• 春郷祭1018

【春郷祭】それぞれの休日を

マスター:風亜智疾

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2018/06/21 22:00
完成日
2018/07/22 22:25

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

■出店にて
 祭り会場に賑やかな声が響き渡る。
 今年は色々な事件があった同盟だが、だからといって祭を止めるなどという選択肢はなかった。
 様々な想いを胸に。例年よりは規模を縮小されようとも活気だけは溢れて。
「やはり人には明るさが必要ですね」
 微笑みつつ頷くパメラ・カスティリオーネ(kz0045)は、手にした帳簿を確認しつつ自商社が出店している箇所を重点的に見回っていた。
「そろそろあの装飾品は追加発注の指示を出しましょう。……あぁ、あちらの工芸茶はまだ商社に在庫がありましたね。すぐに配送の手配を」
 売れ筋を常に把握し切らさないように手配をするのが、商売人の基本だ。
「あの、パメラ様。少しご相談が……」
「どうしました?」
 声をかけてきた出店を担当していた従業員へと首を傾げてみせる。
 言い辛そうに言葉を濁そうとした従業員へ微笑で先を促すあたり、上下関係はしっかり築けているようだ。
 出店は沢山の種類がある。
 さぁ、この出店の中で一番の売り上げを目指しましょうか。
 綺麗な見た目と浮かべる微笑からは想像もつかないかもしれないが。
 パメラは根っからの商人気質だった。

■どうぶつカフェへようこそ!
 ――時は祭の開催前に遡る。
「え? 『絵本』のカフェ?」
「そう。上手くいけば絵本の宣伝にもなるし、普通のカフェじゃ他の出店に負けちゃうでしょう?」
 絵本を置いてくれる雑貨屋の店主が告げた言葉に、ヴェロニカ・フェッロ(kz0147)は不思議そうに眼を瞬かせた。
 色々なことがあった絵本だが、物語そのものに惹かれてくれている読者は変わらず購入してくれているらしい。
 が、店主は更に読者の新規開拓を進めたいというのだ。
「それでね、どうせならうちイチオシの絵本シリーズから飛び出したみたいなカフェにしようと思ってるの」
 例えばそう。
 動物の耳や動物の尻尾をつけたりとか!
「ねぇ、もしかして絵本はおまけでそっちが目的だったりしない?」
 苦笑するヴェロニカに、店主は笑顔を向けるばかり。
「いいわ、ただし条件があるの」
「条件?」
「そう……私も、店員として働かせて頂戴ね」
 まさかの、である。

■それぞれの休日
 お祭りの楽しみ方は人それぞれ。
 一人ふらりもいいだろう。誰かと一緒もいいだろう。沢山と行動も悪くない。
 お客として楽しむのもあり。ちょっとした資金稼ぎに働いてみるのもよし。

 ――さぁ、それぞれの休日を。

リプレイ本文

■EarlyMorning
 早朝の祭会場で、出店準備をしている女性がいた。
 純白の衣装は見事なドレープを描き、一般的に「巫女」と呼ばれるそれよりやや露出が多めな印象はあるものの、彼女の清廉な美を損なうことはない。
「新しい白龍さまが目覚められましたし、これを機に白龍の巫女として皆さんへのご奉仕をがんばるのです!」
 軽く拳を胸の前で握り、意気込みを語るのはUisca Amhran(ka0754)。
 彼女がギルドマスターを勤める「巫女の集い”B.Grossa”」の宣伝を兼ねた今回の店では、巫女式のヒーリングルームを体験してもらうこととしている。
 巫女が行うカウンセリングに、龍唄を使用した「巫女の癒し」に、龍奏を使用した「巫女の子守歌」。
 バリエーション豊かなヒーリング体験と共に、ちょっとしたアイテムの販売も行うつもりだ。
 可愛らしく「白龍様」へのとっかかりには十分なアイテムになるだろうぬいぐるみに、託宣と銘打ったおみくじ。
 そしてウィスカ自身が手作りしたサブレ。
 その全てを荘厳な出店に合うように配置していく。
 ひと段落するごとに、そっと両手を組んで祈りを捧げるのも忘れずに。
 白龍の巫女として、礼儀作法は絶対尊守のものなのだ。

「お祭りなんだから、のんびりお酒を傾けながら喧騒を眺めて休憩できる場所が欲しいと思ったのよね」
 そう言いつつ運んでもらった樽――中身はワインやウィスキー、エール、日本酒だ。
 それらを確認してからジョッキとコップを磨き始めたのはマリィア・バルデス(ka5848)だ。
 安めの木の椅子とテーブルを準備したのは、万が一喧嘩でも起こったときのための準備か、それとも気軽さをアピールするためのものなのか。
【ワイン・ウィスキー、エール:ジョッキ1杯500】
【日本酒:コップ1杯300】
【お通し:選択制で一律300。ウズラの卵の醤油煮orカポナータorサーモンマリネのグラブラスク】
 見た目にも分かりやすく、そしてお手頃価格で飲んで休めるそんな場所。
 大人だってはしゃいでしまうのがお祭りというもの。
 ちょっとした休憩に、彼女の店はぴったりだろう。

 普段出張に使用している魔導トラックから内装を移しつつ、出店準備を終えたジェシー=アルカナ(ka5880)は、ふと空を見上げた。
 今回出すのは金細工や、繊細な加工が施された宝石が使われた装飾品の店。
 気候によっては装飾品の配置を考えなければと思っていたが、どうやら特別心配するような天気ではなさそうだ。
「お祭りの出店って言えば食品関係が多いんでしょうけど、今年は出店自体が少ないらしいものね」
 折角のお祭りだ。そこに彩を添えられればいいと思うし、あわよくば新しい顧客が増えれば御の字だ。
 季節はちょうど華やかな季節。ぴったりの青い石を多めに取り入れたが、さて。
「そういえば……」
 ふとジェシーが思い出すのは、この1日出店を企画した商社のこと。
 ドタバタと忙しかったあの仕事。そこで共に仕事に励んだ社畜仲間たちは果たして元気だろうか。
 ふとそんなことを考えていれば。
「こちらはおいくらですか?」
「……いつの間に来てたの」
 気配を感じなかった気がする。何者だこの女主人。
 ほんわりとした雰囲気を漂わせたパメラが、並べられた商品を吟味しつつ声をかけてきた。
 指差された金細工のブレスレットの価格を告げつつ、商店の従業員たちはどんな様子か会話に花を咲かせる。
「今日も素敵なアクセサリーね。やっぱりお店の主人となると、目利きもしっかりしているのかしらね」
「ふふ。わたくし自身がマネキンになることも大事だと思っているだけですよ」
「社畜なみんなは元気? 首が回らなくなる前に、声をかけて頂戴。手が空いていれば手伝えることもあるでしょうから」
「えぇ、有難く」
 ブレスレット代ちょうどを差し出され、成程商店の主人だけあるとジェシーは納得する。
 こういった出店で釣りを発生させる支払い方は、あまり好まれるものではない。
 商人だからこそ分かる配慮だ。
「ジェシー様も相変わらずすご腕ですね。是非わが社にもお品をお願いしたいところです」
 まさかの交渉が、始まる予感……?

■はなのもり準備中
「男手がいると思ったんだ……テーブルやら椅子、使う食器。そういうのを運ぶ人手が」
「せんせい、動かないで」
 額に手を当て俯きつつ、神代 誠一(ka2086)は珍しくブツブツと呟いた。
 その背後に立った浅緋 零(ka4710)がぴしゃりと言い放ち、彼の腰の部分に取り付けられたベルトの位置を直している。
 その様子を見ていたヴェロニカが、肩を震わせてそっと目を逸らす。
「ヴェラ……」
 半目になりつつ恨めしそうに告げられた声に、遂にヴェロニカが声を上げて笑い始めた。
 満足そうに頷いた零に、蚊の鳴くような声で感謝を伝えたあと。
 諦めたように尻尾を揺らしつつ、誠一はテーブルに乗せていた椅子を降ろす作業に入ったのだった。

 今回「はなのもり」で働くメンバーと挨拶を交わしつつ、尻尾や耳を調整しては笑っているヴェロニカを見つつ、零はふと少し前に二人きりで過ごした時間を思い出していた。
「ごめんね、ヴェラ……あの、絵本は……」
 少し前に起きた彼女の絵本に絡んだ事件。それの解決に尽力した零が頭を下げたのは、その時燃やされた絵本についてだった。
 零は以前の春郷祭で、ヴェロニカの依頼の一環として彼女が原案を出した人形劇を共に上演した経験がある。
 彼女が燃やしてしまった絵本は、その時の人形劇を基にしたものだったのだ。
 静かに零の言葉を聞いていたヴェロニカが、一体どんな反応をするのか。
 無理に笑う可能性も、気にするなと逆に礼を言われる可能性も予想している。
 でも、だからこそ。愛称を呼ぶことを許された、この世でたった3人のうちの1人として。常に傍にある親友として。
 彼女の機微を見逃さないよう、対面で伝えることを選んだのだ。
 少しの時間の後、ふとヴェロニカが動いた。
 躊躇いもなく伸ばされた両腕はそっと零の背中に回され。
 ぎゅっと抱き締められたせいで、零からヴェロニカの顔は見えない。
 けれど、その体は微かに震えていた。
 手を、握ろうと思っていた。けれど、これを今ヴェロニカが零に望んでいるのなら。
「……ヴェラ」
 呼びかけて、少しだけ力を入れて抱き返す。
「今日は、いっぱい、楽しもう……ね」
 零の呼びかけに、ヴェロニカは何度も頷いていた。

「ヴェロニカ、あまり無理は、しては、ならんのじゃ……」
 子狐の耳と子狐の尻尾を揺らしつつ、少し覚束ない足取りで動き回るヴェロニカの後ろを心配そうに追いかけたちとせ(ka4855)が、羊の尾を小さく揺らしつつ声をかけた。
「ふふっ。ありがとうチトセ。でも大丈夫よ。レイやチトセがいてくれるから」
「まさしく、童話の世界に迷い込んだかのような素敵なカフェですね?」
 更にその後ろ、姿を現したレイレリア・リナークシス(ka3872)を見て、ヴェロニカは小さく首を傾げた。
 服装はロングスカートのウェイトレス服だったのだが、まだ肝心の「どうぶつ」になっていなかったのだ。
「なかなか自分では似合う動物を思いつきませんので……出来ましたらヴェロニカ様に選んでいただけないかと」
「! えぇ、任せて頂戴!」
 嬉しそうに手を叩いたヴェロニカを見て、ちとせとレイレリアはほっと息を吐いた。
 ちなみに。ヴェロニカが選んだレイレリアの「どうぶつ」は、美しい羽角を耳代わりに、尾の代わりに薄手のショールを羽根代わりに取り付けた、コノハズクとなった。

 ――様々な人々の気持ちと共に、本日の祭が始まる。

■お祭りデート日和
「やー、たまにはこうしてのんびりと買い物しねーとですね」
「此処のところ忙しかったですし、たまにはこうやって気を抜くことも必要ですね……」
 サクラ・エルフリード(ka2598)とシレークス(ka0752)の2人は、のんびりと出店を見て回っていた。
「おー。今年のこれはなかなかうめーですね」
「えっ!? それは私も……」
「おめーにはやらねぇですよ?」
「むぅ……それじゃあ、お酒の入ってない果実酒にします……」
「酒が入ってねー果実酒なんかねーですよ。そりゃジュースじゃねーですか」
 途中、美味しそうなお酒があれば試飲させてもらい、珍しいお酒があれば逃さず買おうとするサクラに便乗しようと手を伸ばしたシレークスの手を、軽くペチリと音を立てて窘め。
 時々おつまみにとご当地の美味しいものを組み合わせてしまえば、もう至極!
 そんなちょっとほろ酔いいい気分のサクラをむぅと頬を膨らませて見ていたシレークスだったが、ふととある出店に足を止めた。
「ん? シレークス、どうしやがったです?」
 視線の先にあったもの。それは……可愛い手作りのぬいぐるみを置いた出店。
「もふもふ……」
 ふらふらとまるで引き寄せられるように出店へと向かったシレークスが手に取ったのは、抱きかかえるにはぴったりのサイズな子狐のぬいぐるみだ。
 出店の主は「どうぞどうぞ」と言わんばかりに微笑んで、シレークスへとぬいぐるみを差し出す。
 目の前に可愛らしいもふもふが出されればそれはもちろん――抱き締めるしかないわけで。
「……! 買います!」
「決断はえーですよ!?」
 そそくさとぬいぐるみを購入したシレークスがまだまだ買い込みそうな勢いなのを
「おらサクラ、あっちの方にも行ってみますです」
 ぐいぐいと引っ張って。
 最近ちょっと忙しくてゆったりとした時間が取れなかった二人は、祭りを楽しむのだった。

 出店をふらふらと見て回っていた鞍馬 真(ka5819)は、少しずつ食べ物を買ってはゆっくりと口に運んでいた。
 ここ最近、色々と心労が重なっていたせいか、足取りは覚束ないのだが、本人はそれに気付いているのかいないのか。
 次は何を買おうかと出店を眺めつつ考えていると。
「そこのシャーベットは、口直しにいいと思うが」
 後ろからかけられた聞き覚えのある声と、微かに感じられる案じる雰囲気。
 それらに苦笑しつつ、真は振り返った。
「久しぶりだね、ディーノさん」
 そこに立っていたのは、ある事件を切欠に交友を結ぶこととなった中年のハンター、ディーノ。
「半年ぶりかな。……おかげで、吹っ切れて少しはまともに戦えるようになった気がするよ」
「……? 俺は特に何もしていないが」
 眉を顰めたディーノに苦笑しつつ、真は首を横に振る。
 彼がどう思っていようと、真がそう思っている。だからそれが真にとっての真実だ。
「とはいっても、まあ、割り切れなかったり落ち込んだりもするし、まだまだなんだけどね」
 笑ってそういう真の姿を見て、ディーノは少し考えるように目を細めた。
 視線の先は、楽し気に祭りを闊歩する人々。
 色々な事件があるこの世界でも、人はこんなにも逞しく生きている。
「まぁ、無理に割り切る必要もないと、俺は思うが……」
 そういうディーノ自身だって、割り切れていないことがあるのだ。
 例えば、真とディーノが出会う切欠になった事件。それに意図せず巻き込まれてしまった一人の絵本作家のこととか。
「俺が間に合っていれば、お嬢は足を悪くしなかった。俺に力があれば、お嬢の住んでいた村の人は助かっただろう」
 だがそれは、既に全て過ぎてしまったことだ。
 悔やむことは悪くはないし、それを胸に残すことだって悪いことではない。
「……それが、今の俺を作るものならば。俺は受け入れる」
 それになにより。
「それで動けなくなれば……辛いのは自分ではない。切欠になった相手、だからな」
 だから自分は動き続けるのだと。そう語った後、我に返ったディーノが居心地悪そうに顎を摩った。
「……悪い」
 話過ぎたとぼやく男に、真は笑う。
 人の意見、人の気持ち、人の想い。
 自分とは違うそれを聞くことでまた、心が定まるときもある。それが標となる事も、ある。
「まぁ、なんだ。今日は、祭りだ」
 楽しめ、とそう言い。
 掌にポンと「お土産」を置いた男が立ち去っていくその後ろ姿を見て。
 真は小さく、頭を下げた。

■「はなのもりへいらっしゃい」
「いらっしゃいませー♪」
「はなのもりへヨウコソ!」
 豆狸とゴールデンレトリバーのお出迎えが響く。
 可愛い狸の尻尾をふりふりと、お客を席へと案内する天王寺茜(ka4080)だが、当初は身に着けたそれに気恥ずかしそうにしていたものだ。
「違う、違うの……ヴェロニカさんの狐を見てたら、狸がいるかな、って……」
 そして意図せず狸が合計2人という状況に、ヴェロニカが手を叩いて「豆狸ね!!」と歓喜していたのでまぁ、よしとしよう。
 同行していたパトリシア=K=ポラリス(ka5996)も、笑顔で喜んでいたし。うん。立ち直りは早い方がいい。ちょっとの諦めも。
 だってどうせなら楽しみたいじゃない!
「アカネさん、パティ似合ってル?」
「似合ってる似合ってる。可愛いよパティ」
「ししょーが、パティ見て時々耳と尻尾が見えルって言ってたカラ」
 お祭りムードに感化されたのだろう、ちょっとふわふわ昂揚している雰囲気のパトリシアの頭を撫でてやれば、気のせいだろうか。つけられた尾がゆさゆさと揺れている気がした。
 接客に慣れている茜を見つつ、パトリシアも同行して接客しつつ笑う。
(アカネさんは、いつだってシンシ)
 真っ直ぐ、相手と真摯に向き合うその姿がパトリシアにはとても眩しくて尊いものに思う。
 そんな茜を見ているからこそ、パトリシアはいつだって頑張れるのだ。
 自分も、胸を張ってもらえるような人でいようと。
 お祭りで見える新たな一面と、改めて実感するいつもの姿勢。
 楽しいお祭りは、まだまだ沢山の友達を見せてくれるだろう。
 新しい来客を確認してパトリシアは、笑顔で駆け寄っていくのだった。
「いらっしゃイ、ししょー!」

 大切な愛弟子とも呼べるゴールデンレトリバーのお出迎えを受けたエラ・“dJehuty”・ベル(ka3142)は、ふと視線の隅に映った人影へと顔を向けた。
「あら」
「あ」
 そこにいたのは、背の高い一人の男性。
 眼鏡の奥の瞳が泳いでいる気がする。というか確実に泳いでいる。顔も若干引き攣っている。
「背の高い狸さんですね?」
 がくりと肩を落とした誠一に、楽し気に口角を引き上げた。
「セーイチのお友達? いらっしゃい!」
 ひょっこりその後ろから姿を現した小柄な子狐を確認すると、エラは更に楽し気に目を細めてパトリシアの頭を撫でつつ、誠一と彼女を交互に見やる。
「??」
「ししょー、顔がわるーいヨ」
 首を傾げるヴェロニカに簡単な自己紹介をしてから席に着くまでの間。
 エラは友人である誠一の動向を楽しそうに。それはそれは楽しそうに見守るのだった。

「おや、いらっしゃい! はなのもりへようこそ!」
 使い終わった食器をキッチンへと運んでいた長い兎耳と丸くて小さな尻尾を付けたルスティロ・イストワール(ka0252)が出迎えたのは、柔和な雰囲気を漂わせた青年。
「クィーロ」
「やあ、零」
 同じ部隊の仲間である子猫姿の零の声に、クィーロ・ヴェリル(ka4122)は笑って軽く手を挙げた。
「クィーロ! いらっしゃい!」
 零の声に気付いたのだろう、お祭りの雰囲気に少し呑まれたヴェロニカが彼女にしては珍しく『駆け寄ろう』と二歩進んだが。
「ヴェラ。めっ……だよ」
 無理しない約束は? と零が言外に視線で含めたので、ゆっくり速度に変更していた。
「ヴェロニカさんもこんにちは。零達がいるって聞いたから来てみたけど、それは制服かな? 似合ってるね」
 少し気恥ずかしそうに笑う二人がクィーロを席へと案内している中聞こえてきた声に、彼はぴたりと足を止めた。
「有難う御座いました」

 突然だがここで、はなのもりの店内レイアウトについて少しお話しよう。
 万が一の混雑に備えて、店は入口と出口を別に設けている。店の中央部分には植木鉢に植えられた小柄な木が置かれており、その下には厚めの敷布が敷かれている。
 そこには小さめのウェルカムボードが置いてあり、ボードには『絵本よみきかせタイムのご案内』が、動物のイラストと共に書かれてある。
 時間になると希望者は敷布に座り、語り部ルスティロによる、灰色おおかみシリーズの読みきかせを聞くことが出来るのだ。
 一人でも気軽に座れるようにと、壁際には二人用や一人用の小さな席が設けられいるし、壁際以外に大人数用の席が用意されている。
 会計は出口側の隅で行われ、ここは比較的数字に強いメンバーが自主的に入っていた。

 さて。入店したばかりのクィーロは当然入り口側にいた。
 そして、出口では今まさにお会計が済んだところだ。
 会計は数字に強いメンバーが自主的に。
 『自主的』――つまり、接客より裏方系をやりたいメンバー。つまり、この『どうぶつスタイル』が若干気恥ずかしいと感じているメンバーが。
 クィーロが足を止めた理由は、聡い方ならもうお分かりだろう。
 『会計』に入った『どうぶつスタイル』で『数字に強い』メンバー。
 礼儀正しく一礼し預かった金額をレジへと収め顔を上げた狸は、実にいい笑顔を浮かべた相棒をその視界に確認して顔を引き攣らせた。
「やぁ誠一」
「クィーロ……!!」
 どうやら誠一。その温厚さと誠実さで築き上げた交友関係の広さが、本日色んな意味で(主に羞恥が8割)発揮されている模様だ。

■寄りそうものと 見守るもの 食べ歩くもの
 雪継・紅葉(ka5188)と七夜・真夕(ka3977)の二人は、祭りの雰囲気を楽しみつつ。時々出店で美味しい甘味を食べつつ、手を繋ぎゆったりと歩いていた。
 二人でのお祭りデートだからと頑張ってオシャレした紅葉の姿に、終始嬉しそうに顔を綻ばせていた真夕が、ふと足を止めた。
「ねぇ紅葉、ちょっとここ見て行かない?」
 そう言って指さしたのは珍しく和風なアイテムを取り扱った出店。
 二人でひやかし半分、時々商品を手に取ってみたりしつつ眺めていたのだが。
(……あ)
 見つけたのは、所謂『チョコレートポット』とカップがセットになった一品。
「そいつはね、珍しい『緑茶用』のチョコレートポットだよ」
 店主の説明によると、一般的にコーヒー紅茶を入れるのが主流だが、この品は態々「緑茶」に合うように作られたものらしい。
 なるほど、だから少し和風な柄が施されているのかと納得しつつ視線は、セットになっている2つのカップの方だ。
 白磁にアクセントとして色違いで七宝模様が入れられているカップを手にした真夕の姿をイメージしてみる。
 ――その前に、自分も色違いのカップを持っている、イメージを。
「これ、いただけますか?」
 軽く両手をぎゅっと握ってから告げた紅葉を見て、店主は微笑ましそうに笑って頷いた。
 一方隣の真夕はというと、別のものから目が離せずにいた。
 あれもこれもと色々眺めてはいたものの、最終的にそれに目がいったのは、それを持った紅葉の姿が浮かんで消えなかったからだ。
「じゃあ、私はそっちの扇をもらうわ」
 恐らく和紙を真似たのだろう、艶消しの美しい紙を台に描かれているのは二羽の美しい鶺鴒と月。
 お互いがお互いへの贈り物を購入するその姿は、周囲から見ても羨ましいほど幸福を漂わせていた。

 そんな二人を遠くで見ていた人物がひとり。
 レイア・アローネ(ka4082)は真夕を見つけたとき、声をかけようと手を挙げて名を呼ぶべく口を開いたのだが。
 その隣に立つ紅葉の姿と、楽し気に幸せそうに笑う二人の表情を確認してそっと手を降ろした。
「あれは確か、真夕の……」
 大切な相棒で、愛しい恋人。そう聞いている。
 そんな二人のデートに割り込むほど、レイアは無粋ではない。
 そのまま後をつけて、幸せそうな二人を眺めていたいと思わなくもない。思わなくもないが。
「……いや。レイア・アローネはクールに去ろう」
 出店に夢中な二人の後ろを、そっと息を殺して通り過ぎる。
 そのままふらふらと祭の雰囲気を楽しみつつ、さてどうしようかと考えていたレイアの目に飛び込んできたのは、シンプルながらも可愛らしい動物のイラストが描かれたウェルカムボードだ。
『あなたも『はなのもり』の住人になってみませんか? 希望者はお気軽に店員まで』
「店員体験か」
 それもいいかもしれない。

 銀の髪を結い上げて、ディーナ・フェルミ(ka5843)は右手に果実飴、左手に特産の肉を使った串焼きを持ちご満悦だ。
「お祭りの時間なの私の食欲が火を噴くの!」
 ここに来るまでに実は小麦を使ったたこ焼き風の食べ物やら、特産のおにぎりやら色々食べてきている。
 ディーナが目指すのは食べ物系出店の完全制覇。
 左手の串焼きを食べきり、ごみはゴミ箱へきちんと捨てた後、果実飴を齧りつつさて次はどうしようかと出店を物色していると。
 美味しそうな匂いが漂うひとつの出店を見つけた。
 どうやらお酒がメインのお店らしいが、食べ物もあるようだ。
「こらー! お酒は美味しく楽しく呑んでよね。人様に迷惑かけるようなら、私の拳が唸るわよ!」
「あの、お酒じゃなくて、食べ物だけは買えますかなの」
 店先の飲兵衛をひょいひょいと避けて、ディーナは拳を握る店主であろう女性に声をかけた。
 店主――マリィアは動きを止めると、ディーナへと向き直る。
「うち、お通し的な食べ物ばかりよ?」
「大丈夫なの。私の目標は、食べ物完全制覇なの」
 一生懸命力説するディーナにNOと言える人がいるだろうか。いやいないだろう。だって目が輝いているんだもの。
「じゃあいいわよ。ご注文をどうぞ」
 店先でまだ騒がしくしている客を軽く実力行使で大人しくさせてから、マリィアは注文を受け付けるべくもう一度ディーナへと向き直るが。
「食べ物系を全部お願いしますなの」
「……本当に全部食べるのね」

■はなのもりは大繁盛
 お店の中心では、本日2回目の長い耳の吟遊詩人兎によるよみきかせが始まっている。
「お待たせしました。はなのもり特製『花茶』と、どうぶつクッキーになります」
 チリン、と涼やかな音を立てて現れた黒猫姿のエステル・クレティエ(ka3783)は、テーブルの上へ白磁のティーカップと小皿に乗せられた肉球や羽の形をしたクッキーをサーブする。
 空っぽのティーカップに首を傾げる天央 観智(ka0896)の元、次にやって来たのは空っぽの羽耳と美しいオリーブ色の尾を揺らしたアオバト、ユメリア(ka7010)だ。
「お待たせ致しました。『色』のお届けに参りました」
 ユメリアの手には、ガラス製の透明なティーポット。紅茶の葉と淡い色の花弁が、湯の中で踊るように揺れている。
 薄い琥珀色の茶を白磁のカップへと注ぐと、ユメリアは次にエステルが持っていたトレイに残された小さなミルクポットを手に取った。
 中に入っているのはミルクではなく、透明な液体だ。
 ふむ、と思案する観智へと微笑んで、ユメリアはとある一節を詠い上げる。
「『空に翳せば空色に。雨に翳せば雨色に。夕日に翳せば夕焼け色に。地に翳せば大地色に』」
 その言葉に、丁度席を挟んだ向こう側でちとせと共に空いた食器を下げていたヴェロニカが足を止めた。
 ぱちぱちと、目を瞬かせて驚く彼女に小さくウィンクをひとつ。ミルクポットから透明な液体を紅茶の注がれたカップへと数滴落とせば。
「成程、これは確かに『色』ですね」
 琥珀の液体が鮮やかな薄紅色へと変化した。
 納得したように笑いながら頷いた観智へと一礼するユメリアの後ろで、エステルが優雅な動作で足を止めたヴェロニカを示した。
「今の素敵な呪文は、そちらの子狐が紡ぎました一節です。ご興味がありましたら、是非絵本をご一読下さい」
 黒猫とアオバトの紹介に、客が期待の眼差しでヴェロニカを見上げるが。
「貴女が作家さんですか?」
「え、え!? えぇ……」
 エステルとユメリアによるまさかの展開に、よく友人たちから『天然』といわれる絵本作家も顔を真っ赤にするばかりだ。
「よろしければ、どういった物語なのか教えて頂けますか?」
「持ってきますからっ……!!」
 これ以上は、子狐が茹で上がりますよ!

「いらっしゃいませ、動物さんの喫茶店へようこそ」
 小さな白い耳に、長い白い尾を揺らしたフェレット姿のマリア(ka6586)が出迎えたのは、レナード=クーク(ka6613)。
「レナード、いらっしゃい!」
 マリアの後ろを食器を片手に歩いていたヴェロニカと、そんな彼女に寄り添うように歩くちとせが歩を止める。
「ふふふー。ヴェロニカさんもこんにちは! 子狐さんやんね? 可愛いわぁ」
 笑い合う二人を交互に見て、おずおずとちとせがヴェロニカの服を引っ張った。
「ヴェロニカ……キッチンまですぐじゃし、あとはちとせが、持って行くのじゃ」
 知人に会ったのだから、席に案内してはどうだろうという気遣いからでた言葉に、ヴェロニカは少し眉を寄せる。
「でも、ちとせだけだと重くはないかしら」
「なら……レイが、半分持つ、よ……?」
「お困りですか? わたくしも丁度手が空きましたので、お手伝いしましょう」
 ちょうど手が空いたのだろう、通りかかった零とレイレリアが声をかける。
 零もちとせもレイレリアも、何度も顔を合わせている友人の上、元々足の不自由なヴェロニカが持っていた食器の量は少ない。
「お客をあないするもの、大事なおしごとなのじゃ」
「お席への案内、宜しくお願い致しますね」
「ヴェラ、ゆっくり、ね……?」
 友人の子羊とコノハズク、子猫にそう言ってもらってやっと、ヴェロニカは笑って頷くのだった。

 さて。店内。
「なんで客として来たんだよ!」
「偶には食べる側に回るのもいいかと思ってね」
「笑顔が胡散臭ぇんだよ! いいからさっさと食ってさっさと手伝え!」
 ドン! と注文された品をテーブルに置いた誠一の赤くなった顔を見て、クィーロは悪戯っぽく笑う。
「それにしても……その姿似合ってるよ。折角だし後でみんなで集合写真を撮ってあげるよ」
「お前もお揃いにしてやろうか……!」
「えぇ。僕は狸っていうより鳥なんだけどね」
 そんなやり取りをしている二人の後ろで、笑いをかみ殺した空気が揺れる。
 ギギギと音を立てつつ誠一が振り返れば
「真……!」
「狸さん。ちょっと挙動不審すぎない?」
 いつの間に来店していたのだろう、真が肩を揺らしていた。
 かおがひろいってこわいね!

「やっぱりお祭り、変わった品物が多かったね」
「そうね。いい買い物が出来たし、思い出になると思うわ」
 買物がひと段落し、ケーキやお茶に舌鼓を打った後、犬耳と尻尾をつけた紅葉と猫耳と尻尾をつけた真夕は、カメラを持った茜に記念写真を撮ってもらっていた。
 そこに、恐らくキッチンで仕事をしていたのだろう一人の人物が出てきた。
 三角の耳に太めの縞柄尻尾。アライグマ姿のレイアは、紅葉と真夕とばっちり目を合わせると瞬間湯沸かし器よろしく一気に赤面する。
「なっ!?」
「あらレイア、それ狸?」
「真夕、アライグマじゃないかな?」
「あぁ! ふぅん……いいんじゃない? 愛嬌があっていいと思うわよ」
「埋まってしまいたいっ……!」
 こちらでもまさかの、友人とばったりこわいね! である。

■もりの木陰で
 人は、お祭りのようないつもと違った状況だとテンションが上がるものだ。
 テンションが上がるとどうなるか。疲労に気付きにくくなる。気づかなかったらどうなるか。一気に体を壊すことになる。
「? セーイチ。どうかした?」
 振り返ったヴェロニカに笑いかけた誠一は、そのままひょいと子狐を肩に抱えてしまう。
「さーてヴェラ、人も回ってるし、俺達はサボタージュするぞー」
「ちょっとセーイチ! まだお店はっ」
「俺疲れたし、ちょっと休憩付き合ってほしいなー、と」
 壁にかけておいた持参したマントは、そこを周囲に溶け込ませるような映像を映し出すアイテム。
 その裏側に入り込んでしまえば、周囲からは気づかれにくいのだ。
 この際、どことなく含み笑いしていたエラやクィーロは無視させてもらう。
 そんなわけで、あっさり裏側へと入り込んで、そこでヴェロニカを降ろしてやると。
「おー、見事な餅」
「もうっ。皆だってまだはたr「ほい」……むー」
 文句を言おうとした子狐の口に飴玉を放り込んでから、誠一は彼女を宥める様に頭を撫でた。
「ここなら誰にも見えないから。まだ店は続くし、頑張るためにも休憩しよう。な?」
 生真面目な性格の彼女のこと。周りが休憩していないのにと気にしてしまうだろうから。
 店の賑わいは聞こえるのだから、忙しくなればちゃんと分かる。それに、今回ここで働いた仲間たちは全員、彼女の足が悪いことを知っている。
 だから、少し休憩として姿が見えなくなってもちゃんと理解してくれるはずだ。
「俺がいたら休憩出来ないっていうなら、席を外すから」
 残念だけどね? と言わんばかりの表情をしてみせるのは、ちょっとした意地悪からだけれど。
 からころと飴を転がしつつ、小さく溜息を吐いて視線を下げた子狐が、ほんの少しだけ視線を下げて頬を膨らませた。
「……連帯責任よ、セーイチ。怒られる時は、一緒に怒られて」
「ん、了解」
 マントの向こう側、聞きなれた森の仲間たちの声が優しく聞こえていた。

■まさかの出来事
 それぞれが手土産にさまざまなものを持ち帰った後日。
 大好評だった『喫茶はなのもり』は、まさかの展開を迎えることになる。
 祭終了後に改装を始めた雑貨店で近々判明するのだが。
 それはまた、別のお話。

 戦いばかりの日々は続くけれど。
 たまにはこんな、それぞれの休日を。


 END

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参加者一覧

  • 英雄を語り継ぐもの
    ルスティロ・イストワール(ka0252
    エルフ|20才|男性|霊闘士
  • 流浪の剛力修道女
    シレークス(ka0752
    ドワーフ|20才|女性|闘狩人
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 世界は子供そのもの
    エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142
    人間(蒼)|30才|女性|機導師
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 六水晶の魔術師
    レイレリア・リナークシス(ka3872
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 語り継ぐ約束
    天王寺茜(ka4080
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 差し出されし手を掴む風翼
    クィーロ・ヴェリル(ka4122
    人間(蒼)|25才|男性|闘狩人
  • やさしき作り手
    浅緋 零(ka4710
    人間(蒼)|15才|女性|猟撃士
  • 夢と眠りに背きし一歩を
    ちとせ(ka4855
    人間(紅)|12才|女性|魔術師
  • 一生を貴方と共に
    雪継・紅葉(ka5188
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 救済の宝飾職人
    ジェシー=アルカナ(ka5880
    ドワーフ|28才|男性|格闘士
  • 金色のもふもふ
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|19才|女性|符術師
  • 好奇心と探求心
    マリア(ka6586
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • 夜空に奏でる銀星となりて
    レナード=クーク(ka6613
    エルフ|17才|男性|魔術師
  • 重なる道に輝きを
    ユメリア(ka7010
    エルフ|20才|女性|聖導士

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/06/21 20:08:30