ラッツィオ島


サルヴァトーレ・ロッソが漂着した島北西部の海岸の風景。
見ての通り、一見すれば穏やかで平和な島である。

 自由都市同盟から南東に数十kmの海上に存在する面積約100平方kmの孤島。
 地球でいう火山島であり土壌は痩せているものの長い年月をかけて島の八割は森林に覆われ、また南西部には泉や小川も存在する。
 気候は温暖で泳ぐことも可能だ。ロッソが投錨している北西部の砂浜から、緩やかな傾斜の斜面を登るだけで手つかずの自然が残る島の森に入ることが出来る。
 森の動植物や、付近の海の生き物はその大半が我々の地球と一致しているようだ。
 無人島であった最大の理由は島の東部1/4程に巣食う歪虚の存在だ。支配下にある東部では森は枯れ、大地は腐敗し、濁った河が流れている。
 東にある腐った沼には、強力な力を持った雑魔が存在するらしいとハンターの間では噂されている。
 よりにもよってこの島へ移動した事が、クリムゾンウェストの人々がロッソを歪虚戦力と疑った一因である。


雑魔とは

 クリムゾンウェストにおいて、歪虚は大きく二つのカテゴリに分けられる。
 ある程度の秩序と意志を持った集団である「七眷属」と、それに属さない「雑魔(ゾウマ)」と呼ばれる有象無象だ。
 その多くは歪虚化した土地で発生するが、人類の魔法利用によって生じたマテリアルの偏りに起因する場合もある。
 雑魔はある程度の系統が見て取れる七眷属と違い、多種多様な個体が雑多に存在している。  共通している点としては、総じて知性が高くない点であろう。七眷属に比べれば下級扱いされることの多い雑魔だが、
歳経た雑魔は強大な力を蓄えている場合もあり、油断はならない。


ラッツィオ島の雑魔


トカゲ型の雑魔の一例
 島内に巣食う雑魔の中には、取り立てて強力な物や、特殊な能力を持った物は皆無に近い
(無論、歪虚にしてはという意味で一般人にとって危険な存在である事に変わりはない)。
 種類については、島の生物が歪虚に冒され転化したものが多い。例えば、大型のトカゲや
鳥類などである。枯れ木に咲いた色鮮やかな花が動き出し人間を襲う事も有る。
沼には両生類型や沼の瘴気自体が意思を持ったスライムなども存在している。

 また、「島の主」と呼ばれる相応の力を備えた大型の個体も存在しているようだ。
目撃情報を総合すると四足歩行の胴体に長大な頭部を備えた。雷竜(我々の世界でいう所の
ブラキオサウルスなど)型の個体らしい。