※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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注文の多い露天ミルク温泉♪
「ほへ?」
山奥の温泉の更衣室で、南那初華(kz0135)が何やら張り紙を見つけたようです。
「どうしたのかな、初華さん?」
そこへ狐中・小鳥(ka5484)さんが寄ってきました。
「これ見て、小鳥さん」
「ええと……『この温泉はミルク湯です。特に指輪やネックレスなどへの悪影響に配慮するため、金属類はすべて外してお入りください』? 普通そうなんじゃないかな、かな?」
「だよね~」
張り紙で注意することかしら、と首を傾げながら二人は衣装を脱いでバスタオルを体に巻き付けます。
で、気付くのです。
「ほへ? 『バスタオルを身に着けたまま湯船には漬からないでください。肌にミルクがしっとりとなじまなくなります』?」
「まあ、それは言われてみればそうかもだよ」
小鳥、納得。
で、さらに初華が気付くのです。
「ほへ? 『入浴前にはちゃんと体を洗いましょう。湯船に漬かるときは首までしっかりと。すぐに上がらずにじっくり長く。そうしないとミルク成分が素肌になじみません。すぐに上がるのは禁止です』?」
「禁止……」
小鳥、あまりの指示の細かさにちょっと呆れ気味です。
そればかりではありません。
「ほへ? 『入浴前には好みで塩を擦り込んだりレモン汁をまぶしてみるとさらに素肌に効果的です』?」
「ここまでくるとまるで料理なんだよ……」
小鳥、汗たら~してますね。
そんな疑いを持ったところ、さらに張り紙を発見。
「ほへ? 『誤解なされないよう繰り返しますが、ここはミルク湯です。肌に良い成分をしっかり取り込んで素肌美人になりましょう。もしも二人で入浴の場合はお互いの肌を撫で合うと普段手の届かないところにも入念なマッサージができるでしょう』。……わ、私たち二人だね」
「じゃ、マッサージし合いっこしたことあるし、湯の中でもするんだよ♪」
赤くなってもじもじする初華を明るく誘う小鳥です。
「う、うん……。あ、『マッサージの際は素手か素肌でお願いします。スポンジなどは禁止です。肌に優しいのはやはり素肌♪』だって」
「これは間違いないかもだよ。さ、早く素肌美人になるんだよ♪」
というわけで、二人そろって露天風呂にゴーです。
で、小鳥は小ぶりな胸などを泡泡にして、初華はおっきな胸を泡泡にしてよく洗い、いざ入浴。
「初華さんは何にしたかな?」
「私は塩かな」
「引き締め効果とかかな?かな?」
「あんもう、そんなんじゃないよぅ。そういう小鳥さんはレモン? ほんのり香るかなぁ?」
「うーん、どうかな?」
くんくんとかしながら二人仲良く、ちゃぽん。まずは胸元まで。
湯気が濃い中でも、見上げる夜空にはぽっかりと月が浮かんでいます。
「ふーっ、気持ちいいね」
「いい気持ちなんだよ♪」
そして二人とも首までどっぷり。足もうーんと伸ばします。身体は白いお湯に完全に隠れました。
その時でした。
――ぐに……。
「はわっ?!」
――ぐにゅ……。
「ほへ?」
おや。
二人して何か眉をひそめましたよ?
「何かな、この感触……」
「あ、一度入ったらしばらく出ちゃダメなんじゃなかったっけ?」
腰を上げようとした小鳥を初華が止めます。素肌美人のためにはここで上がってしまうわけにはいきません。
「でもなんだろ」
「んあっ! なんかねばねば~」
そういって出した初華の手には……。
「お餅……かな?」
「なんで餅が入ってるのよ!」
汗たら~な小鳥に怒り心頭の初華です。
「これじゃミルク鍋じゃない」
「ミルク鍋にもお餅はないんだよ」
呆れつつも湯から出ません。だって素肌美人のためだもの。たとえ食われようとも……。
――ガササッ!
『グォォ!』
おっと。
温泉そばの茂みから大きな赤鬼が現れました。手には大きな包丁を持っています。まるで鍋の出来上がりを待っていたかのようです。
「あーっ! 私たちを鍋にして食べるつもりねーーっ!」
気付く初華ですが、武器はありません。
どうしましょうッ!
「そんなことはさせないんだよっ!」
小鳥、湯の中に手を突っ込んで餅を手にするとすかさず投げつけました。
――べちゃっ!
「いまだ!」
初華、目潰してひるむ隙を見て湯から出ると大包丁を持った腕に飛びつきました。十字固めです。ここからグラウンドの展開に持ち込みたいところですが体格が違います。ぶらんとぶら下がるだけですが……。
「小鳥さん、お願いっ!」
敵の動きは止めてます!
「了解だよ、初華さん! アイドルとして華麗に舞い……」
小鳥、湯船の縁の岩に手を付き腰を浮かせました。そのまま伸身しつつ大赤鬼の下あごを狙い……。
「あの月まで届くんだよーーーっ!」
スラっとした脚を伸ばしますッ!
――ドガッ! ……ズズン。
「どうする? 入り直す?」
初華、鬼が倒れて消えたのを確認し小鳥を振り返ります。
「運動で体もほぐれたし、マッサージでもいいんじゃないかな?」
二人でゆすいで、温泉を後にするのでした。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka5484/狐中・小鳥/女性/12/舞刀士
kz0135/南那初華/女性/17/猟撃士
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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狐中・小鳥 様
いつもお世話様になっております。
小鳥さんですから温泉のお話です。断定するのもどうかと思いますが、温泉です。最初に連想されるのが不幸属性でないだけましだと思うのです。
でもって、一人でもよかったのですが初華をお供に。これで不幸属性二倍です。
内容は、そういえば前にシナリオで「ホワイトデーの白いカオス温泉」なんてやったな~、とか思いつつ、それで。
さすがにお餅でマッサージとかにはしませんでした。
タイトルで内容バレバレじゃないか、というご意見もあろうかもですが、その分餅が来るという予想は免れたのではないかと。
あれ?
今回着替えのシーンがほぼ描写無しじゃない、な感じですが、この二人はもう何度も書いてますからね~。
でも戦闘シーンどうしよう。
小鳥さんて双剣で舞うイメージだけど温泉だとそれできないし……。
ま、いっか。
小道具はお餅を使うところとして、後はきれいに美しく。
な流れでこうなりました。
ともかく、きっとこの後二人でマッサージして、一応ミルク風呂入ったんだし素肌美人になったと考えてくださいませ。
この度はご発注、ありがとうございました♪