※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
透とシンディのドキドキプロポーズ大作戦☆おまけ

「にしても、透はやっぱり凄いね……」
 思い返して鞍馬 真(ka5819)はぽつりと呟いた。
 真はこれまでにも、任務の上で必要ならばと恋人の振りをしたことはあった。
 しかし、やはりプロである伊佐美 透(kz0243)のそれは、改めて格が違ったのだ。
『じゃあ、ここからは恋人同士な』
 念のためにと、廃墟に入る少し前。まだ人通りのある街角で、ひっそりそう囁かれて。その瞬間、雰囲気を一変させて。
 ただ何気なく歩いている様で……時折に、酷く優しい視線をこちらに向けていたり。
 さり気なく、こつこつと手の甲をこちらの手の甲に軽くぶつけてきて……何だろう、と思っていたらそこでゆっくり指を絡めて、手を繋がれた。
 とまあこんな感じで終始、文字通り『芸が細か』かったのだ。
 そうか、初々しい恋人同士ってこうやって表現するのか。気付く度に、感心する事しきりである。
 どうせそんなに見てる人も居ないだろう……なんて気持ちは、透には無いんだろうな、と、分かり切っていたけど、彼の演じると言う事に対する意識というものを再確認する。
 そしてなにより。
「……うん。改めて思ったけど、透はこの作戦、本当に女性が相手の時はやっちゃダメだよ……」
 自分が本当に女性だったら間違いなくときめいていたと思う。確信して、真は忠告した。
「えー? ああ、うん、まあ……でもほら、真が相手だからここまで本気出せたっていうか」
「ああ、やっぱり、相手は選んでるんだ?」
「うん。あと、真ならやっぱり使命優先して、途中でドン引きしてボロ出したりしないだろうって信頼感もあってさ。……うん。あの時とかよく考えたらよく逃げなかったよな」
「あの時って……あーうんあれか。私ももうあいつ出てくるだろうと思ったしいい作戦だと思ったけど……うん、正直、え、最後まで出てこなかったらどうなるんだろ、と混乱はしてたよね……」
 あの時とは件のキスシーンである。ゆっくりと顔を寄せた、そのことを利用して小声で現状の認識とこれからの行動をすり合わせたのだ。そうして、相手が動くより先に剣を準備しておくことが出来た。
「やー、アドリブだったのに最後までうまく合わせてくれて助かった。……すまん、演じろって言われると、つい。思い返すと熱が入りすぎてたと思います」
「まったく……まあ、そういうところを、尊敬してるんだけどさ」







━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
この度はご発注有難うございます。
そんなわけでおまけはちょっとした補足というかなんというか。タイトル。
いやもう、最初からオチは予想ついてたとは思うんですが。
いやつまりあれなんです。イチャイチャしてると見せかけて、小声なり二人だけに分かる符丁で作戦相談してるとか。そういうのも好きです。っていう。
あ、時系列は邪神討伐後からリアルブルー一次帰還の間までの受けた依頼って感じですね。
改めて、ご発注有難うございました。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
鞍馬 真(ka5819)
副発注者(最大10名)
クリエイター:凪池 シリル
商品:おまけノベル

納品日:2020/03/09 13:09