※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
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IF・狼を狩った後
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その場に佇み首を捻る。顎に手を添えて目を瞑り、ううん、と唸って考え込む。
何かをしようとしていたんだと、それはとても良いことだったような気がするんだと、つい今し方の思い付きを手繰ろうと。
「ああ、そうだ。この道は歩いたことが無かったから」
ぽんと手を打って思い出す。
知らない道を進んでみようと思っていた。思い付きに従って煉瓦の道と木のトンネルを抜ける。
長閑な街並みが途切れて暫く、そこには煙突から白い煙を靡かせる小さな店が有った。
窯で焼いているのはピザだろうか。外まで香ばしい香りが漂ってくる。整えられた広い庭は一面が畑らしく、小さな立て札が並んでいた。よく手入れのされた青い葉が茂っている。
いらっしゃい、珍しいね。鞍馬を出迎えた初老の店主がメニューを出しながら言う。
最近は近所の客しか見ない物だから、街じゃ悪評でも流れているのかと思っていた。
冗談めかして、呵呵と笑う彼に目を瞠る。あの雑魔か。
そうなんですか、この辺りは来ないからな。そう返す鞍馬の声に、ふんふんと鼻歌でも歌うように楽しそうに応じながら、ピザとハーブティーを勧めた。
では、それでと注文して十数分。トマトソースのシンプルなピザと、自家製だというハーブティーが運ばれてきた。
トマトの程よい酸味とまろやかなチーズ、ふっくらとした生地の柔らかい食感が癖になりそうだ。
カラスのポットの中に揺れる束ねたフレッシュハーブはブーケのようで愛らしい。カップに注いだそれを冷ましながら、漂う香りだけでも落ち付いた心地になる。
「とても美味しいな。ピザも、お茶も。……きっと、街からのお客さんも、戻って来るんじゃないかな」
ピザにぱくついて、もう3切れ目。店主が嬉しそうに頬の皺を深くして笑っている。そうだといいなあ。と、暢気な声が答えた。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka5819/鞍馬 真/男性/22/闘狩人(エンフォーサー)】
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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鞍馬 真様
こちらもご依頼頂き有り難う御座います。
おまけということで、もし、ラストで思い出していたらこんな感じかな? と、書かせて頂きました。
お楽しみ頂ければ幸いです。 佐倉眸 拝