※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
「とっても甘党」


「お前だったらどうする?」
 子どもたちが帰ってから、紅茶を飲んで談笑している中で、レオーネ・ティラトーレ(ka7249)はふと、ヴィルジーリオ(kz0278)にそう尋ねた。相手はきょとんとして、
「何がです?」
「俺が脱獄囚に蹴られてて、子どもたちを避難させないといけないってなったら」
「私に花言葉作文を作る頭はないので、そうですね……」
 ヴィルジーリオは天井を見上げた。
「お菓子とお茶を買ってきてもらいます」
「なるほど?」
 紅茶を一口飲んで、続きを待つ。
「レオーネお兄ちゃんは、実はとっても甘党だから、町で一番甘いお菓子を、味見しながら買ってきて欲しいと言います。お小遣いを多めに渡して」
 そうして一軒一軒回って、一番甘いお菓子が決まる頃にはカタがついている、というわけだ。お兄ちゃん、とっても甘党なんだって? 一番甘いお菓子を買ってきてあげたよ! 一緒に食べよう、と言う子供の姿が目に浮かんだ。微笑む。
「実際あなたが甘党かどうかは別として、紅茶があれば食べられなくもないでしょう」
「そう来たか。脱獄囚は?」
「私一人で戦うわけではないでしょうから、セオリー通りに突入してとっ捕まえます」
「爆破は勘弁してくれよ」
 からかう様な顔をして口を挟むと、ヴィルジーリオは少し顔をしかめた。
「しませんよ。よそのお宅ですし。脱獄囚を捕縛して連行したら、一緒にお茶をしましょう」
「なるほどな。子どもたちが買ってきたお菓子を、そのまま食べるというのは不自然じゃないからな」
「ですが、これだとあなたの心を慰めることができないのが難点ですね」
 赤毛の司祭は腕を組んで唸った。その姿が面白くて、レオーネは笑ってしまう。
「そう言うところが可愛いと思うよ、お前」
「ありがとう。まあ、下手の考え休むに似たり、なので、私の最適解はこれでしょうかね。お帰り際に抱きしめます」
「別れの言葉は?」
「『あなたが生きていることに感謝いたします』」
「お前らしい」
 レオーネは微笑む。
「あまり上手くはありませんが」
「いいや」
 彼は目を閉じて、首を振った。
「嬉しいよ」

━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
はじめてのおまけ。何書こうかな! と思って3パターンくらい考えました。外遊びで張り切って司祭が風邪を引く話、逆だったらどうする? でめちゃくちゃふざけ倒したパターン、そしてこちらです。レオーネさんはクロスタータ作るくらいだから甘い物嫌いではないとは思いますが、とっても甘党と言われて買ってこられたら果たしてどうなることやら……。
ご発注ありがとうございました。またご縁がありましたらよろしくお願いします。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
レオーネ・ティラトーレ(ka7249)
副発注者(最大10名)
クリエイター:三田村 薫
商品:おまけノベル

納品日:2020/01/22 10:44