※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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猫の心 飼い主知らず
――姉さん結構おもいっきりやりましたね。
――いい薬だにゃ~。
そんなやり取りでもしているのだろうか、爪に残った血を舐めとっているブルーメとノーニーンは裏庭の一角に居た。
ノーニーンは転げるように悲鳴を上げて逃げ去っていく男が、路地の夜闇の向こうへと消えるまでを見つめている。
まあ、あれだけ怯えさせれば二度と戻ってはくるまい。
――そう言えばあいつさっきなにか落としてましたよね。
フラウとシィレーンの合図のときに、小さな音が響いたのをノーニーンは聞き逃していなかったのだ。
そして湧き上がる癖の衝動。
――回収しといてにゃ。
というブルーメの言葉に、小躍りしながらノーニーンは落とし物を探し始めた。
間男の落とし物である小さな金属製の棒を咥えて、がさがさと茂みの中をかいくぐる。
奥にあるのは猫ぐらいしか入れない、ノーニーンが密かに作った隠れ家である。
カインには気づかれているが、それを気にせず容認してくれるところもまた、ノーニーンは好きだった。
そんな隠れ家の一角をたしたしと浅く掘り、そこにロックピックを入れると砂をかけて埋め戻す。
これは趣味の蒐集品ではなく、証拠隠滅なのだ。
――これで大丈夫でしょう、主様は何も知らなくて良いのです。
しばらく埋め戻した場所を踏み固めてから、茂みから出るとちょうどカインが出かける所だった。
「にゃ~ん」
――主様おでかけですか?
「お見送りか? ありがとな」
わしわしと撫でられて嬉しそうにするノーニーン。
気づかれてはいないようだと安心して、そのまま出かけるカインを見送るのだった。
━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6967/カイン・シュミート/男性/20/機導師】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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本編では回収しなかった遺されたロックピックについての回収のお話でした。
なんとなく、これだけの子たちがいるのならものを隠す趣味の子も居るだろうな、ということでこんな感じになりました。
リテイクなどありましたらお気軽にお申し付けください。
この度はご依頼ありがとうございました。
――紫月紫織