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【血盟】星の観測者

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……よし。これで新ハンターシステムの稼働は時間の問題じゃろう。
わしがそっちに行くわけにもいかんので遠隔で指示をしたが、そちらのも腕の良い術師がいるようじゃな。
オートマトンの再起動に関しても、そのハンターシステムなら問題なく行えるはずじゃ。
ここから先は貴様ら次第。過去と同じ過ちを犯すかどうか、しっかり確かめさせてもらうとしよう。

月面基地崑崙技術顧問:トマーゾ・アルキミア(kz0214

更新情報(6月26日)

本日6月26日、ついに新たな種族「ドラグーン」「オートマトン」が実装!
新規キャラクターとして新たに登録可能となりました!
これにより、【血盟】連動シナリオはひとつの区切りを迎える事になります。
またあわせて、【血盟】のイベントを作り上げたマスター・クリエイターの皆様をご紹介する、スタッフページも公開です!

そして、次なるメインストーリーの舞台は異世界へ!
リアルブルーやエバーグリーンを舞台としていた【界冥】にて新たな動きあり!

新たな種族が登録されるようになった経緯についてまとめたストーリーノベルは、
6月28日に公開される【界冥】グランドシナリオの予告でもあります。
ご確認の上、新たなグランドシナリオと物語の始まりをお楽しみに!!

 
 

【血盟】これまでの足跡

▼グランドシナリオ「メイルストロム討伐戦」(1/25?2/14)▼

▼大規模作戦第1フェーズ「リグ・サンガマ大侵攻」(3/1?3/14)▼

▼大規模作戦第2フェーズ「クリムゾンウェスト崩壊」(3/29?4/11)▼

▼大規模作戦第3フェーズ「封神領域マグ・メル」(4/12?4/26)▼

▼連動ハントシステム「【血盟】顕現精霊救出戦」▼

 
 

【血盟】ストーリーノベル「そこに心があるのなら」(6月26日公開)

●リブート

雨を告げる鳥

大伴 鈴太郎

天王寺茜

岩井崎 メル

ルベーノ・バルバライン

アシェ?ル

トマーゾ・アルキミア

ナディア・ドラゴネッティ

 殺風景な白い扉の向こうで、カツカツと靴の音が響いていた。先程からずっと、一定のリズムでそれは鳴り続けている。
「私は考える。大伴鈴、焦る気持ちは分かるがそうしていても意味はない。じっと待つのが最善だ」
「分かってるけどよぉ……」
 雨を告げる鳥(ka6258)がウロウロと歩き回っていた大伴 鈴太郎(ka6016)をそう注意した。
 カスケードを見事討伐したハンター達に程なくして極秘の依頼が言い渡されていた。その内容とはとある場所の守護であったのだが……。
 守護とは思えないほど鈴太郎がこうそわそわするのには理由があった。それは扉の向こうにあった。
「きっと上手く出来るよね」
「うん、『ししょー』としてこの事を任されたからにはやり遂げてみせるさ」
 扉の中に居たのは天王寺茜(ka4080)と岩井崎 メル(ka0520)、そしてもう一人、今二人の目の前で静かに眠る少女、ルビーだった。
 守護というのは方便だった。ハンターズソサエティからの依頼の本当の意味はルビーの修復だった。準備は全て整っていた。あとはトマーゾ教授からの指示に従って動くのみ。
「やるべきことはそんなに無いよ。今は目の前の事に集中しよう」
「そうです、ね……」
 茜には一つ引っかかっていることがあった。ラプラスが言い残したトマーゾ教授の罪、それが何なのか。本人に聞く最大のチャンスだったのだが、とても言えるような状況ではなかった。
 だったら仕方ない、またの機会に聞こう、そう気持ちを切り替えて二人は修復作業に向かう。

「鈴太郎、彼女達なら上手くやってくれる。安心して待とうではないか」
「オレはおまえの怪我の方が心配だよ」
 鈴太郎と今会話をしていたのはルベーノ・バルバライン(ka6752)。エバーグリーンでの戦いで相当な無茶をした彼であったが、怪我の方はもう治っているようだった。
「俺達が行っても何もわからんし何もできん。こうしているのが一番だ」
 その時、突然扉が開いた。
「ううう、上手く行ったのか?」
 鈴太郎が今にも飛びかかりそうな勢いで前のめりになるのに、二人は扉の中を示してみせた。そこにはルビーが今だ静かに眠っていた。そしてモニターには大量の文字列が流れていく。
「再起動開始」
「完了」
「通信チェック OK」
「常時接続確認」
 最後に一行の文字。
「インターフェース 起動開始」
 そして少女はゆっくりと目を開いた。
「……皆さん、おはようございます。どうしたのですか?」
「ルビー!」
 鈴太郎を始め皆が飛び込んでいく中、最後にアシェ?ル(ka2983)が入っていった。彼女にはやり逃していたことがあった。それを今から行う。やり方は聞いている。問題ない。
「……ルビーさん、アシェールです。よろしくお願いしますね!」
「アシェールさんですね、認証しました。こちらこそよろしくお願いします」
 その言葉を聞いて彼女の顔はぱぁっと明るくなり、一人遅れてルビーに飛びついていた。

●嘘と誠
『……うむ。これで新たなハンターシステムも軌道に乗りそうじゃな』  ハンターズソサエティ本部に設置された、精霊と契約を結ぶためのサークル――即ちハンターシステムは、大きな改修の最中にあった。
 各地に顕現し始めたイクシード・プライムと呼ばれる“星石”を用いてハンターを強化する為には、現行のハンターシステムでは限界がある。
 故にトマーゾ・アルキミア(kz0214)のアドバイスを受けながら改修を行ったのだが、それはエバーグリーンのオートマトン技術にも通じていたのだ。
「この新ハンターシステムは、ハンターというボディに精霊の力を定着させるもの……つまりオートマトンと同じような理屈なのじゃろう?」
『ああ。本来精霊の力は不定形……それをヒトの形に押し込むことで、強制的にその力を引き出し、ハンターの能力を底上げする』
「それだけ聞くとめちゃめちゃ身体に悪そうなんじゃけど……」
『実際、並の生物では強制的な能力の開花に耐えられぬじゃろうな。しかし、世界との結びつきを強めた今のハンターならば可能じゃ。世界の修正力が貴様らを守る』
 トマーゾは今のところ危険性があるならそう説明するし、無理と思うならそう言っていた。
 故にナディア・ドラゴネッティ(kz0207)も彼には一定の信頼を置いている。だが……根本的な部分にはまだ疑念が残っていた。
「これでオートマトンの再起動も可能になった。ハンターが回収してきた義体に精霊をインストールし復活させた、クリムゾンウェスト製オートマトンの第一弾が稼働開始する。戦力はこれでまた増加するじゃろう……だが……本当に問題はないのか?」
 オートマトンの再起動、そしてサブクラスシステムの実現の為に、トマーゾからは多くの知識を授かった。
 その過程でエバーグリーンがどのような理由で滅んだのかも、おぼろげにわかってきた。
「教授が人間を信用しなかった理由も今ならわかる。エバーグリーンの人間がすべてを人任せにして滅んだのであれば、その絶望も理解できる。教授……お主は何の為に守護者となり、生き永らえた? 何故今もこうして戦い続けている?」
 ナディアの問いに、トマーゾは腕を組む。いつも通り眉間に皺をよせ、そして答えた。
『贖罪、そして復讐じゃ。わしはエバーグリーンを滅ぼしたファナティックブラッドに……そしてその眷属に堕ちた……“狂気王”ベアトリクスを討つ為にすべてを費やしてきた。わしにとって貴様らやリアルブルーの連中は、復讐のための道具に過ぎん……そう思っていた』
 眉尻を下げ、男は深く椅子に背を預ける。その視線の先に、既にナディアはいない。
『永遠の命を得たわしにとって、復讐だけが生きる意味じゃった。その為なら何を犠牲にしても構わなかった。なにせわしは、一度は世界を滅ぼした男なのじゃからな。既に良心などありはしない』
「それは嘘じゃな。教授……お主は結局のところ、復讐と自分を偽りながら、ハンターや人類に新たな答えを求めていたのではないか? そして人類は、これまでの戦いでおぬしの答えを示した。だからおぬしはルビーの復活に協力してくれたのじゃろう?」
『……オートマトン技術は、扱い方ひとつで世界を壊す忌むべき力じゃ。おぬしらがろくでなしであれば、ルビーの復活などさせるつもりはなかったさ』
 だが、少しずつ気持ちが変わって行くのを感じていた。
 ハンターの行動はやがて世界の垣根すら超え、歴史が示す未来予測すら超えた場所に辿り着こうとしている。
 未だ見ぬ答えを示された時、その解が過去に自らが導き出した解と違ったのなら……。
『本当は……あの技術は。オートマトン技術は……あんなことの為に作ったわけではなかった。わしはただ知りたかった。神の想い……神の言葉……世界の真理。森羅万象を超えた、永遠の楽園を……』
 きつく目を瞑り、そしてトマーゾは今一度、モニター越しにナディアと向き合う。
『今こそわしの罪を語ろう。その上で改めて貴様らに問う。――世界を救済し、神の理に抗う覚悟は十分か?』
「当然じゃ。必ず世界を救ってみせる。その為に出来ることがあるのなら、どんな場所でも、どんな敵が相手でも戦う。……あいつらは、そういう奴らじゃ」
『……そうじゃったな。ならば貴様らはもう一度赴かねばならない。滅びた世界、罪の果てたる都……。エバーグリーンの、セントラルへ』

●新たな仲間

アズラエル・ドラゴネッティ

ミリア・クロスフィールド

ルビー

 その日、ハンターオフィスはどこも大忙しだった。
 元々予定としては組まれていたことで、準備も事前に進めていたのだが……。
 北方尾国リグ・サンガマで生き残ったドラグーンの一部が、ハンターとしての登録を開始した。
 そしてほぼ同時期、ハンターシステムの改良過程で組み込まれた新機能により、「世界」と契約し目覚めるオートマトンが増え始めた。
 龍園にもハンターオフィスの支部が置かれることになり、募集が始まって応募が殺到したとか、エバーグリーンからオートマトン修復技術がもたらされ、パーツさえそろっていれば再起動がある程度容易になったとか、諸々の事情はあるが……。
「やあミリア、景気はどうだい?」
「ご覧の通り大盛況ですよ、アズラエルさん。まあ、盛況過ぎてバタバタしてますけど……」
 アズラエル・ドラゴネッティの問いにミリア・クロスフィールド(kz0012)は苦笑で応じる。
 なにせ、世間知らずだがやる気だけはバッチリのドラグーンが群れを成してやってきて、目覚めたばかりで状況がよくわかっていないオートマトンもウロウロしている。  どちらも世情に疎い種族だけあり、状況がわかっていない者たちには先輩ハンターの支援が必要そうだ。
「いや?、オートマトンっていうのはルビー以外見たことがなかったけど、こうしていると人間と変わらないね」
「大精霊の側から勝手にインストールしてきたりするので、起動個体数を正確にコントロールできないんですよね?」
「それはなんというか……大変だね……」
「ドラグーンの方は、サヴィトゥールさんが資料をまとめてくれているので、だいぶ楽なんですけど」
 二人がそんなやりとりをしていると、一体のオートマトンが歩いてくる。
 それは機械的なデザインの装備を身に纏ったルビー(kz0208)だった。
「ルビーさん! よかった、もうお身体の具合はよくなったんですか?」
「ミリアさん……はい、今のところコンディションは万全です」
「それは新装備かい?」
「トマーゾ教授が事前に崑崙より送り込んでくれていたそうです。現在の技術で再現された、高性能オートマトン用バトルドレスです」
 スポーツカーを思わせる深紅の装束に身を包んだルビーを、アズラエルは神妙な面持ちで見つめる。
 なんだかんだ言ってあの男もルビーを復活させる前提で話を進めていたということだ。
「君はこれからどうするんだい? もう一度、闘いに身を置くつもりなのか?」
「……わかりません。ただ、教授の話を聞いてから判断すべきと考えました。アズラエルさん、あなたもお呼びするよう言付かっています」
「教授が……? 君が目覚めた今、何を話すつもりなのやら」
 顔を見合わせるミリアとアズラエル。男は頷き、ルビーの後に続く。
「いよいよ彼の昔話を聞ける時かな。尤も、きっと愉快な話ではないだろうけど」
 独り言にルビーは応えない。ただ、ありのままを受け入れる心の準備だけを済ませる。
 この先に待つのは、エバーグリーンの過ち……。
 そして、この世界の未来を救うための必要な会議なのだから。


(執筆:cr
(監修:神宮寺飛鳥
(文責:フロンティアワークス)

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