※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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世界を見て回る意味
要塞『ノアーラ・クンタウ』。
辺境と帝国の境に建設された山城で、長い壁が築かれて帝国領内へ侵攻しようとする歪虚をこの地で食い止めている。一昔前であれば、最前線と言っても過言ではなかった。
このノアーラ・クンタウ内は、辺境へ向かう商人にとっては中継地点となっている。
転移門やハンターズソサエティだけではなく、同盟商人の商業管理事務所ゴルドゲイルも存在。自然と多くの商人達が集まり、ノアーラ・クンタウは辺境でも有数の商売の街となっている。
帝国にとっては最前線なのだが、辺境から見れば商業都市。
二つの地域に接するだけあり、見方によっては様々な顔を併せ持っている。
「相変わらずだな、ここは」
カイン・シュミート(ka6967)は道の真ん中で周囲を見回した。
建物は古いが、酒場も建ち並び活気もある。
帝都と比べれば古びた街並みかもしれないが、カイン自身はこの雰囲気が嫌いではない。
「商店の中にある居酒屋で飲む酒。眼前には雄大に広がる辺境の地とビャスラグ山……」
ビールを片手に広がる自然を語ろうとしたカイン。
始めは昼間から飲む酒で上機嫌になっていたのだろう。
だが、その風景を口にした途端、唐突にある事を思い出した。
今は亡き、ある女性が口にしていたセリフを――。
『考えてみたことない? 山の上に大きな城が築かれていて、そこから見渡す壮大な光景。その背後には商人が行き交って商売に活気溢れているの。その人達は出身や人種も様々。だから、もういろいろな物が店頭に並んでいるのよ。中には綺麗な宝石もあって……』
彼女が言ったセリフ。
奇しくも、カインの前に広がる光景こそ、彼女が語っていた光景であった。
奇妙な偶然――否、彼女がこの光景へ導いてくれたのかもしれない。
そう考えたカインは、店の親父へお声をかけた。
「親父、ビールをもう一つくれ。お代わりじゃない。もう一つ、ジョッキを並べて飲みたいんだ」
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6967/カイン・シュミート/男性/20/機導師(アルケミスト)】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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近藤豊でございます。
おまけノベルの方をお届けまします。カインさんはあまり他人に気遣われる事を嫌う設定だったのですが、その理由の一つになればと思ってリザさんに敢えて『気遣ってくれた』という表現を使っています。
幼馴染みという特別な関係だからこそ、細かい動作で気付いてしまう。
そのような仲だからこそ築けた関係ではないか。そう考えてこのおまけノベルを書かせていただいています。
本編含め、リテイク希望がございましたらお気軽にお声かけ下さい。