※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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夢から醒めて
「……――ッ!?」
身体を強か何かに打ち付け、レナード・クーク(ka6613)は目を覚ました。
頬の下には床。傍らに寝台。どうやら転げ落ちたらしい。
今まで見ていた、夢とは思えない程リアルな夢が、心臓をぎりぎりと締め上げる。
夢の最後とリンクした身体の痛みが、より一層ただの夢ではないもののように思わせて。
「……あかん。あかんで僕!」
やにわに叫ぶと、レナードはいても立ってもいられず、寝癖を直すのもそこそこに部屋を飛び出した。
やって来たのは、まだ春遠き北方の地。
ともかく友人の顔を見たくて堪らなくなったのだ。けれど生憎、西方在住の親しい友人達は、皆依頼で出払っていた。
「ダルマさーんっ!!」
通りがかりの龍騎士に教えてもらった龍舎へ駆ける。扉を開けると、北方の普段着姿のダルマ(kz0251)は、相棒の飛龍の手入れをしている所だった。
「お? レナードじゃねェか、どうし……」
「ダルマさぁーんっ!」
振り向き立ち上がったダルマへ、走り込んできたレナードが強烈なタックルを……もとい、駆け込んできた勢いそのままに抱きついた。
「ごふっ」
よろめくダルマ。けれどレナードは構わずその胸元を探る。
「お守り、お守り……あ、あった。良かったぁ、ちゃんと付けてくれてるんやぁ」
「おま……いきなり何なんだ……非番だったからいいものの、俺が鎧つけてたら頭かち割れてんぞ」
腹を擦って呻くダルマに謝ってから、レナードは細めた瞳で真摯に見上げた。
「僕も馬鹿な真似せんようにするから、ダルマさんも僕があないな事せんよう、頑張って長生きしてくれなあかんで?」
「いや、何言ってっか分かんねェんだが……」
「分からんくてもええんよ。お守り、ちゃんと付けとってね?」
「お、おう?」
よく分からない顔をしながらも、ダルマが紅玉のペンダントヘッドを握り締めたのを見、レナードは満足げに笑い踵を返す。
「突然お邪魔してごめんやでダルマさん。ほな、またー」
「は? いやいや折角来たんだ、茶ァくれぇ飲んでけよ」
「ええの? なら僕、あったかいコケモモ酒がええなぁ……龍園、思ったより寒うて」
「いいねェ、昼から一杯やっちまうかァ?」
見た目の年齢が随分離れたふたりは、顔を見合わせ悪戯っぽく笑い合う。
そうして、ダルマが作業を終えるのを待って、揃って龍舎を後にした。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6613/レナード・クーク/男性/17歳/Fly2 Aurora!】
ゲストNPC
【kz0251/ダルマ/男性/36歳/年長龍騎士】