※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
描かれた軌跡

「鞍馬さんをお連れしました」
 許文冠と共に鞍馬 真(ka5819)は龍鳴寺大僧正の元を訪れた。
 観光を命じた大僧正であったが、二時間程時間が経過した所で文冠に連れられて龍鳴寺へ呼び出されていたのだ。
「観光の所、申し訳ない。少々聞かせて欲しい事があっての」
「何でしょう?」
「おぬしらが今まで歪虚と戦ってきた歴史を聞いておきたいのじゃ」
 大僧正からの願い。
 それは、鞍馬がハンターとして過ごした過去を聞きたいという物だった。
 泰山龍鳴寺は外部から干渉を受けない代わりに、龍鳴寺からも外部への干渉は極力断っていると聞いていた。それがわざわざ外部の事を知りたがるとは、意外な事だ。
 その疑問は鞍馬にも浮かんでいた。
「何故、急に……龍鳴寺は外部からの干渉を断つ代わりに外部への介入も行わないと聞いてましたが?」

「うむ。確かに、我らは外部への関わりを断ってきた。それが長きに渡りこの龍鳴寺を存続させてきた掟だと自認している。仮にそれで龍鳴寺が滅ぶ事があっても、それは天命。この寺が役目を終えたに過ぎん。
 じゃがな……」
 僧正は赤い木製の椅子へ腰掛けた。
 見た目相応に年齢を重ねているのだろう、長時間立ち続けているのもしんどいようだ。
「滅ぶには、この寺はちと長く続き過ぎた。この寺が泰山に立ち続けている間に、人々が訪れて街を作り出した。儂は街の民に、この寺の天命へ巻き込みたくないのじゃ」
 僧正の話を聞いているうちに、鞍馬は僧正の考えが少しだけ見えた気がした。
 僧正はおそらく泰山龍鳴寺そのものが、何かに巻き込まれる事を予見しているのではないか。事実、幕府周辺は焦臭く、詩天の三条家にも幕府に懐疑的な思想を抱く者は存在するという。
 仮にエトファリカ連邦が動乱に見舞われるとなれば、泰山龍鳴寺にも何らかの被害が及ぶ事になるだろう。
「そうですか。何かのお役に立つのならば、知っている事を話しますよ」
「そうしてくれるか。助かる。良い事でも良くない事もでも構わん。すべて話して欲しい。おぬしが知り得た事を」
 鞍馬は、ゆっくりと話し出した。
 この世界を取り巻く事変。
 文冠は鞍馬の言葉を書き留めながら、時折驚嘆していた。
 その様子に、鞍馬の顔には笑みが溢れる。


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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka5819/鞍馬 真/男性/22/闘狩人(エンフォーサー)】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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近藤豊でございます。
こちらはおまけでございます。おまけの方は僧正との絡みを描かせていただきました。連邦国という形式にはなっているものの、泰山は非常に変わった形態を維持しています。
日本の鎖国に似た状況ですが、その中で時代の流れに気付いた者達がいる。
泰山がこれからどう変わっていくかはハンターさん次第になります。
今回は発注ありがとうございました。
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発注者:キャラクター情報
アイコンイメージ
鞍馬 真(ka5819)
副発注者(最大10名)
クリエイター:近藤豊
商品:おまけノベル

納品日:2018/07/09 10:56