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【CF】聖輝節

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楽しかった年末年始もそろそろお終いじゃな。
皆、十分に休息は取れたかの? パーティーは満喫した?
また来年もこうして皆で祝える事を、わらわは切に願っておるぞ!

ハンターズソサエティ総長:ナディア・ドラゴネッティ(kz0207)

更新情報(1月11日更新)

ついに2017年【CF】イベントも終了となります! 皆さん、楽しい年末年始は過ごせましたか?
2017年度版【CF】の最終更新として、エピローグとなるストーリーノベルを更新しました。
また、今回のストーリーノベルはボイスドラマ化!
激動の2017年を終えた責任者たちの様子を、ボイスドラマでもお楽しみください!

▼ボイスドラマはこちらから!▼

また、【CF】イベントをモチーフにしたハントシステムはまだまだ稼働中!
お楽しみチケットを集めて空飛ぶソリと新サブクラス「輝紅士(サプライヤー)」を入手しよう!
【CF】連動ハントシステム「聖輝節贈呈品捜索任務」は1月18日までの公開!
詳細はこちら

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【CF】ストーリーノベル「責任者たちのクリスマス」(1月11日公開)

ベアトリクス

トマーゾ・アルキミア

ナディア・ドラゴネッティ

ドナテロ・バガニーニ

「ああ?、と?っても楽しかったわ! おいしい料理に、あま?いケーキ。楽しい出し物にプレゼント。クリスマスパーティーって最高ね!」
 リアルブルーの月面基地崑崙も、今年のクリスマスは大賑わいであった。
 飾りつけは軍事基地内にまで及び、トマーゾ・アルキミア(kz0214)の研究室にも小さなクリスマスツリーが立てられていた。
「フン、何がクリスマスじゃ。どいつもこいつも商業主義に踊らされおって」
 トマーゾはクリスマスという行事は半分ほど好きで、半分ほどは嫌いであった。
 具体的には楽しそうな子供たちの姿は好きで、それを食い物にしようとする狡い大人は嫌いなのである。
「ああもうるさく騒ぎ立てるようでは、せっかくの料理が台無しじゃ」
「火星クラスタとの決戦も終わって、みな気がゆるんでいるのじゃろう」
 リゼリオでの怪盗ザンダなんとかの騒動も一段落し、リアルブルーに呼ばれたナディア・ドラゴネッティ(kz0207)がシャンパンを空けながら笑う。
 世界間通信ではまめに連絡していたが、実はリアルブルーに直接来たことは数えるほどしかなかったりする。
「よいではないか、少しくらいハメを外しても。それに……トマーゾもサンタの帽子をかぶっておるではないか?。実はけっこうノリノリじゃろう?」
「バカを言うな。これはベアトリクスに無理矢理つけられたのだ。わしも抵抗は試みたが、どうしてもと聞かなくてな……」
 指摘されたトマーゾが慌ててサンタ帽を脱いだその時、研究室のドアが左右に開かれた。
「メリークリスマス! ナディア総長、トマーゾ教授! 本日はお疲れ様である!」
 ラズモネ・シャングリラの式典などに参加してきたドナテロ・バガニーニ(kz0213)は、全身を真っ赤なサンタ装束で着飾っていた。
「いやはや、異世界の友人たちにもお楽しみいただけたようで幸いである。世界が違えば宴の作法も違うもので……っとっと??」
 その姿を見て本物のサンタと誤解したのか、それとも恰幅の良い身体に誘惑されたのか、ドナテロの腹にベアトリクスが飛びついた。
「あらあら?? こんなところにサンタさんがいるわ?! サンタさん、プレゼントをくださいな!」
「おっほほ……! いやはや、ベアトリクス殿は本日も元気であるな! 我輩、サンタクロースのコスプレには少々覚えがあります故、間違えるのも致し方なし。残念ながらプレゼントの持ち合わせは切らしてますが!」
「あ……あはは……。トマーゾ……ベアトリクスは本当に大丈夫なのか? 幼児退行というか……まだ狂気の感染から回復していないのでは?」
「元々人間の常識から外れた存在じゃからな。多少トンチンカンでも、見て見ぬふりを推奨するぞ」

「ところでお二方。次の作戦について相談があると伺ったのであるが、我輩にもお聞かせ願えますかな?」
 今やリアルブルーとクリムゾンウェストは転移で移動可能となり、距離感は近くなっている。
 だが、総長であるナディアをわざわざ招いたのには理由があった。
「ああ。火星クラスタを破壊したことにより、リアルブルーにはひとまずの平和が訪れた。じゃが、邪神召喚の危機は去っておらん」
「邪神を倒さぬ限り、どの世界にも同じ危険が付きまとう。この問題を解決するためには、邪神に抗する手段が必要じゃな」
 界冥作戦で火星クラスタは破壊され、現在はクラスタ型VOIDとしての機能を失い、残骸だけがエバーグリーンのセントラルにある。
 ベアトリクスの力で発生した巨大な神霊樹に飲み込まれ、丁度空中に浮かぶ形で都市に影を落としている。
 VOIDをリアルブルーに送り込む最大の拠点であった火星クラスタは消え、平和が訪れた……のであれば、よかったのだが。
「不勉強で申し訳ないのだが、邪神は異世界から侵略してくるのであろう? その?、この地球に邪神を入れないようにはできないだろうか?」
「不可能じゃな。ひとつの世界が持つ力だけでは、邪神はせき止められん。身を守るためには、複数の世界の力をひとつにする必要がある」  ぴしゃりと言い切るトマーゾに、ドナテロは「ううむ」と唸る。
 リアルブルーはまだ邪神の介入を明確には受けていない。邪神腕との交戦経験もなければ、過去の歴史から邪神の姿を確認したりもしていない。
 そんなリアルブルーの代表であるドナテロにとって、邪神の脅威に現実味がないのは無理もない話である。
「うーむ……せめてクリムゾンウェストの大精霊が力を貸してくれればよいのじゃが……大精霊との対話は、あれから進んでいなくてのう……」
「クリムゾンウェストは、心を閉ざしているものね……。いえ、人間に構っている場合ではない、というべきかしら」
「ベアトリクスには、クリムゾンウェストの大精霊がどうなっているのかわかるのか?」
「ええ。あなた達がエバーグリーンの都市……セントラルで行った作戦は覚えているかしら?」
 大勢のハンターを護衛につけ、トマーゾ教授がセントラルの中枢にアクセスし、黙示騎士と交戦した作戦……。
「トマーゾおじいちゃんは、既に復活の見込みがないエバーグリーンの大地を、クリムゾンウェストに転移させたの」
「ベアトリクスはエバーグリーンの神……大精霊の一部じゃ。故に自分の肉体……大地がどのようになっておるのか、感じ取ることができる」
「クリムゾンウェストはエバーグリーンだけではなく、リアルブルーからも土地や人を召喚している。それは紀元前にファナティックブラッドから受けたダメージを回復する為……と、言われているわね」
「観測と計算の結果、大精霊の意志は邪神につけられた傷跡の中心……貴様らクリムゾンウェスト人が活動する大地の反対側にあるとわかった」
 血盟作戦で観測された通り、クリムゾンウェストは一度邪神ファナティックブラッドの本格的な襲撃を受けている。
 その結果、邪神により古代の文明は滅ぼされ、大地は割れ、クリムゾンウェストという世界は消滅する運命にあった。
 だが消滅に抗おうと必死になったクリムゾンウェスト大精霊は、リアルブルーから大地を奪い、自らの補修に当てる事で何とか生き永らえたのだ。

「ん? 反対側というのは、どういう意味じゃ?」
 と、そこで唐突にナディアが首を傾げる。
「そういえば、クリムゾンウェストは地球と同じく球体なのであろうか?」
 ドナテロの言葉でようやく状況を理解したトマーゾが、渋い表情を浮かべる。
 そういえばクリムゾンウェスト人は、自分が暮らす世界の事を実はよく知らないのだ。
「んー、リアルブルーが丸い形をしておるように、クリムゾンウェストも丸いのではなかろうか」
 ここでやっとナディアが納得したように手を叩く。
「つまり、球体の反対側ということか。なんだか規模が大きすぎて、わらわにはピンとこない話じゃが……」
「ちょうど貴様らが血盟作戦の時に観測した過去のデータに、クリムゾンウェスト人がリアルブルーへ逃げ込む時のものがあったじゃろう。邪神が星に大きな傷をつけた場所じゃ。今度はそこを目指す必要がある」
 クリムゾンウェスト大精霊と意思疎通する為に目指すべき場所が決まっているのであれば、とりあえず行動は起こせるだろう。
「リアルブルーの大精霊はどうなっているのであるか? 聞けば火星クラスタとの戦闘中、月の地下でそれらしきものが見つかったそうであるが」
「結論としては、リアルブルーの大精霊は月にいる。じゃが、それ以外はまだ何も話せん。あやつのことは、ひとまずわしが預かる」
「えぇ?……せめて政府には報告してほしいのであるが……。まあ教授はいつもこんな感じなので、我輩は聞かなかったことにします……」
「ウフフ……知らない方がドナテロのためよ。心配せずともそのうち勝手に動くだろうから、今はそっとしといてあげたら?」
「大精霊という輩は、どいつもこいつも気まぐれで困ったもんじゃなあ」
 界冥作戦の最中、月の地下に潜ったハンターの報告はナディアも受けている。
 少なくとも、そこに大精霊がいるというのは信じていいように思えた。
「クリムゾンウェストもリアルブルーも危機的状況にあり、それをなんとかしようと人類が頑張っておるのに、なぜ力を貸してくれぬのじゃ……」
「世界の意志にとって、ヒトの存在は小さすぎるもの。人間だって、自分の肉体の全てを知覚できないでしょう? 血液の流れとか、爪や髪の毛がが伸びる感覚とか……そういうことよ」
「世界にとっては、しょせんはちっぽけな存在ということであるな。それは我輩も同意である。しかし、それを重ねあわせ人類は歴史を築いてきたのである! 我々が力を合わせれば、不可能はないのである!」
 突然握り拳でドナテロが熱く語り出すと、ナディアは溜息を一つ。
「けっこういい話なのじゃが、な?んかおぬしが言うとうさんくさいのう……」
「はっはっは、口先だけではありませんぞ、ナディア総長。今度は我々地球側が、クリムゾンウェストを助けるために援軍を送り込む次第! 次の作戦の際には、ぜひとも我々を頼っていただきたいものですな!」
「せっかく救われた命だし、私も協力するわ。大精霊の力を持つ者として、力になれることもあるでしょう。それに……ここにいても退屈だしね!」
 ドナテロの演説好きに感化されたように、ベアトリクスも拳を掲げる。
「あ……あはは。一応、我々の関係も前進している……のか?」
「少し前まではお互いを信じられずにいたどころか、ベアトリクスに至っては戦闘状態にあったわけじゃからな。こうしていられるのも、すべてはハンターのおかげかの」
「あら。お父様が素直に他人をほめるなんて珍しい。私を救ってもらったこと、よっぽど感謝しているのねぇ?」
「感謝であれば、わらわもしておるよ。だからこそ……もう少しの間だけ、彼らにはクリスマスを楽しんでほしいのじゃ」
 ハンターに対する思いはそれぞれ複雑だが、共通した思いもある。
 それは彼らが立場も世界も飛び越えて、多くのモノを救ってくれたことへの感謝だ。
「で、あるな……。我々も杯を重ねましょうぞ。すべての世界の末永き繁栄と、救世主たる戦士たちに……乾杯!」
「ウフフフ……乾杯!」
「やれやれ、調子のいい事ばかり口にしよるわ……」
「まあ、よいではないか。来年もこうして皆でクリスマスを祝えることを祈ろう。どの世界も欠ける事なく、のう!」
 シャンパンを注いだグラスが音を立てる。
 ナディア泡立つ水面を見つめ、不安ごと飲み干すように、一気にそれを流し込んだ。

(執筆:神宮寺飛鳥
(文責:フロンティアワークス)

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