※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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おまけ/ワーカホリックの稀有な休日のちょっと遅めの朝
「ん……」
カーテンの隙間から朝日の差す部屋で、もぞりと布団がうごめきました。
「ううん……」
ごろん、と寝返りを打っでこちらを向いた顔は鞍馬 真(ka5819)さんです。むにゅむにゅと口を動かして幸せそうですが、眉の根を寄せましたよ?
「……依頼が」
は?
いま、何を言いましたか?
「……依頼が一つも……」
はい、寝言ですね。ハンターオフィスには依頼は出ています。
「依頼が一つも出ていない!」
がばっ!
「……」
身を起こした真さん、手を前に伸ばして固まったままです。目を見開いているあたり、相当の悪夢だったようですね。
やがてここが自分の寝室だと分かります。
「……そうか。ハンターオフィスの職員に休日を勧められたんだったな」
すぐにとろんとした目になって頭をかきます。昨晩、休みならたまには寝坊しようと決めてたくせにやっぱり仕事が気になって目が覚めたようです。まったく、ワーカホリックさんですね。
ともかく、ナイトキャップをベッドに置いてスリッパに素足を入れ、ぱたぱた。パジャマを脱いでシャツに袖を通すと水差しから一口水分補給。顔を洗って歯磨きも。三面鏡の前に腰を下ろすと長くてまっすぐの黒髪に丁寧に櫛を入れます。
でもって、髪を束ねようとして気付きます。
今日は休日だということに。
別に戦闘するわけではないので、下ろしていても問題はありません。真さん、ひと房まとめていた髪から手を放します。さらっと流れた黒髪に光が波打ちます。女性のような髪の毛ですよね。
「さて」
ベッドに腰掛けボトムに入れた長い足をうーんと伸ばし立ち上がります。そしてカーディガンに袖を通して黒節眼鏡を掛けて着替えは完了。アーチに人差し指を添えて位置を整えると視界も良好。伊達眼鏡ですが、やはり落ち着く位置がいいのです。
「じゃ、行ってきます」
ぱたん、とドアが閉まりました。
ちなみに、特に行先は考えていません。
日頃の習性そのままに、行きつけのカフェに向かうようです。
どんな休日になるのでしょうか。
━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・
登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka5819/鞍馬 真/男/22/闘狩人
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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鞍馬 真 様
いつもお世話様になっております。
実は本編がジスーオーバー気味になってしまいました。本来、お話の出だしがこの部分になります。もちろんおまけなので少し書き足して整えていますが。
ワーカホリックさんの見る悪夢、ということで。
現代設定の世界観であるなら歯磨きのシーンを入れたりドライヤーで寝癖を整えたりするところですが、極力書かなくていいように逃げています。
なお、ハンターオフィスに依頼が一件も出ていないなんて状態はもちろんないですよね。……すでに定員で埋まってて参加可能な依頼が一つもない、という意味なら結構あることですが(
では、ご発注ありがとうございました。