※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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それでも心はひとつ
冷えた身体を自らの外套で包んでくれる彼の腕を見ながら、アークはふとダルマの言葉を思い出した。
「そういえば、非番の飛龍がいたんだよね? ……敵に潜られない内に倒してしまわなきゃいけなかったし、やっぱり貸してもらったら良かったかな」
ぴたりとシャンカラの手が止まる。首を傾げ振り向くと、何故か彼は顔を背けた。
「えっと……もし次があるなら、別々に騎乗した方が良いよね?」
「そう、ですね」
「機動力も活かせるし」
「ええ、まあ」
「その方がきみも全力で剣を振れるだろうし」
すると彼は拗ねたように横目で軽く睨んできた。
「もう……分かって言ってるでしょう?」
「何を?」
尋ねると、彼はアークの髪に顔を埋め口篭る。
「だって……この前お会いした時は、僕から触れてはいけなかったでしょう? それ以前に、急に僕が触れると驚くと言ってましたし」
「?」
「ですから……二人乗りなら、その……状況的に触れても許してもらえるのかな、と」
アークは彼の顔をまじまじ見つめた。先程までの隊長らしい精悍な顔つきはどこへやら、耳まで真っ赤にして首を縮めている。まるで悪戯がバレた子供のように。
「公私混同するなんてダメだと分かっています。でも、」
それ以上言わさぬよう、彼の唇に人差し指を押し当てた。
「"隊長"としてはいけないことだと思うけど……少し、ホッとした」
至近距離で見つめ返され、身体が熱くなってくる。勢い触れてしまった指先からじわじわと肌が焦がされていくようで。半ばショートした頭で懸命に言葉を紡ぐ。
「意識してるのは俺だけだと思ってたから……。『隊長の顔』も好きだけど……いつもの……こ、『恋人としての顔』は……今の顔は俺に向けられているものだから、その、胸がぎゅっとなって幸せになる……感じがす、」
すると全て告げ終わる前に、息が詰まる程強く抱きすくめられた。
「シャ、シャンカラ?」
「~~っ……もうダメです。もう我慢できませんししません」
「『しません』って」
たじろいでいると、頬に手を添えられる。
「ゆっくりで良いって言いましたけど……いけませんか?」
次いで、性急に近寄せられる唇。アークは反射的に彼の胸を押し返す。
「な、何もこんな吹雪の中でしなくてもっ」
「確かに。じゃあ戻ってから、執務室でゆっくりと」
「!?」
開き直った彼はにっこり笑って龍首を巡らす。何だか飛龍が呆れた顔をしている気がしたけれど、もうそれどころではないアークだった。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6568/アーク・フォーサイス/男性/17歳/決意は刃と共に】
ゲストNPC
【kz0226/シャンカラ/男性/25歳/龍騎士隊隊長】