ゲスト
(ka0000)
【万節】~万霊節:ハロウィン~
今年も【万霊節】の季節がやってきました。
東の方で起きた歪虚事件の影響は、反対側のここでも無縁では無いのでしょう。
仕入れや人の流れなど、困る事も出てきています。
とはいえ、そんな舞台裏は、やってこられるお客様方にはお見せできません。
ピースホライズンにいる間だけでも、嫌なことを忘れて幸せになって頂かないと、ね。
レオーナ・マンティエロ(kz0069)
現在の状況(10月1日更新)
連動シナリオ「万節」関連特設ページを公開いたしました。
コンテンツ一覧
オープニング
●崖上都市「ピースホライズン」の10月
クリムゾンウェストには、様々な都市がある。伝統と重みが見られる王国の都市、活気と喧騒に彩られた同盟の都市、質実剛健さを感じる帝国の都市。辺境諸部族の居住地域も、独自の風合いを持っている。
そんな多種多様な都市の中でも、異彩を放つと言えば。「冒険都市」リゼリオと共に双璧を成すのが「崖上都市」ピースホライズンだろう。昼は商売、夜は歓楽の為に灯は絶えず、眠らない街とも呼ばれている。
「ハロウィンの準備が進まないのですか? 困りましたね」
レオーナ・マンティエロ市長は微笑を浮かべたまま、僅かに小首を傾げる。大急ぎで報告に来たらしい初老の部下へお茶を勧める様子は、暇を持て余し気味の普通の老婦人のようだった。そんな市長のらしからぬ振る舞いには慣れているのか、汗を拭きつつ部下はクッキーをつまむ。
「はぁ……街道筋で、雑魔が出たとか。迂回しておりますので、3日ほど遅れるようです」
例年はそんな事は無いのだが、と恐縮する姿に、レオーナは考え込んだ。ハロウィンは年中イベントじみたピースホライズンにとっても、大きなお祭りだ。お菓子や料理が振る舞われる昼と、仮面の下で商売や恋の様々な駆け引きが行われる夜と、いずれが欠けても楽しめない。
「せっかくのお祭りですもの。楽しくないのはよくありませんよ。市民の皆さんには、幸せでいて貰わないと」
「王国には雑魔退治をお願いしてるのですが、手が足りないのだそうで……。
帝国側の輸送には余り問題は起きていないのですがねえ」
ため息交じりの報告に、レオーナは口元に手を当てて考え込む。すぐに、笑顔で口を開いた。
「では、ハンターズソサエティへ依頼を出しましょう。私、一応理事ですもの。
たまには使っても罰は当たりませんよ」
●万霊節の準備
人によって、あるいは地域によって違いがあるとはいえ、クリムゾンウェストの人々がこの季節にハロウィンの話題に関わらない事はめったにない。リアルブルーからの異邦人にとっては、少しだけ違和感があるようだ。
「お菓子をくれないと悪戯する……っていうのはリアルブルーでも同じだね。
仮面舞踏会とか、ちょっとロマンティックかも。……へぇ、大食い競争なんてのもあるんだ」
竹村早苗は、オフィスに並んだ依頼を見つつ、感心したように言う。同じお祭りと思えない程にバリエーションが豊富だという彼女の感想は当然のものだった。古来の儀式的な側面は薄れ、転移者が時折持ち込む風習と入り混じって、クリムゾンウェストのハロウィンはかなりカオスな催しになっている。
その為、必要な準備も多岐にわたり、この祭りの為の特殊な食材を取ってくる等と言うのは序の口。ボンオドリの舞台設営などという物まであるらしい。
「……盆踊り? ちょっと、色々混ざってる感じだけど、まあいいのかなあ。
カボチャを彫るだけの簡単なお仕事です……ってこれ、ハンターの仕事なの?」
眺めていると、ピースホライズン周りの依頼が幾つか目についた。王国と帝国の狭間で微妙な独立を保っている同市は、独自の警備隊を持っており、街中のトラブルや周辺の雑魔程度ならば処理できるのだが、最近は「何とかできる範囲」を超えることがでてきているのだろう。
「よし、これに決めたっと。頑張ってお金貯めないとね」
中から一つを選び、早苗は受付へ向かう。同じように依頼を眺めていたハンター達が、三々五々に動き始めた。
クリムゾンウェストには、様々な都市がある。伝統と重みが見られる王国の都市、活気と喧騒に彩られた同盟の都市、質実剛健さを感じる帝国の都市。辺境諸部族の居住地域も、独自の風合いを持っている。
そんな多種多様な都市の中でも、異彩を放つと言えば。「冒険都市」リゼリオと共に双璧を成すのが「崖上都市」ピースホライズンだろう。昼は商売、夜は歓楽の為に灯は絶えず、眠らない街とも呼ばれている。
「ハロウィンの準備が進まないのですか? 困りましたね」
レオーナ・マンティエロ市長は微笑を浮かべたまま、僅かに小首を傾げる。大急ぎで報告に来たらしい初老の部下へお茶を勧める様子は、暇を持て余し気味の普通の老婦人のようだった。そんな市長のらしからぬ振る舞いには慣れているのか、汗を拭きつつ部下はクッキーをつまむ。
「はぁ……街道筋で、雑魔が出たとか。迂回しておりますので、3日ほど遅れるようです」
例年はそんな事は無いのだが、と恐縮する姿に、レオーナは考え込んだ。ハロウィンは年中イベントじみたピースホライズンにとっても、大きなお祭りだ。お菓子や料理が振る舞われる昼と、仮面の下で商売や恋の様々な駆け引きが行われる夜と、いずれが欠けても楽しめない。
「せっかくのお祭りですもの。楽しくないのはよくありませんよ。市民の皆さんには、幸せでいて貰わないと」
「王国には雑魔退治をお願いしてるのですが、手が足りないのだそうで……。
帝国側の輸送には余り問題は起きていないのですがねえ」
ため息交じりの報告に、レオーナは口元に手を当てて考え込む。すぐに、笑顔で口を開いた。
「では、ハンターズソサエティへ依頼を出しましょう。私、一応理事ですもの。
たまには使っても罰は当たりませんよ」
●万霊節の準備
人によって、あるいは地域によって違いがあるとはいえ、クリムゾンウェストの人々がこの季節にハロウィンの話題に関わらない事はめったにない。リアルブルーからの異邦人にとっては、少しだけ違和感があるようだ。
「お菓子をくれないと悪戯する……っていうのはリアルブルーでも同じだね。
仮面舞踏会とか、ちょっとロマンティックかも。……へぇ、大食い競争なんてのもあるんだ」
竹村早苗は、オフィスに並んだ依頼を見つつ、感心したように言う。同じお祭りと思えない程にバリエーションが豊富だという彼女の感想は当然のものだった。古来の儀式的な側面は薄れ、転移者が時折持ち込む風習と入り混じって、クリムゾンウェストのハロウィンはかなりカオスな催しになっている。
その為、必要な準備も多岐にわたり、この祭りの為の特殊な食材を取ってくる等と言うのは序の口。ボンオドリの舞台設営などという物まであるらしい。
「……盆踊り? ちょっと、色々混ざってる感じだけど、まあいいのかなあ。
カボチャを彫るだけの簡単なお仕事です……ってこれ、ハンターの仕事なの?」
眺めていると、ピースホライズン周りの依頼が幾つか目についた。王国と帝国の狭間で微妙な独立を保っている同市は、独自の警備隊を持っており、街中のトラブルや周辺の雑魔程度ならば処理できるのだが、最近は「何とかできる範囲」を超えることがでてきているのだろう。
「よし、これに決めたっと。頑張ってお金貯めないとね」
中から一つを選び、早苗は受付へ向かう。同じように依頼を眺めていたハンター達が、三々五々に動き始めた。
キャラクター情報
レオーナ・マンティエロ(kz0069) | |
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ピースホライズン市長。 同市の建設当時からの立役者にして商人。市民の幸福を第一として市政にあたっている。 一見温和な老婦人といった風情だが、王国と帝国の間で独立都市を運営している手腕はなかなかのもの。 かつてはハンターズソサエティ所属の魔術師でもあり、その縁で同理事職も兼務している。 |
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イラスト:縦浜宗一郎 |
竹村早苗(kz0014) | |
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リアルブルー出身の自称マルチエンターテイナー。 リアルブルー時代は歌や踊りからコスプレ、はては同人誌制作まで幅広い活動を、精力的に行っていた。 ハンターとしての活動の傍ら、今日もお祭りごとに首を突っ込む機会を虎視眈々と狙っている。 現地の吟遊詩人や旅芸人と仲良くなって、イベントを主催するのが目下の目標らしい。 |
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イラスト:沖田龍 |