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【CF】これまでの経緯

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今年も本当に色々なことがありましたが、それはさておき聖輝節がやってきますね!
空蒼作戦後初の聖輝節ですから、二つの世界の友好を確かめるまたとない好機です。
そうでなくても、リアルブルー人の方々はとっても大変な日々を過ごしているはずです。
彼らを元気づけられるように、ソサエティ一丸となって楽しいイベントにしましょう!

ハンターオフィス受付嬢:ミリア・クロスフィールド(kz0012)

更新情報(12月26日更新)

過去の【CF】ストーリーノベルを掲載しました。
 
 

【CF】ストーリーノベル「クリスマスケーキ量産計画!」


ミリア・クロスフィールド

ルビー

大精霊リアルブルー

「お疲れのようですね、ミリアさん」
 ミリア・クロスフィールド(kz0012)は頑張っていた。
 空蒼作戦で総長であるナディアが倒れた後、彼女の意識が戻るまでハンターズ・ソサエティの切り盛りは彼女の手腕にかかっている。
 新たなハンターの一斉登録や、世界各地との折衝。崑崙への協力、補給物資のまとめなど、まさにフル稼働である。
 ぐったりした様子でデスクに座るミリアの肩を、ルビー(kz0208)が程よい握力でもみほぐす。
「ふああああ??……っ!? ルビーさんの手、気持ちよすぎますぅぅぅっ!!」
「ミリアさんの身体にもだいぶ慣れましたから。ここ……好きですよね?」
「あっ!? だ、だめぇ……そこは……はっ、あぁ……んんん……っ!!」
「――何やってるんだい、君たち」
 声に振り替えると、そこには眉をひそめた大精霊リアルブルーの姿があった。
「廊下にまでミリアの嬌声が響いてたよ」
「キョウセイ……とは?」
 首を傾げるルビー。よくわからなかったので、来客用にお茶を淹れる準備を進める。
「疲れているところ悪いんだけど、聖輝節の企画書は読んでくれたかな?」
「あ……ごめんなさい、まだです。シルキーさんからも急かされてるんですけど……」
 毎年この季節はクリスマスまたは聖輝節と呼ばれ、パーティーなどのイベントを催してきた。
 もちろん、単なるお遊びではない。政治的な理由であるとか、闘いに疲れた人々を癒し労う目的があるのだ。
 今年は特にリアルブルーの凍結封印などもあり、大勢の傷ついた人々を抱えているだけに、盛大な催しとしたいところだが……。
「最近ちょっと仕事が溜まっちゃってて……」
「無理もないね。何より強化人間やアプリ利用者の救済が最優先だし。……一応、僕の要件は崑崙に纏わる話なんだけどね」
 月面基地崑崙は空蒼作戦の中で戦場となり、ドーム――つまり地上部分が破壊されるという結果となった。
 しかし、そのドーム部分の修復も間もなく終了し、地上都市部分が避難民にも開放される予定だ。
「崑崙でもクリスマスパーティーを開けるようになるんだ。だから、リゼリオ側と連携させてもらえたらと思ってね」
 リアルブルー……大精霊の方の……は、空蒼作戦後、ナディアの抜けた穴を埋めるようによく働いている。
 今やハンターオフィス職員にも受け入れられ、実は無休で活動できるという神の能力を生かして奔走していた。
「でも、リゼリオのイベントって結構まとめるのが大変なんですよ」
「うん? どうしてだい?」
「変な人が毎年出てくるんです。怪盗団ザンダXとか、自由の鐘(ベルリバティ)とか……」
 なお、だいたいそういう妙な連中も中身はハンターなので、最低限の公序良俗は守られている。守らないと、後が怖い。
「僕もイベント運営なんてしたことないから、悩ましいところだね。……そういえばシルキーの方はいいのかい?」
「あ、まだ未確認でしたね。確かこのへんに……」
 書類の山を掻き分け引っ張り出した企画書。そこには……。
「「ケーキ屋さんバトルロイヤル?」」
「なんですか、それ?」
 お茶を持ってきたルビーが首を傾げる。
 三人で企画書を読んでみると、要するに「ハンターズ・ソサエティ関係者がたくさんのケーキを作って被災者などに配ろう」という内容のようだ。
「確かに、転移してきたリアルブルーの方には、ハンターと言う存在や人間以外の種族についてまだ見識が浅い方もいらっしゃると思います」
「ルビーの言う通り、こっちの世界についてもっと知ってもらう必要はあるだろうね。予備知識のない人間がクリムゾンウェストをうろつくと色々面倒だ。それに、実は僕が相談したかった問題も解決できている」
「問題ですか?」
「うん。ずばり――崑崙には圧倒的にクリスマスケーキが不足しているんだ」


トマーゾ・アルキミア

ネイサン・アワフォード

 “リアルブルーからクリムゾンウェストに転移した月”という呼称はあまりにも長いため、最近は「崑崙」とひとくくりにされる事も多い。
 そんな崑崙のドーム部分がようやく修復され、人々は地下での生活から解放されようとしていた。
「いやあ、急ピッチの工事でしたね?」
「地球防衛艦隊のCAM部隊を総動員したからな」
 まだドームが修理されただけで、壊れたビルなど建造物が元通りになったわけではない。
 これから使える場所を調査したり、家の様子を見に行きたいと言う人々を、軍人――いや、元軍人と言うべきか。そんな彼らが案内している。
 その様子を黄色いヘルメットを被ったトマーゾ・アルキミア(kz0214)とネイサン・アワフォードが眺めている。
 激戦を生き延びた軍人たちであったが、彼らもじっとしているよりは身体を動かしている方が気が楽だったのか、悔しさをバネにするように崑崙を修理していった。
 多数の高性能CAMを作業用に流用できたことは、早期復興に一役買った。町中にはまだまだ作業中のCAMが歩き回っている。
「しかし、この様子では人が住める街として完全に復興するまでは時間がかかりますね」
「安全が確保できたエリアから順番に開放していくしかあるまい」
 例年であればそろそろクリスマスの準備を始める頃合いだ。
 ショッピングモールもイルミネーションなどが点灯し始め、大きなツリーなんかも用意していた気がする。
「今年はやれますかね?」
「それ専用に区画を整えて実施すればよかろう。居住エリア完全開放は難しいが、ショッピングモールは間に合わせる」
 とてもクリスマスを祝うような気分ではない避難民も多いだろうが、いつまでも下を向いていては始まらない。
 思い切り楽しくにぎやかに祝ってこそ、気持ちを切り替えるきっかけとなるだろう。
「そういえばドナテロ議長はどちらへ?」
「議会もないので既に議長ではないだろうが、奴なら地上から来たという補給物資の担当者と打ち合わせがあると言っておったぞ」


ドナテロ・バガニーニ

シルキー・アークライト

 ドナテロ・バガニーニ(kz0213)は既に「議長」ではない。
 統一連合宙軍も、統一連合議会も、どちらも「地球」という世界が稼働していることを前提にしている。
 それが既に存在しない以上――そうではなかったとしても、多数の人材が抜けた今では――組織を正常な状態で運用する事は不可能だ。
 故に軍人たちも今はハンターズ・ソサエティならびにクリムゾンウェスト連合軍の協力者という立場に落ち着いていた。
 ドナテロはもう、議長の器ではないと自認している。
 敵に捕らえられ世界に混乱をもたらした以上、その責は負わねばならない。
 だが、罪を償うのは地球を取り戻してから。それまでは自分の持てるすべての力を使って、人々に奉仕すると決めていた。
「初めまして、ドナテロさん。ハンターズ・ソサエティから来ました、シルキー・アークライトです」
「おお! お待ちしておりましたぞ、シルキー殿!」
 シルキー・アークライト(kz0013)は、ハンターズ・ソサエティのショップ店員である。
 しかし彼女の仕事は店員だけではない。ソサエティが大量保有した資材を売り買いし、組織を切り盛りするブローカーでもあるのだ。
 ソサエティは彼女のようなブローカーとパトロン、それからユニオンなどに出資している各国によって維持されているわけだ。
「ご注文いただきました補給物資をお持ちしました。勿論、ケーキの材料もありますよ。毎度ありがとうございます♪」
「感謝するのである。せっかくのクリスマスなのにケーキも食べられないようでは、余計に気分が落ち込んでしまいますからな」
 ドナテロはたくさんのケーキを用意して、転移者たちに配るつもりだった。
「だが、ケーキ職人が足りないのが問題である」
 ケーキ作りはある程度機械で自動化できる。だが全自動というわけにはいかないし、全自動で量産したケーキは味気ないものだ。
 色とりどりのケーキを大量生産してくれる職人でも見つかれば話が早いのだが、今のままでは自動化に頼るほかないだろう。
「そんなドナテロさんに耳寄りなご提案もございます?」
「ほほう? 是非聞かせていただきたいであるな?」
 つま先立ちでドナテロに耳打ちするシルキー。
 そしてドナテロは神妙な面持ちで頷く。
「素晴らしい提案である! あなたとは是非これからも良い関係を築いていきたいであるな!」
「ありがとうございます?! こちらこそ、よろしくお願いしますね?!」
 ガッチリと悪手をし、それぞれ高笑いする。

 その数日後……。
 ハンターズ・ソサエティが期間限定のケーキ屋さんを用意するとの告知が崑崙中に行われた。
 もちろん、被災者の方々には無料で配布される。必要経費はソサエティもちだ。
 いつの間にか大きくなったケーキの販売戦略はリゼリオと崑崙だけではなく、クリムゾンウェスト中に広まっていくことになる。
 そう――ケーキ屋さんバトルロイヤルの幕開けであった!!
「え……バトルロイヤルなのであるか?」
「一応売上を競ってもらうくらいなので、戦闘とかはありませんけど?、やっぱり何かしら戦いの方が良いかなと思って?」
「それはバトルロイヤルではないのでは?」
 ドナテロの尤もな指摘をものともせず、シルキーは楽し気にチラシを作っていた。

(執筆:神宮寺飛鳥
(文責:フロンティアワークス)

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