところだ。
振り向き正面を向くと、何と身に着けていたのは真珠が入っているような大きくふっくらした二枚貝の貝殻ビキニである。
「ちょっと大胆過ぎのような」
「は、恥ずかしくはあるけどせっかく海だし……」
初華に見られつつも今度は身を屈める小鳥、下着をすっと足から抜いて代わりに穿いたのは、やっぱり貝殻水着だったり。今度のは細くて美しい曲線を描いている。あとはヒップと腰骨に紐を回してあるだけ。
「た、確かに海でしか着れないけど……」
「お、女は度胸!なんだよ。初華さんもどうかな?かな?」
「ほへ?」
というわけで、貝殻ビキニ姿の女の子二人が白い砂浜を海辺に向かって走っている。さくさくっと砂を蹴上げる後姿は、お尻がほぼ丸出しで。
波打ち際まで行くと早速水の掛け合いを。
「わわっ! 初華さん、激しいんだよ」
「恥ずかしさを紛らすためには集中するのみ。こうよこうよこうよっ!」
「それならわたしもなんだよ! それそれそれっ!」
たちまちハンター二人による照れ隠しの本気水掛け合戦がばしゃばしゃと。
「あの二人、いいんじゃね?」
「いや、アレはヤバいだろ」
ビーチにいるナンパ男も引いてしまうありさまで。
ともかく、水しぶきでびしょ濡れの二人。
「あ。このままだと日焼けしちゃう?」
「日焼け止めもちゃんとあるんだよ」
濡れた肌を気にする初華。小鳥はそれならと初華の手をつかんでパラソルまで戻る。
そんなわけで、ぬりぬりタイム♪
「日焼けには気をつけないとね♪」
小鳥は可愛らしくぺたんと座って腕とか胸元とか自分で塗っていたが、隣の様子に気付いて初華に向き直った。
「あ、初華さん、後ろは私が塗ってあげるんだよ♪」
「ほへ? ああんっ!」
初華、不意を突かれてあっという間にうつぶせにされた。
「貝殻水着だとお尻が塗りやすいんだよ♪」
「ああん、ダメダメダメ~っ」
ぬりぬりする小鳥の手に悶絶する初華。肌の部分が広いだけに掌の動きもスムーズでより感じやすいようで。
「くっ……私だって! はぁい、リラックスしてくださいねーっ」
「はや? 初華さんそれマッサージが入ってるんだよ!」
ほへー、と余韻に浸っていた初華だったが反撃とばかりに起き上がり小鳥をうつぶせにしてリラクゼーションマッサージをしてみたり。もちろん日焼けオイルを塗っているのだが。
「どうせならマッサージは泳いだ後がいいんじゃないかな?かな?」
「ん、それもそうだね」
この言い分に納得した初華、小鳥を開放。浮き輪をつかんで起き上がる小鳥に手を貸すとそのままつないで再び波打ち際へレッツゴー!
「はい、小鳥さんは浮き輪にお尻を入れてね~」
「ぬ、抜けなくなったら困るだよ?」
とかなんとか言いつつ、浮き輪に腰掛けるようにして浮かぶ小鳥を初華が泳いで押して移動したり。
「は~。楽ちんなんだよ~」
「と見せかけて、それっ!」
「わわっ!」
リラックスしきった小鳥に意地悪して転覆させる初華だったり。
楽しい時間は過ぎるのも早く、いつの間にかお昼に。
「やっぱり海の家といったら焼きそばなんだよ♪」
「ほへ~、焼きめしもあるんだ~」
ずるずるやってる小鳥に焼きめしを持って来る初華。
「……やっぱり濃い味」
「水分補給もスムーズにできるからじゃないかな?」
とにかく美味しく平らげる。
「次はどーするー?」
「せっかくだから沖まで行ってみるといいんじゃないかな?」
「せっかく?」
首をひねる初華。
「とにかく、あそこの筏まで泳ぐんだよ!」
「あん、待って!」
というわけで海まで駆け出し、今度は本格的に泳ぐ。
「ぷはっ!」
「次は潜るんだよ!」
筏まで泳ぎ着いて一息つく初華だったが、小鳥はすぐに海の中に。
「ちょ……んもう。仕方ないなぁ」
初華もざふん。
(うわぁ……)
透明感のある海の中を行くと、揺らぐ海草にすすっと泳いで逃げる色とりどりの魚などが視界に広がる。
そして「せっかく」の意味を理解する。
(あはっ。小鳥さん、人魚姫みたい)
貝殻ビキニを着ているので、魚の群れの近くで泳ぐ小鳥がおとぎ話の主人公のように映る。
(初華さん、そこに座ってみてほしいんだよ)
小鳥、ウインクして先を指差す。
で初華が水の中では座りにくいなぁと思いつつもポーズを取る。
(人魚姫みたいなんだよ)
(それはこっちも小鳥さん見て思ってたよぅ)
言葉はないが身振り手振りでそんなやり取りを。
「ぷはっ」
「次はわたしが座って巻貝を耳に当ててみるんだよ」
一度上がってまた潜る。
そんな乙女心をくすぐる遊びに夢中になって、心行くまで堪能すると、今度は魚を追って泳ぐことに。
(まてまて~)
(今度はこっちなんだよ)
そんなことをしているとさすがに疲れ果てたりも。
ちょうど、浅瀬まで戻ってきているので上がることにした。
その時だった。
「見てみて~。大きな貝を見つけたよ~っ!」
子供の無邪気な声が聞こえた。
「あ、確かにおっきい」
振り向く初華。釣られて小鳥も振り向く。
「浜辺でも大きい貝が取れるんだ? どんなのだろ……って、あれ? あれって何処かで見たような…?」
子供が掲げていたのは、真珠が入っているような大きくふっくらした二枚貝の二つ。
なお、紐でつながっている様子。
小鳥、何かに気付いた!
「こっちも見つけたーっ!」
「あーっ!」
初華も自分の格好に気付く!
そんなわけで。
「ま、まるでカニさんなんだよ」
「し、仕方ないじゃない」
二人ぴったり抱き着いて、魔導トラックまでカニ歩きするのだった。
ちゃんちゃん♪
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka5484/狐中・小鳥/女/12/舞刀士
kz0135/南那初華/女/17/猟撃士
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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狐中・小鳥 様
いつもお世話様になっております。
大胆な貝殻ビキニでビーチパラダイスなお話です。
小鳥さんの不幸属性と初華の巻き込まれ体質が炸裂していますが。
とはいえ、人魚姫がしたかったので純粋ですよね、乙女ですよね、ロマンですよねっ!
おそらく、二人とも全力で遊んで恥ずかしさに塗れながら慣れない社交ダンスっぽい動きで戻って来たんだから心身ともに疲れたはず。
夜はぐっすり眠れそうです。
その前に塩水はたっぷり水浴びして落としてね。
それではご発注、ありがとうございました。